家族葬の知識
葬儀を行うにあたり、「なるべく費用を抑えて執り行いたい」とお考えの方も多いのではないでしょうか?
近年、家族葬や直葬といった小規模タイプの葬儀が注目されています。
一般葬と比較して費用を抑えられる2つの葬儀ですが、それぞれどういった違いがあるのでしょうか。
この記事では「家族葬と直葬の違いは何?」「直葬の流れや費用について知りたい」といった疑問にお答えします。
家族葬と直葬、どちらの葬儀にするかお悩みの方は、ぜひ参考になさってください。
この記事でわかることは以下の5つです。
- ・家族葬と直葬の違いとは?
- ・家族葬と直葬、それぞれの特徴と流れについて
- ・家族葬と直葬の費用比較
- ・直葬を行う上で気を付けるべき事とは?
- ・直葬をおすすめできるケースは?
家族葬と直葬の違いは「通夜・告別式の有無」
家族葬と直葬、2つの葬儀の最大の違いは「通夜・告別式の有無」です。
家族葬はごく身内だけで行う小規模の葬儀ですが、基本的に通夜と告別式が行われます。
葬儀の流れ自体は一般葬とほぼ同様のものと考えてください。
一方、直葬の場合は宗教的儀式やセレモニーを行わないのが一般的。
通夜・告別式を省略することで葬儀にかかる日数・費用を抑えることができます。
家族葬と直葬の特徴・葬儀の流れ
それでは家族葬と直葬、それぞれの特徴について見ていきましょう。
葬儀の流れについても併せてご紹介します。
家族葬の特徴と葬儀の流れ
家族葬とは、ごく親しい身内や親族を呼んで行われる小規模タイプの葬儀のことです。
一般的には2親等くらいまでの親族を呼んで執り行われることが多いですね。
(1親等は故人の配偶者や子供。2親等は兄弟姉妹や祖父母・孫などです)
一般葬のように広く告知はせず、知人やご近所の方、会社関係者などには参列を辞退いただきます。
ただし家族葬に明確な定義・基準はありません。
家族4人で行うのも家族葬ですし、30人規模で行うのも家族葬と呼びます。
また参列者も家族に限らず、故人と親しかった友人を呼ぶことも。
ごく親しい人達だけでゆっくりと故人を見送り、最期の時間を大切に過ごしたいという想いから近年増えている葬儀スタイルです。
家族葬は一般的に以下の流れで行われます。
- ①ご臨終・ご遺体のお迎え
- ②ご遺体の安置
- ③納棺・通夜
- ④告別式
- ⑤出棺・火葬
- ⑥収骨・遺骨法要・繰り上げ法要
通夜・告別式を行うため宗教者に対するお布施も一般葬と同様に必要です。
香典については全国的にみると辞退される喪家が多いようですが、北海道地区では香典をいただくのが主流となっています。
北海道・旭川市の家族葬については以下の記事も参考になさってください。
直葬の特徴と葬儀の流れ
直葬とは通夜・告別式を省略した葬儀のことです。
読み方は「ちょくそう」や「じきそう」といい、地域によって異なります。
宗教的儀式やセレモニーを行わず、ご遺体の安置後はそのまま出棺される形の葬儀スタイル。
通常の葬儀で必要となる会場代や香典返し、精進落としなどの食事も不要ですので費用も最小限です。
また家族葬の場合はお迎えを含め2~3日の葬儀日数を見越しますが、直葬は2日ほどで葬儀が終わります。
「直葬」と聞くとご遺体をお迎えしてからすぐに火葬場へ向かうイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれません。
しかし日本では亡くなってから24時間以内は火葬してはいけない決まりになっています。
そのためお迎え後はまずご遺体を安置し、翌日以降に火葬する形になります。
直葬の一般的な流れは以下の通りです。
- ①ご臨終、ご遺体のお迎え
- ②ご遺体の安置
- ③納棺
- ④出棺・火葬
- ⑤収骨
火葬前に炉前でささやかなお別れをし、読経を行うこともありますが、火葬後の還骨法要や繰り上げ法要は行いません。
家族葬と直葬の費用比較
気になる費用面について、2つの葬儀の平均相場をご紹介します。
家族葬の費用相場
家族葬の一般的な費用平均は、約110万円です。
葬儀費用には葬儀会場や祭壇、お葬式に使われる葬具などの一式を含みます。
ほかにも参列者をもてなすための飲食代、読経料やお布施など宗教者にかかる費用も含まれます。
ちなみにウィズハウスでご用意している家族葬プランは葬儀規模にもよりますが、約40万円~100万円程度が相場です。
「お葬式は最後の家族旅行」という考えのもと、くつろぎの施設と空間をご提供しております。
ホームページでご紹介している家族葬プランはほんの一例。
お客様のご要望に限りなく寄り添ったオリジナルプランもご提案いたしますので、いつでもご相談ください。
直葬の費用相場
直葬の費用平均は約20万~40万円です。
通夜や告別式、読経、飲食などを行わないため、家族葬の半分以下の費用で執り行えるでしょう。
ただし火葬後の納骨費用については別途かかります。
一般墓に納骨するのであれば全国平均で150万円弱、近年人気の樹木葬でも64万円ほどは必要でしょう。
参照:「第15回お墓の消費者全国実態調査」(2024年):鎌倉新書調べ
納骨の選択肢の1つである永代供養については、以下の記事でも詳しくお伝えしております。
直葬にする場合の注意点とは?
直葬を行う場合に注意する点として、主に以下の4つが挙げられます。
- ①故人とのお別れの時間が少ない
- ②ご遺体の安置場所の確保
- ③親族や菩提寺とのトラブル
- ④遺族の葬儀後の負担
注意点の詳細と対応について、それぞれご紹介していきます。
注意点①故人とのお別れの時間が少ない
直葬は他の葬儀と比較すると、故人とのお別れの時間はかなり限られたものになります。
直葬ではご遺体を安置し、24時間を経過した後に火葬が行われます。
通常行われる通夜や告別式などのセレモニーがないため、あっという間に葬儀は終わってしまいます。
故人の希望で直葬を行ったものの、「やっぱりきちんと葬儀の形をとり、ゆっくりお別れをすれば良かった…」と後悔される遺族は少なくありません。
そういった点も考慮しながら直葬を行うかどうかを検討しましょう。
注意点②ご遺体の安置場所の確保
病院で亡くなってしまった場合、ご遺体を院内で安置してもらえるのは1~2時間程度です。
ご遺体は火葬まで24時間の安置が必要ですので、安置施設に空きがない場合はご自宅での引き取りをお願いされるかもしれません。
葬儀会社を利用するのであれば葬儀施設へ安置してもらえるでしょう。
ウィズハウスでも直葬プランとして「お預かり葬プラン」や「火葬式プラン」をご用意しております。
ご遺体のお迎えから安置まで、経験豊富なスタッフがいつでも控えておりますので、お気軽にご連絡・ご相談ください。
注意点③親族や菩提寺とのトラブル
直葬を行うことで親族や菩提寺とトラブルが起こる恐れもあります。
過去には直葬を行った喪家が、「私もお別れがしたかったのに」「お葬式もしないなんて故人がかわいそう」と親族から非難されるケースもありました。
当初は直葬希望だったものの、遺族・親族のお考えで家族葬へ変更するケースも多くございます。
たとえ直葬が故人の希望だったとしても、親族へ一言相談してから直葬を行うことをおすすめいたします。
葬儀は故人のためであると同時に、遺された人達が故人との別れに一区切りをつけ、また前を向くための儀式でもあります。
お互いの気持ちを尊重しつつ、納得のいくご葬儀ができると良いですね。
また菩提寺にお墓がある場合、宗教的儀式を行わないことでトラブルに発展する可能性も高くなります。
通常の葬儀は読経や戒名のためにお布施を用意しますが、これらがすべて行われないとなると納骨を拒否される恐れもあります。
注意点④遺族の葬儀後の負担
直葬は基本的に一般の方に参列を控えてもらうため、葬儀後に弔問へ訪れる方も多いでしょう。
直葬のメリットとして葬儀当日の遺族の負担減が挙げられますが(弔問客の対応など)、葬儀後だけでいえば通常の葬儀よりも負担は大きいかもしれません。
また葬儀後に弔問される方は香典を持参する方がほとんどですので、香典返しも用意しておきましょう。
全国的にみると香典返しは忌明け法要後に品物をお送りする「後日返し」が一般的ですが、北海道では香典をいただいてすぐにお返しする「即返し」が基本です。
香典返しの品物は海苔やコーヒーなど、1000円程度の品物を選ぶことが多いですね。
北海道の香典返しについてもっと詳しく知りたい方はコチラの記事もどうぞ。
直葬をおすすめできるケース
ここまで直葬のメリットや注意点などをお伝えしてきましたが、実際に直葬をおすすめできるケースについて考えてみましょう。
直葬が故人の遺志だった
故人がエンディングノートなどに、直葬希望の遺志を残していたケースです。
「葬儀にあまりお金をかけてほしくない」という故人の想いを尊重して、直葬を選択するケースもあります。
葬儀における費用や手間を極力減らしたい
葬儀費用の捻出が難しい場合や、納骨費用(墓石代や永代供養の費用)を考えて葬儀代を抑えたい場合にも直葬はおすすめです。
また一般的な葬儀を行う場合、葬儀前の準備も大変な手間を要します。
案内状の作成や香典返しの準備、喪主の挨拶を考えるといった手間が直葬なら省略できます。
葬儀当日も弔問客の対応などに追われることがありません。
故人が高齢でお付き合いする範囲が少なかった
故人が高齢で身寄りも少なく、遺族が2~3人などごく少数であれば直葬でも良いかもしれません。
特に故人が高齢だった場合は配偶者やご遺族も高齢の可能性が高いです。
喪主の務めも精神的・体力的に負担となりますし、直葬を行うのも一つの選択肢でしょう。
親族の理解が得られている
親族から理解を得られているのなら直葬でも問題ないでしょう。
なかなか理解の得難い直葬ですが、それぞれの喪家のご事情もあります。
コロナなど感染症が蔓延している場合などは理解も得やすかもしれませんね。
いずれにせよ、葬儀は遺族だけではなく、遺族や故人と関係があった人達それぞれのお別れの場でもあります。
葬儀の形を選ぶ際には家族や親族とよく相談することが大切です。
ご遺族・親族どちらにとっても悔いの残らない葬儀を選択できるといいですね。
ウィズハウスの「お預かり葬プラン」と「火葬式プラン」について
ウィズハウスでは直葬に近いプランとして「お預かり葬プラン」と「火葬式プラン」の2つをご用意しております。
「お預かり葬プラン」はご遺族の負担を最小限に減らすため、スタッフが責任をもってご遺体をお預かりするプラン。
病院や警察までお迎えに行き、火葬までの間は弊社でご遺体を安置・お預かりいたします。
費用を抑えたい方におすすめの葬儀プランですが、ご遺体をお預かりしている間はご家族に面会などしていただくことができません。
もう一方の「火葬式プラン」でしたら、故人との面会や付き添いが可能なプランとなっております。(別途料金が発生する場合もございます)
安置・納棺・出棺・火葬というすべての流れにおいて付き添いができますので、故人とのお別れの時間も保てるでしょう。
「火葬式プラン」では通夜式や葬儀式といった宗教儀礼や、告別式のようなセレモニーは行いません。
詳しいプラン内容や費用については以下の詳細からご確認ください。
まとめ
- ・家族葬と直葬の違いは「通夜・告別式の有無」
- ・家族葬はごく近しい親族や友人を呼んで行われる小規模葬儀。通夜・告別式は一般葬同様に行うことが多い
- ・直葬は通夜・告別式などのセレモニーは行わないため費用を最小限に抑えられる
- ・家族葬の費用相場は110万円ほど、直葬の費用相場は20~40万円ほど
- ・直葬を行う場合は「故人とのお別れの時間があまり取れないこと」や「親族と菩提寺とのトラブルの可能性」も視野に入れる