家族葬の知識
家族葬を行う場合、通夜振る舞いや精進落としといった食事の用意は必要なのでしょうか?
一般葬ですと参列者も多くいることから食事の用意は必須。
しかし家族葬は参列者が限られる少人数の葬儀スタイルです。
「家族だけだから食事は特に要らない」というのはマナー違反になるのでしょうか?
この記事では家族葬の食事のタイミングや回数についてご説明します。
家族葬での食事例の紹介や、「精進落としをなしにして良いのか」という疑問についても触れていますので、ぜひ最後までご覧になってください。
家族葬の食事に明確な決まりはない
そもそも「家族葬」という葬儀スタイル自体、明確な定義がありません。
そのため食事についても決まりなどはなく、必要なタイミングにだけ用意する形で問題ないでしょう。
「必要なタイミング」と言われてもピンとこないと思いますので、まずは家族葬全体の流れを見ながらご説明します。
【家族葬の主な流れ】
<1日目>
- ①お迎え
- ②ご遺体の安置
<2日目>
- ③納棺
- ④通夜
- ⑤夕食
<3日目>
- ⑥朝食
- ⑦告別式
- ⑧火葬(昼食)
- ⑨繰り上げ法要
家族葬の場合、「⑤夕食」・「⑥朝食」・「⑧昼食」と食事のタイミングが3回あります。
「⑤夕食」とは一般葬でいう「通夜振る舞い」に当たるものです。
「⑥朝食」は、斎場に宿泊する方がいる場合に必要な食事。
「⑧昼食」は火葬の待ち時間に振舞われる食事を指します。
一般葬の食事は家族葬とほぼ同じタイミング
実は家族葬と一般葬における儀式の流れはほとんど変わりません。
参列する人数の違いはあるものの、納棺から通夜・告別式などの儀式はほぼ同一。
つまり食事のタイミングもほとんど同じということになります。
「北海道の葬儀は流れ(日程)が異なるって本当?【独自のマナーや慣習を解説】
一般葬の場合、火葬の後におこなわれる繰り上げ法要が終了すると「忌中引き料理」(精進落とし)が振舞われることが多くあります。
それぞれの食事についてもう少し詳しく見ていきましょう。
葬儀で用意する食事の種類は主に4つ
①通夜振る舞い
通夜のあと、参列者に振舞われる食事が「通夜振る舞い」です。
故人の思い出を語らいながら行う食事会で、弔問してくださった方への感謝の気持ちも込められています。
食事内容は大皿料理がメイン。お寿司やオードブル、揚げ物など大皿料理を用意するのが一般的です。
昔は精進料理のようなメニューがマナーとされていましたが、現代ではあまり気にしない風潮になってきています。
「清める」という意味を込めてアルコールが振舞われることも多いでしょう。
予算的には1人当たり2000円~3000円ほどが相場となります。
②朝食(斎場に宿泊した方)
親族や遺族が斎場へ宿泊する場合に用意する食事です。
1人当たりの予算は1000円前後が相場でしょう。
③昼食
火葬からお骨上げまでおよそ1~2時間を要します。
火葬の待ち時間に昼食としてお弁当・飲み物などを用意します。予算相場はこちらも1000円ほど。
家族葬の場合は次にお伝えする「精進落とし」は基本的に省略することが多いですが、火葬中の待ち時間は軽食で済ませ、法要後にお弁当や折詰をお持ち帰りいただく場合もあります。
④忌中引き料理(精進落とし)
北海道では火葬終了後、斎場へ戻って繰り上げ法要(遺骨法要や初七日法要など)を行うのが一般的。
繰り上げ法要後に振舞われるのが「忌中引き料理」、すなわち「精進落とし」です。
「精進落とし」とは、喪が明ける四十九日まで続いた肉や魚を絶つ食事(精進料理)から、普段の生活へ戻る節目の料理のこと。
しかし昨今では「繰り上げ法要後の会食」と同義となってきており、本来の意味とは少し違ってきています。
最近は一般葬でも精進落としを省略する喪家もいらっしゃいます。
家族葬はもともと近しい方限定で行われる葬儀ですし、精進落としをなしにしても失礼にはあたりません。
家族葬で精進落としをなしにする場合の注意点
家族葬で精進落としを省略する場合、すべきことが2つあります。
「精進落としがない旨を事前に参列者へ伝えること」と「僧侶への“御膳料”の準備」です。
精進落としがない旨を事前に知らせておく
精進落としを省略する場合は、事前に参列者へ連絡しておきましょう。
精進落としがあるものと思い、調整してくる参列者がいらっしゃるかもしれないからです。
参列者への案内状の最後に「法要後のお席は設けておりません」と一言添えておきましょう。
しかし遠方から参列する親族がいる場合、土地勘のない場所での飲食店探しは負担になりかねません。
参列者の都合などをよく考えて精進落としの有無を決めましょう。
僧侶へは「御膳料」を用意する
法要をおこなっていただいた僧侶へは「御膳料」として5000円~1万円を包んでお渡しします。
このときお布施とは別で包むようにしましょう。
精進落としの省略は参列者だけでなく、僧侶へも忘れずに伝えておいてくださいね。
家族葬の食事例をいくつかご紹介
家族葬では一般葬よりも自由な形式で葬儀を行うことが多いため、食事のケースもさまざま。
例えば・・・
身内しかいないため食べ物は用意しない(各自で用意する)
出前や取り寄せをして故人の好きだった料理をみんなで食べる
家族の手作り料理を持ち込みして食べる
故人との思い出深いレストランへ赴く
葬儀会場によっては出前などができない場合もありますので、必ず確認しましょう。
ウィズハウスの会場にはキッチンや調理道具も揃っていますので、家族しか知らないメニューを作って食べるのもおすすめ。
温かみのある家族葬ならではの風景ではないでしょうか。
ウィズハウスなら家族葬の食事を3回お付けできます
ウィズハウスの家族葬プランでは「お通夜終了後の夕食」、「葬儀当日の朝食・昼食」と3回の食事をお付けすることができます。
食事があらかじめ含まれているプランと、追加注文可能なプランがございますのでご相談ください。
お通夜の後の夕食には新鮮な素材にこだわった和洋折衷のブュッフェをご用意。
葬儀当日の朝食と昼食にはお弁当のセットをそれぞれご用意しています。
(※プランによっては追加オプションとなります)
まとめ
- 家族葬の食事に明確な決まりはない
- 家族葬と一般葬の食事のタイミングはほぼ同一(通夜振る舞い・朝食・昼食)
- 繰り上げ法要後の精進落としはなしにしても失礼には当たらない
- 精進落としを省略する場合は参列者と僧侶へ事前にお伝えしておく