住職に聞いてみた
投稿日:2026年7月13日
更新日:2026年7月21日
真宗三門徒派 黒龍山 東照寺 黒龍巧照住職に聞く
お寺とのつながり、葬儀の意味、そしてこれからの供養のかたち
今回は、札幌市東区東雁来にある、真宗三門徒派の東照寺のご住職、黒龍 巧照(くろたつ こうしょう)住職にお話を伺いました。
東照寺は、北海道では珍しい「真宗三門徒派」に属するお寺です。盆踊りや「日本で一番小さい花火大会」など、地域の方々が楽しめるイベントも積極的に開催しており、子どもから大人まで幅広い世代に親しまれています。
黒龍住職は名前はちょっと怖いイメージがありますが、先生もされていたそうでやさしいお人柄で、インタビュー外でも仏教のことやお寺のことなど詳しく教えてくださいました。
| 寺院名 | 真宗三門徒派 黒龍山 東照寺 |
|---|---|
| 所在地: | 札幌市東区東雁来町358-67 |
| HP: | https://toshoji.or.jp/ |

Q1. 檀家さまとの付き合いの変化について
ウィズハウス:
それでは早速お話を聞かせて頂きます。
近年、お寺と檀家さんとの関わり方に変化を感じることはありますか?

黒龍住職:
一番感じるのは、「先祖代々のお寺」という関係が少しずつ薄れてきていることですね。
以前であれば、ご両親が亡くなられた後も、その子どもたちがお寺とのご縁を引き継ぐことが多くありました。しかし今は、お子さんが北海道外に住んでいたり、お子さんが一人だけだったりするケースも増え、お寺とのつながりが自然と途切れてしまうことがあります。
また、お寺で法要や行事を開いても、以前ほど多くの方が足を運ばれなくなりました。
その背景には宗教離れだけではなく、共働き世帯の増加など生活環境の変化もあります。昔は婦人会の皆さんが法要のお手伝いや食事の準備をしてくださいましたが、今は時間を確保することが難しくなっています。
「お寺を大切に思う気持ちはあるけれど、なかなか関われない。」
そんな方が増えているのを感じますね。これは北海道だけではなく、全国的な流れだと思います。
ウィズハウス:
日常的なお付き合いが減り、法事や葬儀のときに相談されるケースが増えているのでしょうか。
黒龍住職:
そうですね。
月命日や納骨堂、お盆参りなどではお会いできますが、普段お寺へ来られる機会は以前より少なくなっています。
少し寂しさもありますが、これも今の時代の流れなのだと思っています。
Q2. 仏教と日本人のこれからについて
ウィズハウス:
これから、日本人と仏教との関わりはどのように変わっていくと思われますか?
黒龍住職:
私は、葬儀や法事を通して手を合わせることが、これからも仏教との大切な接点になっていくと思っています。
もちろん本堂で法要を聞くことも大切ですが、それ以上に、日常とは少し違う時間の中で、自分自身を見つめ直したり、多くのご縁や支えに感謝したりする時間を持つことが大切ではないでしょうか。
一年に一度でも三十分でもいいので、そんな時間を持っていただきたいですね。
だからこそ、お寺ももっと気軽に立ち寄れる場所にならなければいけないと考えています。
実は若い世代も仏教そのものには興味を持っています。ただ、その興味を信仰や「手を合わせる」という行動につなげていくことが、これからのお寺の役割なのだと思います。
Q3. 葬儀をする意味について
ウィズハウス:
ご住職にとって、葬儀とはどのような意味がありますか?
黒龍住職:
「葬儀は、仏さまの世界への入学式」と教わりました。
生まれたときには誕生を祝い、人生の節目ごとにお祝いをしますよね。
それと同じように、人生の最後にも、ご家族や親しい方々が集まり、その人の人生を振り返り、感謝を伝え、お別れをする時間が大切なのだと思います。
お通夜は、本来、故人との思い出を夜通し語り合う時間でした。
今は昔のようには難しいかもしれませんが、忙しい時代だからこそ、少しでも故人を偲び、心の整理をする時間を持っていただきたいと思っています。
もちろん、それぞれのご家庭の事情がありますから一概には言えませんが、できるだけ簡単に済ませるだけではなく、「その人らしいお別れ」を大切にしていただけたらうれしいですね。
葬儀文化を次の世代へ

黒龍住職には、大変お忙しい中、貴重なお話をお聞かせいただきました。
インタビューの最後に、ご住職はこんな言葉も話してくださいました。
「最近は、お焼香の作法や数珠の持ち方が分からない方も増えています。教えてくれる親世代が少なくなってきているんですね。だからこそ、お寺もそうしたことを伝えていく役割があるのだと思っています。」
時代とともに葬儀やお寺との関わり方は変わってきています。
それでも、大切な人を偲び、手を合わせる時間の意味は、これからも変わることはありません。
今回のお話からは、そんなご住職の想いが強く伝わってきました。





