マナーやご作法
「通夜振る舞い」とは通夜の後に行われる会食のことです。
近年は家族葬・一日葬など簡易的な葬儀スタイルの普及もあり、省略する喪家も増えてきました。
通夜振る舞いを行わないことはマナー違反になるのでしょうか?
今回は通夜振る舞いの流れやマナー、料理の種類について解説していきます。
通夜振る舞いと精進落としの違いについても一覧表でお伝えしていますので、ぜひ参考になさってください。
通夜振る舞いの意味とは?
元来の通夜振る舞いと現代の意味合いは少し異なります。
現代の通夜振る舞いとは「通夜式後に一般会葬者や親族・僧侶と行う会食」のことです。
元来の通夜振る舞いも「参列者へ振る舞う食事」という意味では変わりありません。
両者の一番の違いは“行われる時間の長さ”でしょう。
現代の通夜振る舞いは通夜式後、1~2時間で終了するのが一般的。
しかし、もともと「通夜」という儀式自体が夜通し行われるものでした。
故人が亡くなった夜はロウソクの灯や線香を絶やしてはいけないとされ、親族が寝ずの番をして灯し続けたのです。
そのときに振る舞われた食事を「通夜振る舞い」と呼んでいました。
現代とは多少意味合いが異なりますが、故人を偲ぶという趣旨は同じといえるでしょう。
通夜振る舞いの目的は主に3つです。
- ①故人との最期の食事であるという供養の意味
- ②弔問客と僧侶に対して感謝の気持ちを表す意思表示
- ③お清めの意味
なお僧侶の同席に関しては、一部地域の慣習や特にお付き合いの深い場合を除いてほぼなくなりつつあります。
通夜振る舞いがないとマナー違反になる?
通夜振る舞いを行わなくてもマナー違反にはなりません。
近年は家族葬や一日葬など簡易的な葬儀スタイルが増えてきました。
ごく親しい身内だけで行われる場合、通夜振る舞いも省略されることが多くなってきています。
コロナが流行している時期や、そもそも通夜振る舞いを行えるような部屋が取れなかった場合も省略することが多いですね。
地域によっては食事の代わりに軽食を用意したり、お寿司などの折り詰めを返礼品としてお渡ししたりする場合もあります。
また家族葬など身内だけで行う葬儀の場合は、故人のお気に入りだったレストランへ行ったり、故人の好きだった食事を手作りしてみんなで食べるというケースもあります。
通夜振る舞いと精進落としの違いについて
「通夜振る舞い」と「精進落とし」を混同してしまう方もいるのではないでしょうか?
この機会に2つの違いを把握しておきましょう。
精進落としとは何か
現代における「精進落とし」とは、火葬もしくは葬儀後に会葬者や僧侶と行う会食のことです。
地域によっては「お斎(おとき・おとぎ)」や「精進明け」と呼ばれることもあります。
もともとの精進落としの意味とは「精進料理から普通の食事に戻ること」でした。
精進料理とは肉や魚を使わずに豆腐・野菜を中心とした食事のこと。
昔は故人が亡くなると「無事浄土へ旅立てるように」という願いを込め、忌明け(四十九日)まで精進料理を食していました。
忌明けを迎え、遺族が元の食事に戻ることを「精進落とし」と呼んでいたのです。
家族葬における精進落としについては以下の記事でも詳しくお伝えしています。
https://with-house.jp/wp/blog/2017/08/5195/
通夜振る舞いと精進落としの比較
通夜振る舞いと精進落としの違いが分かりやすいよう、一覧にまとめてみました。
通夜振る舞いのお声掛けの範囲は地域によって異なります。
例えば関東圏では一般会葬者へも通夜振る舞いを行いますが、その他のエリアでは遺族・親族を中心に行うことが多いですね。
札幌近郊では親族中心で参加するのが一般的。
近しい親族や遠方から駆けつけた方は、通夜振る舞い後に泊まっていかれる方も多くいらっしゃいます。
付き合いの少ない親族や一般会葬者は通夜振る舞いに参加しない場合もあります。
通夜振る舞いの料理は何を用意する?
通夜振る舞いの料理はオードブルなどの大皿料理がメイン。
お寿司や揚げ物、お酒などが並べられ、好きなものを取って食べるバイキングのような形式が多いです。
昔は精進料理(豆腐や野菜を中心とした料理)が良しとされる風潮でしたが、現代ではあまり気にする方はいらっしゃいません。
故人の好きだった食事を並べる喪家もいらっしゃいますし、ホテルで立食パーティのような形を取るケースもあります。
小さい子向けにチョコレートやクッキー、高齢者向けにおまんじゅうなどがあると喜ばれます。
フルーツの盛り合わせやサンドイッチなども人気のメニュー。
家族葬のウィズハウスでは、通夜振る舞いとして和洋折衷のブッフェ形式のお食事をご用意しています。
ブッフェ形式なら事前の正確な人数把握も不要ですし、ご遺族の負担も軽減できますよ。
参列者のそれぞれが好きな料理を召し上がることができるので、幅広い年齢の方に好評をいただいております。
通夜振る舞いの流れについて
通夜振る舞いは以下のような流れで行われます。
- ①案内
- ②開式
- ③会食
- ④閉式
通夜振る舞いの案内は、通夜式のあとに行われる喪主の挨拶時にアナウンスがあります。
もしくは葬儀会場のスタッフが案内する場合もあるでしょう。
案内前にお部屋に入ることはマナー違反とされていますので気を付けてくださいね。
参加する方全員がお部屋に入ると、喪主より通夜振る舞い開始の挨拶があります。
挨拶後は「献杯」をして会食が始まります。
献杯とは慶事でいうところの「乾杯」にあたるもの。
献杯はグラスを高く掲げたり、隣の人とグラスを合わせて音を出したりするのはNGです。
グラスは低い位置で持ち、代表者の「献杯」という音頭のあと全員で唱和してから口をつけます。
通夜振る舞いに参加しないのはマナー違反?
通夜振る舞いへの参加は強制ではありませんが、遺族の方から声を掛けられたら少しでも良いので参加しましょう。
最初から最後まで参加しなくても問題ありません。
退席する際は、遺族へ「お先に失礼します」とお声掛けしましょう。
また会食中は以下の5つのマナーをしっかり守ってください。
- ①大声で騒いだりはしゃいだりしない
- ②お酒の飲みすぎに注意する
- ③一般会葬者は必要以上に長居しない(30分ほどが目安)
- ④仕事の話など葬儀に関係のない話はしない
- ⑤故人の死因を遺族に聞かない
通夜振る舞いの場は宴会ではありません。
あくまでも故人を偲び、語らう場ですので、しめやかな席になるよう心配りをしましょう。
また遺族側が見落としがちなのが、町内や世話役など会場でお手伝いしてくださる方の食事時間です。
事前に食事時間を確保したり、別室で料理が食べられたりするよう配慮しましょう。
まとめ
- ・通夜振る舞いとは通夜式の後に行われる会食のこと(精進落としは火葬や初七日法要が終わった後に行う会食)
- ・通夜振る舞いは一般会葬者を含めた幅広い方に参加してもらう場合が多い
- ・通夜振る舞いの料理は寿司桶やサンドイッチ、揚げ物など大皿にのせたスタイルが一般的
- ・家族葬や一日葬の場合は通夜振る舞いを省略することもある
家族葬のウィズハウスの葬儀は、まるでおうちでのお見送りのようだと大変ご好評をいただいております。
邸宅型葬儀で、故人様と最期のときを静かに過ごせます。