家族葬の知識
近年ライフスタイルや宗教観の変化から、自由な形式で葬儀を行う「無宗教葬」が少しずつ増えています。
今回は無宗教葬を行うメリット・デメリットや、葬儀の流れについて詳しくご紹介します。
「無宗教葬の費用はどのくらいかかる?」
「無宗教葬を行うと納骨できないって本当?」
といった疑問についてもお答えします。
記事の最後に無宗教葬での家族葬事例についてもご紹介しておりますので、どうぞご覧ください。
この記事でわかることは以下の5つです。
- ・無宗教葬とは何か?
- ・無宗教葬を行うメリット・デメリットについて
- ・無宗教葬の流れ・費用について
- ・無宗教葬についてのQ&A
- ・ウィズハウスでの無宗教葬ケース紹介
無宗教葬とは何か
無宗教葬とは伝統的な儀式や作法を問わない、自由なスタイルの葬儀のことです。
特定の宗旨・宗派にとらわれず、マナーや作法にも寛容なことから「自由葬」とも呼ばれています。
無宗教葬は以下のような考えをお持ちの方におすすめです。
- ・宗教にこだわりがない
- ・伝統的なしきたりに縛られず自由な形で故人を見送りたい
- ・故人や自分自身がお寺との付き合いがなく、必要性を感じていない
- ・お寺に払うお布施などの料金に疑問を感じている
日本ではおよそ8割が仏式の葬儀を選択。無宗教葬は全体の1割ほどしか執り行われていません。
まだまだ認知度の低い葬儀ですが、昨今の“多様性の時代”に沿った葬儀スタイルといえるのではないでしょうか?
「無宗教葬」と一言で言ってもその種類は実にさまざま。
音楽葬を始め、ホテル葬やレストラン葬・キャンドル葬など多岐にわたります。
無宗教葬は基本的に宗教者を呼ばないため、読経がなく、お布施も必要としません。
読経の代わりに故人の好きだった音楽を生演奏する、焼香ではなく献花を行う、など葬儀の内容もオリジナルに富んだものとなります。
家族葬と無宗教葬の相性は良い
近年、一般葬をしのぐ勢いで増えている葬儀スタイルが家族葬です。
家族葬と無宗教葬は大変相性のよい葬儀といえます。
家族葬は、ごく親しい身内や友人のみを呼んで行う小規模な葬儀。
基本的な儀式は一通り行われますが、精進落としを省いたり喪主の挨拶を簡易的にしたりと一般葬よりもアットホームな雰囲気で行われることが多い葬儀です。
無宗教葬は故人や遺族の遺志を反映しやすい自由な葬儀スタイルですので、ありきたりな家族葬にしたくない方にもおすすめです。
無宗教葬のメリット・デメリット
続いて無宗教葬を執り行うメリット・デメリットについてご説明します。
無宗教葬を行うメリット
無宗教葬を行うメリットとして、主に以下の4つが挙げられます。
メリット①故人の遺志・遺族の意向に沿ったオリジナルの葬儀ができる
無宗教葬を行う一番のメリットは、故人や遺族の意向を反映しやすい点でしょう。
故人が生前エンディングノートに記した内容を基に葬儀プランを立てることも可能です。
「通常の仏式の葬儀はしたくない」、「参列者の記憶に残る葬儀にしたい」という方にもぴったりです。
メリット②宗教者へのお布施が不要
無宗教葬では基本的に宗教者を呼びません。
一般葬では僧侶へお布施をお渡しするのがマナー。地域によっては20万~50万のお布施が必要になることもあります。
単純に葬儀費用を抑えることができる点は無宗教葬のメリットといえます。
メリット③一周忌や三回忌などの法要を省略できる
仏式の葬儀の場合、通夜・葬儀を終えた後も定期的に法要を行わなければなりません。
無宗教葬は基本的に葬儀のみで完結しますので、葬儀後の法要にかかる手間や費用を減らすことができます。
ただし喪家によっては法要を行う場合もありますので、こちらはケースバイケースといえます。
メリット④葬儀におけるマナーやタブーに寛容
一般的な葬儀では「○○しなければならない」「○○は失礼にあたる」などマナーや作法が多くあります。
また仏式ですと「消える」や「落ちる」、「ますます」などの忌み言葉を使うのはタブーとされています。
無宗教葬では宗旨・宗派にとらわれない自由な葬儀形式のため、マナーや作法については一般葬よりも寛容です。
無宗教葬を行うデメリット
無宗教葬を行うデメリットとして、主に以下の3つが挙げられます。
デメリット①親族から理解を得がたい
たとえ故人の遺志を尊重したと伝えても、宗教者の読経や焼香のない無宗教葬に抵抗のある方もいらっしゃるでしょう。
葬儀についての考えは人それぞれです。
無宗教葬は認知度も低いため、人によっては嫌悪感を示す場合もあるでしょう。
無宗教葬を執り行う意向であれば、参列される親族の方へ一言お伝えしておくことをおすすめします。
「何の相談もなく勝手に無宗教葬を計画した」、「こんな葬儀では故人が成仏できない」など、お叱りを受ける恐れもあります。
親族同士のトラブルを防ぐためにも、まずは親族へ相談してから計画を進めましょう。
デメリット②菩提寺がある場合、納骨を拒否される恐れがある
菩提寺があるのに無宗教葬を行った場合、納骨を拒否される可能性が高くなります。
仏式の葬儀では菩提寺の僧侶に来ていただいて読経をあげてもらい、戒名をいただくのが一般的。
それらをすべて行わないとなると故人の納骨は難しくなります。
菩提寺にこだわらないのであれば、納骨方法の選択肢はいろいろとあります。
公営墓地や宗派不問の民営霊園、または自然葬(海洋散骨や樹木葬)や納骨堂も利用できます。
早い段階から無宗教葬を行うことが決まっている場合は、納骨先をあらかじめ手配しておくと良いでしょう。
デメリット③自由度が高すぎて内容が決めにくい
オリジナルの葬儀が行える無宗教葬ですが、自由度が高すぎてかえってプランが決めづらい、という弊害もあります。
仏式の葬儀はある程度の流れが決まっており、葬儀会社の指示に従って行えばつつがなく終了します。
しかしオリジナルな葬儀内容となる無宗教葬では、喪家が段取りをしっかり把握していなければなりません。
もちろん葬儀会社も相談に乗ってくれますが、無宗教葬の経験豊富な葬儀会社を選ぶことも大変重要になってきます。
コープの家族葬ウィズハウスでは無宗教葬の実績が多数ございます。
故人やご遺族様に寄り添ったプランをご提案させていただきますので、ぜひご相談ください。
無宗教葬の流れ
無宗教葬の流れの基本は、一般葬に準じたものとなります。
一般葬での宗教儀礼(読経や焼香)の代わりにセレモニーや献花が行われることが多いでしょう。
無宗教葬の流れの一例をご紹介します。
1)開式の言葉
司会者が開式の言葉を述べます。
2)黙祷
遺族・参列者全員で黙とうを捧げます。
3)故人の略歴やプロフィール紹介
故人の略歴や人柄などを参列者の前で発表します。
4)セレモニー
こちらは喪家によって何をするかが異なります。
故人の好きだった音楽を生演奏で奏でたり、故人との思い出の動画をスライドで流したりします。
5)お別れの言葉・感謝の言葉
一般葬でいう弔事にあたるものです。
誰が挨拶をするかなど詳しい決まりはありませんが、遺族代表がお別れの言葉を述べることが多いでしょう。
故人と親しかった友人がお別れの言葉を述べ、それに答える形で遺族が感謝の言葉を述べることもあります。
6)献花
仏式の葬儀における「焼香」の役割を果たすのが「献花」。
参列者一人一人がテーブルや棺の中に花を添えていく儀式です。
ウィズハウスでは希望があれば焼香を行うこともできますのでご相談ください。
7)閉式の言葉
司会者が閉式の言葉を伝えます。
上記で紹介しているセレモニーが必須なわけではありません。
しかしセレモニーがないと式らしい式がなく終わってしまう可能性も否めません。
故人の経歴紹介やプロフィールビデオ、献花などは多くの無宗教葬で行われています。
無宗教葬のQ&A
無宗教葬のお悩みについてQ&A方式でお伝えします。
Q無宗教葬の費用はどのくらいかかる?
A:無宗教葬の費用は「どんなセレモニーを行うか」で大きく変わってきますが、およそ100万~200万円ほどが相場です。
無宗教葬といっても葬儀に変わりはありません。
一般葬と同様に会場代や棺代などの費用はかかります。
しかし無宗教葬では一般的に宗教者を呼びませんので、お布施代金は不要となります。
お布施分の費用がセレモニーにスライドする形になるでしょう。
ただ一般葬では葬儀が終わった後に四十九日や一周忌などの法要が行われますが、無宗教葬では行われないケースがほとんど。
年忌法要でかかる費用(会場代・食事代・お布施・香典返しなど)が不要ですので、トータルで見れば費用を抑えられるといえるでしょう。
Q無宗教葬でも案内状は必要?
A:葬儀の際に案内状を作成することが一般的となっている地域では、基本的に一般葬と同様に案内状を作成します。
葬儀会場と日時・時間を記し、平服参加の場合は一言添えておきましょう。
Q無宗教葬で香典は必要?
A:無宗教葬でも香典は用意するのが一般的です。香典金額も一般葬に準じてください。
香典袋の表書きには「ご霊前」と記載すれば無宗教葬でも問題ありません。
案内状に「香典不要」と明記してある場合、香典はお渡ししません。
ちなみに仏式の葬儀に必須の数珠は無宗教葬では不要となります。
Q無宗教葬の服装は何を着る?
A:遺族から特別な案内や指定がない限りは、服装や持ち物については一般葬のマナーと同様になります。
喪服を着用し、靴やカバンなどは派手なものを身につけないよう気を付けましょう。
無宗教葬の案内を受けた方で、案内状に「平服で」と記載があれば、地味な平服で参列します。
一般葬・家族葬へ参列する際の服装、身だしなみのマナーについてはこちらの記事でも詳しくご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
「家族葬での服装マナーとは?親族側・参列者側それぞれの服装を説明」
ウィズハウスでの無宗教葬ケース紹介
※参考写真(ウィズハウスでのケース一例。無宗教葬のケース紹介の葬儀とは異なります)
恵庭市 I家様
故人様がお若く、宗教観をあまりお持ちではなかったことから無宗教葬での音楽葬をご提案させていただきました。
故人様の生い立ちビデオを流し、故人様がお好きであった曲を流しました。
故人がお好きだった音楽を献奏し、音楽付きのお別れビデオを流す「音楽葬」のセレモニーは、参列者様の評判も良くおすすめです。
ウィズハウスでは無宗教葬の実績が多数ございます。
費用などを含め、以下の事例も参考になさってください。
まとめ
- ・無宗教葬とは宗教者を呼ばず、自由な形式で行う葬儀スタイルのこと
- ・無宗教葬のメリットは故人や遺族の遺志を反映したオリジナルの葬儀が行える点と、費用を抑えられる点(お布施や葬儀後の法要が不要)。
- ・無宗教葬のデメリットは親族からの理解が得難いところ、さらに菩提寺がある場合は納骨が難しい点など
- ・無宗教葬の流れは一般葬に準じ、そこから宗教的儀式を省いたものになる(代わりにセレモニーや献花を行う)
- ・無宗教葬を行う際の案内状や香典、服装については一般葬と同様となる
家族葬を検討している方はウィズハウスへぜひご相談ください。
故人としっかり向き合い、親しい人と想いを分かち合う、おうちのようなお見送りをご提案いたします。