喪主・関係者の知識
家族葬を行う際、いちばん頭を悩ませるのが「誰に参列してもらうのか」ということではないでしょうか?
近しい親族といっても何親等まで呼べばいいのか?
親しい友人には通夜にも参加してもらって良いのか?
今回は「家族葬でどこまでの範囲を呼ぶべきか」についてご説明します。
また葬儀に呼ばれなかったことで起こるクレームなど、家族葬ならではのトラブルについてもお伝えします。
家族葬へ呼ぶ範囲に決まりはない
家族葬には「○親等まで呼ぶ」といった明確な決まりがありません。
そもそも「家族葬だから家族だけ呼ぶ」というわけではなく、家族葬自体にきちんとした定義がないのが実情です。
家族4人だけで行う家族葬もあれば、親族+親しかった友人を呼んで30人くらいの規模で行う家族葬もあります。
「家族葬の費用や相場はどれくらい?一般葬との比較と内訳について」
ただ一般的には「2親等まで呼ぶ」という喪家が多く見受けられますね。
1~3親等までの区分けは以下のようになります。
一般的な家族葬の場合は1・2親等の親族を呼ぶということです。
しかし「どこまで呼ぶのか決まりがない」ことで、かえって悩んでしまう方も多いでしょう。
今回はこれまで家族葬を行った喪家のケースから、「家族葬に呼ぶ範囲」の目安をご紹介します。
家族葬に呼ぶ範囲の目安例3つ
「これだけは守りたい」という線引きを決めると「家族葬に呼ぶ範囲」がおのずと明確になってきます。
今回は「葬儀の規模で決める」、「故人との関係で決める」、「故人の遺志を優先させる」の3つの目安例をご紹介します。
①葬儀の規模で決める
まずは葬儀の規模を最初に決めてしまうやり方です。
「呼ぶ人数は10人まで」など決めてしまえば大体の範囲は決まってくるでしょう。
ちなみに家族葬の平均参列人数は20名前後が多いようです。
家族葬ケース1【ごく近しい親族のみ】
参列者を10名程度に抑えたごく小規模の葬儀。1親等を中心とした参列者になります。
例)9名で行う場合の範囲
- ・配偶者
- ・兄弟(2名)
- ・長男家族(4名)
- ・長女夫婦(2名)
家族葬ケース2【遺族と近しい親戚】
家族葬で一番多いケースがこちらのタイプ。10~20名程度の規模になります。
ケース1の親族に故人の両親や叔父叔母・いとこなど2親等の親族が加わります。
例)19名で行う場合の範囲
- ・配偶者
- ・故人の父母(2名)
- ・兄弟+兄弟の配偶者(4名)
- ・長男家族(4名)
- ・長女夫婦(2名)
- ・叔父夫婦+いとこ(4名)
- ・叔母夫婦(2名)
家族葬ケース3【遺族・親戚・親しい友人】
親族だけでなく、故人と親しくしていた方にも参列してもらうケースです。
30名以上で家族葬としては少し大きめの規模の葬儀となります。
通夜は基本的に親族だけで行うことが多いですが、故人と特に縁の深かった方であれば呼んでも問題ないでしょう。
②故人との関係性で決める
故人との関係性で呼ぶ範囲を決める方法もあります。
- ・故人と生前に生計を共にしていた家族のみ呼ぶ
- ・「2親等まで」など区切りをつけて呼ぶ
もしくは「呼ばない範囲」を先に決めてしまうのもいいかもしれません。
親族といえども疎遠の場合もあるでしょうし、葬儀会場からあまりに遠方の方に参列してもらうのも大変でしょう。
宿泊する場合はホテルの手配なども必要ですし、特に高齢の方は移動するだけでも一苦労です。
それぞれケース・バイ・ケースですので臨機応変な対応が必要です。
③故人の遺志を優先させる
故人が遺言やエンディングノートなどを残していれば、「訃報を知らせてほしい人」や「参列してほしい人」が明記されているかもしれません。
故人の遺志が優先されるのが最善の方法ですが、遺言等がない場合もあります。
その場合は親族同士で「故人にとって誰を呼んだら良いのか」を話し合うのもいいでしょう。
家族葬の報告はどのように行うのか?
いざ家族葬の報告をする場合、いつどのように行えばいいのでしょうか?
親族へは電話連絡が確実
訃報は急を要する連絡事項です。早く、確実に伝えられる電話が確実でしょう。
特に近しい親族へは臨終前に連絡するのが一般的です。
深夜の時間帯に亡くなってしまった場合は翌日の朝に連絡します。
家族葬に呼ぶつもりのない親族で、連絡だけはしておきたい場合は「家族葬であること」を確実に伝えましょう。
「報告」なのか「参列のお願い」なのかを明確にしておかなければなりません。
家族葬に呼ばなかった方へは葬儀後に連絡
家族葬に呼ばない方へは葬儀後、家族葬を行った旨を記した挨拶状を送付します。
葬儀前に連絡してしまうと、参列していいのかどうか相手方を悩ませることになってしまいます。
遺族側も弔問客の対応に追われてしまい「故人との最期の時間をゆっくり過ごす」という家族葬のメリットが生かせません。
挨拶状は葬儀後1~2週間を目安にお送りするといいでしょう。
香典を辞退する場合、その旨も記しておきます。
ただし会社関係は葬儀前に報告をしなければなりません。
家族葬を執り行うことを伝え、弔問・香典を辞退する場合は連絡した際にしっかり伝えましょう。
家族葬の挨拶状については以下の記事も参考になさってください。
「家族葬の報告が後日届いたら香典はどうする?遺族側の挨拶状例文もご紹介!」
「呼ばなかったこと」で起こる家族葬トラブル
家族葬を行う際のトラブルで多く聞かれるのが「なぜ勝手に葬儀を行ったのか」という親族からのクレームです。
家族葬は90年代から広まり始めた葬儀形式ですので、どんな葬儀なのかをご存じでない方もいらっしゃいます。
「葬儀は盛大に執り行うのが何よりの供養」といった価値観をお持ちの方もいますし、「事後報告でないがしろにされた」と感じる方もおられます。
価値観は人それぞれですので難しいところです。
特に親族とモメてしまうと後々の付き合いにまで響いてしまいますので、気を付けなければなりません。
家族葬トラブルを未然に防ぐには
できればトラブルが起こることなく、気持ちよく故人を送り出してあげたいものです。
家族葬におけるトラブルを未然に防ぐにはどうすればいいのでしょうか?
生前に準備ができていればベスト
生前にエンディングノートなどに「参列者リスト」の作成ができていればベストです。
親族で集まった際に話し合っておくのもいいでしょう。
家族葬は「故人の遺志である」ということを伝える
家族葬はあくまでも「故人の遺志である」ということを伝えるとトラブルに発展しづらいようです。
「勝手に決めた」という誤解から生じるトラブルもあります。
クレームを言う方も「故人のことを想って」伝えるのでしょうから、冷静な対応が必要です。
親戚トラブルについては以下の記事でも詳しくお伝えしていますので、よろしければご覧ください。
「家族葬のトラブルで多いのは親戚トラブル!具体例と対策を知ろう」
家族葬はウィズハウスにお任せください
トラブルを防ぐためにも「どんな家族葬にするのか」というのは大切なポイントです。
ウィズハウスの提案する家族葬は、故人と遺族に寄り添った唯一無二の葬儀スタイル。
まるでおうちでお見送りをするような邸宅型の家族葬プランは、大変ご好評をいただいております。
葬儀のご相談は24時間365日、いつでもお受けしておりますのでお気軽にどうぞ。
まとめ
- ・家族葬へ呼ぶ範囲に決まりはないが、一般的には2親等まで(20名ほど)呼んで行うケースが多い
- ・呼ぶ範囲は「葬儀の規模」、「故人との関係性」、「故人の遺志」などを目安に考えると良い
- ・「家族葬に呼ばれなかったこと」で起こるクレームには「故人の遺志であること」を伝えると良い