マナーやご作法
家族葬のお知らせが後日届いた場合、弔問して香典をお渡しするのはマナー違反なのでしょうか?
この記事では家族葬がすでに行われていた際、弔問してよいかどうかを見極めるポイントについてお伝えします。
また家族葬を行う遺族側も「参列しなかった方への報告はいつ、どのように行えば良いのか?」と悩む場合もあると思います。
今回は家族葬の報告を行う<遺族側>とそれを受け取る<友人・知人側>、それぞれの対応についてご説明します。
遺族側が送る挨拶状の例文も紹介していますので、ぜひ参考になさってください。
家族葬の報告を受け取る<友人・知人側>の注意点とは?
そもそもなぜ家族葬の報告は後日知らされるのでしょうか?
「家族葬」とは1990年代頃からじわじわと増えている葬儀形式です。
故人と最期の時間をゆっくりと過ごすため、ごく親しい人たちだけで行う小規模タイプの葬儀が家族葬です。
葬儀前に挨拶状を送ってしまうと弔問客が増え、家族葬本来のメリットが生かせません。
そのため参列しなかった方への報告は葬儀後が一般的となっています。
まず確認すべきは「香典辞退」の明記
家族葬の報告を後日受け取った場合、まず確認するのは「香典辞退」と明記されているかどうかです。
「香典辞退」と明記“されている場合”と“されていない場合”、それぞれの対応についてまとめてみました。
「香典辞退」と明記されている場合
挨拶状に「香典辞退」と明記されている場合、基本的に香典はお渡ししない方がよいでしょう。
家族葬での「香典辞退」はよく見受けられることで、珍しいことではありません。
「香典を渡さないのは失礼にあたるのでは?」と不安に思う方もいるでしょう。
しかし、通常香典を受け取った遺族側は香典返しを用意する必要があります。
遺族側が最初から香典を望んでいない場合、香典返しの準備をしていない可能性もあります。
香典を渡すことで遺族側は新たに香典返しの品物を準備し、持参したり郵送したりという手間がかかってしまうことに。
どうしても弔意を表したい場合は「弔電」など遺族側に負担のかからない方法を考えましょう。
「香典辞退」と明記されていない場合
挨拶状に「香典辞退」の明記がない場合は、香典を受け取る意思があると捉えても良いでしょう。
ただし明記がない場合でも、実際にお渡しすると辞退を伝えられる場合もあります。
故人の家が弔問できるくらいの距離であれば、遺族へ連絡をして弔問のお伺いを立ててみてください。
その際に香典や供物・供花の持参に関して、お渡ししても大丈夫か訊ねておくと良いですね。
遠方に住んでいて弔問が難しい場合は現金書留で香典を送ることもできます。
現金書留で香典を送る場合の注意点は以下の記事にまとめてありますので、よろしければご覧になってください。
後日弔問するときのマナーについて
葬儀後に弔問する際はどのような点に気を付ければよいのでしょうか?
遺族側に弔問に伺ってよいのかを確認
弔問・香典辞退が明記されていない場合でも、いきなり弔問するのはマナー違反です。
葬儀終了直後は遺族の方はまだお忙しく、心身共にとても疲れています。
弔問に伺う際は、必ず事前に遺族の方の都合を確認してから伺いましょう。
遺族側に「弔問は遠慮したい」という意向を伝えられたのなら、弔問はおすすめできません。
弔問や香典辞退は遺族の意向に沿うことが大切です。
服装は平服で
弔問の際は喪服ではなく平服で伺いましょう。
遺族よりも格式が高くなる服装はマナー違反となりますし、喪服を着用することで遺族に葬儀を思い起こさせる心配もあります。
男性ならビジネススーツ、女性ならアンサンブルやワンピースなどを着用。
またカラーは黒やグレーが基本です。
結婚指輪は華美なものでなければ問題ありませんが、基本的にアクセサリーはNG。
宗派にもよりますが数珠は持参した方が良いでしょう。
香典・供物・供花は必要に応じて
香典辞退が明記されていないときは念のため香典を持参します。
家族葬の香典相場は以下のようになります。
- 両親 5万~10万円
- 兄弟姉妹 3万~5万円
- 祖父母 1万~5万円
- 親戚 1万~5万円
- 友人 5000円~1万円
香典は年代によって包む金額が変わってきます。
上記の例でいえば、20代は相場の最低金額を包むのが一般的。(5万~10万円なら「5万円」)
30~40代は相場の中間くらいの金額を包むと良いでしょう。
故人とどのくらい親しかったかによっても金額は変わってきます。
香典を辞退されている場合はお花や供物を持参することもできますが、挨拶状に「供花・供物も辞退」とある場合はこちらも持参しない方が良いでしょう。
お花であれば5千円から2万円くらいが予算相場です。
アレンジメントや籠花などいろいろな種類がありますが、あまりサイズが大きすぎると喪家のご迷惑になるかもしれませんので気を付けてください。
供物であれば進物用のお菓子で日持ちするものを選びましょう。生菓子は賞味期限が短いため控えてくださいね。
お線香や缶詰・果物なども人気の供物です。供物の予算相場はだいたい5000円前後となります。
弔問に伺ったら長居はしない
弔問に伺ったら玄関先でお悔やみを申し上げます。
「このたびはご愁傷さまでした」、「お悔やみ申し上げます」など短い言葉で構いません。
このとき遺族の方に香典や供物をお渡ししましょう。
遺族に仏壇・祭壇へお参りするよう促されたら、家へ上がらせてもらいお参りします。
お参りが終わったあとはあまり長居せず、早めに帰宅するよう心がけましょう。
家族葬の報告を行う<遺族側>の注意点とは?
続いて家族葬を行う遺族側の注意点についてお伝えします。
「家族葬の挨拶状には何を記載すればいいの?」という方のために挨拶状の例文もご用意しました。
家族葬の挨拶状はいつまでに送るのか?
家族葬の挨拶状は葬儀後に送るのが一般的です。
葬儀後1~2週間後を目安に、少なくとも喪が明ける四十九日までには送付しましょう。
手紙やハガキで報告する場合が多いですが、電話やFAX・メールなどの連絡ツールも利用できます。
親しい間柄で少しでも早く、確実に伝えたいのであれば電話が良いでしょう。
耳の不自由な高齢者や会社関係の方ならFAXでも問題ありません。
メールやSNSは手軽で便利ですが、カジュアルすぎて失礼だと感じる人もいます。報告する方との関係性をよく考慮して伝えるようにしましょう。
また、北海道では新聞の無料お悔やみ欄で葬儀終了をお伝えすることもできます。
年賀状作成の時期でしたら喪中はがきで事後報告するケースも見受けられます。
「家族葬に親族が反対…!理解されない場合はどう伝えるべき?」
家族葬の挨拶状には何を記載するのか?(例文アリ)
挨拶状を作成する場合、必ず記載するべき点が5つあります。
- ・誰が亡くなったのか
- ・葬儀を家族葬で行ったという報告
- ・報告が遅れたことへの謝罪
- ・生前、お世話になったことへのお礼
- ・香典・供花・供物の辞退について(辞退する場合)
ちなみに挨拶状では拝啓・謹啓といった語頭や時候の挨拶、句読点は使いません。
参考までに例文をご紹介しますので、参考になさってください。
香典を辞退しているのに弔問に来られたらどうする?
挨拶状に「香典辞退」と明記していても弔問に来られる場合もあります。
故人と親しかった方が「どうしても」と香典を持ってこられた場合は、受け取ったほうが良いでしょう。
無理に追い返してしまうのは失礼にあたります。
北海道の場合、香典返しは「即日返し」といって1000円くらいの品物をお渡しするのが主流。
海苔やコーヒーなどを香典返しとして用意するとよいでしょう。
もし会社関係の方が香典を持ってこられた場合は、丁重にお断りしても問題ありません。
「誠に恐縮ですが、故人の遺志(もしくは家族の意向)によりお香典・ご弔問はご辞退させていただきます。どうかお気遣いなさらないよう宜しくお願いいたします。」
といった挨拶を述べ、香典を辞退しましょう。
家族葬ならウィズハウスにお任せください
家族葬のウィズハウスでは挨拶状の作成などもすべて承ります。
ウィズハウスのお葬式は邸宅型で一日一葬が基本。
大変ご好評をいただいており、ありがたいことにリピーターのお客様も多くいらっしゃいます。
「家族だけで最期のときを静かに過ごしたい」、「お世話になった方へも礼節を尽くしたい」など、ご意向に沿ったプランを提案させていただきます。
故人が生前にお好きだった花や音楽で、オリジナルなお葬式をおこなってみるのはいかがでしょうか。
下記はウィズハウスで行った葬儀のほんの一例です。
故人とご遺族の心に残るお葬式をお考えであれば、ぜひウィズハウスにご相談ください。
ご相談は24時間365日、いつでも承っております。
まとめ
- ・家族葬の報告を受け取った際、まず確認すべきは「香典辞退」の有無
- ・「香典辞退」が明記されているならお渡ししない方が無難。弔電など遺族に負担のかからない方法で弔意を表す
- ・「香典辞退」と明記がない場合は、弔問・もしくは現金書留で香典を送る(事前に遺族へ連絡する)
- ・遺族側が家族葬の挨拶状を作成する場合、葬儀後1~2週間を目安に送る
- ・香典辞退の意向でも、深い間柄の方からいただいた場合は受け取った方が良い