家族葬の知識
家族葬と密葬の違いをご存知でしょうか?
どちらも「小規模なお葬式」という共通点はありますが、実は明確な違いがあります。
今回は家族葬と密葬の相違点や、実際に葬儀を執り行う際の注意点について詳しくお伝えします。
また「密葬の参列案内が届いたけれど、香典は必要なの?」といった参列する側の疑問についてもお答えします。
「将来的に家族葬や密葬を考えている」、「家族葬・密葬に参列するのだけど不安がある」という方はぜひ参考になさってください。
家族葬と密葬の違いとは?
まずは家族葬と密葬の違いについてご説明します。
家族葬と密葬の違いは本葬の有無
家族葬と密葬の大きな違いは「本葬の有無」です。
「本葬」とは、近親者で密葬を行ったあと、改めて弔問客を招いて行われる葬儀のこと。
家族葬は「本葬込みの葬儀」で完結しますが、密葬は日を改めて「本葬」が行われるのが基本です。
芸能人や著名人が亡くなった際に「お別れ会」や「偲ぶ会」が後日行われることが多いですが、こちらが「本葬」にあたります。
「お別れ会」や「偲ぶ会」は特に決まった形式がなく、故人や遺族の意向に沿って行われるのが一般的。
通常の葬儀のように斎場で行うセレモニー形式や、ホテル・レストランで行う会食形式などさまざまなスタイルがあります。
家族葬の歴史はまだ新しい
1990年頃から広がりを見せた家族葬は、日本古来からある密葬と比較するとまだまだ歴史の浅い葬儀形式といえるでしょう。
コロナ禍での葬儀としても注目された家族葬。
しかし、そもそも家族葬に明確な定義はありません。
家族以外が参列しても問題ありませんし、「○人以上なら家族葬」といった人数の規定もないのが家族葬です。
ただし葬儀会社によっては「30人規模までなら家族葬」と分類している場合もあります。
家族葬と密葬の共通点とは?
家族葬と密葬の共通点は主に2つ。
「葬儀全体の流れ」と「少人数で行う葬儀」という点です。
家族葬・密葬の共通点①葬儀全体の流れ
共通点・1つ目は「葬儀全体の流れ」」です。
どちらの葬儀も特別な儀式があるわけではありません。
ご遺体のお迎えから火葬までの流れはほとんど同じです。
- お迎え
- 葬儀会社との打ち合わせ
- ご遺体の安置
- お通夜
- 告別式
- 出棺
- 火葬・お骨上げ
※密葬の場合は火葬までする場合としない場合があります。
家族葬・密葬の共通点②少人数で行う小規模葬儀
共通点・2つ目は、「少人数で行う葬儀」という点です。
家族葬も密葬も「故人との最期の別れを静かに、ゆっくりと過ごしたい」という目的は同じといえます。
どちらの葬儀も親族や生前特に親交のあった知人のみで行われるのが基本。
親族といっても故人の兄弟や故人の子供の家族など、直系家族の参列が中心となります。
密葬の場合は日を改めて本葬があるため、家族葬よりもさらに限定的な間柄で行われることが多いようです。
家族葬の参列範囲については以下の記事も参考になさってください。
家族葬・密葬を行う際の注意点について
実際に家族葬や密葬を行う場合、どのような点に注意が必要なのでしょうか?
主な注意点を3つお伝えします。
注意点①参列者の選定
注意点・1つ目は「参列していただく方の選定」です。
家族葬・密葬を行うにあたり、一番悩むべき点がこちらではないでしょうか?
葬儀後、参列のご案内をしなかった方から「なぜ故人が亡くなったことを教えてくれなかったのか」「どうして家族葬(密葬)で済ませたのか」とトラブルになるケースが多くあります。
特に親族が多い場合、訃報を知らせなかったことで後々の親戚付き合いにまでヒビが入る恐れも。
参列者の選定は慎重に行わなければなりません。年配の親族や葬儀会社のスタッフに相談することをおすすめします。
また故人が会社務めしていた場合、会社へ訃報の一報を入れなければなりません。
その際に家族葬(密葬)であることを伝え、あとから挨拶状を送付する旨を伝えておきます。
注意点②本来葬儀へ参列するはずだった方へ挨拶状の送付
注意点・2つ目は家族葬へ参列のお声がけをしていない方への挨拶状の送付です。
家族葬の挨拶状を送付する時期に明確な規定はないものの、忌明け(仏式なら四十九日)を目安にするのが一般的。
挨拶状には「故人が亡くなったこと」や「家族葬をすでに執り行ったことのお詫び」、「生前お世話になったお礼」などを記しましょう。
香典や供花を辞退する場合は併せて明記しておきます。
挨拶状よりも前に「亡くなったことだけは知らせておきたい」という方がいらっしゃる場合もあるでしょう。
その際は「家族葬のため、参列不要」ということを伝えておきます。
密葬の場合は後日「お別れ会」へ参列していただくための案内状の送付が必要です。
「お別れ会」の開催時期は逝去後から四十九日までの間に行われることが多いですが、2カ月後や半年後に行うケースもあります。
注意点③家族葬・密葬の経験豊富な葬儀会社を選ぶ
注意点・3つ目は葬儀会社の選定です。
家族葬・密葬をお考えなら、葬儀会社の選定がとても重要になってきます。
できれば家族葬プランのある葬儀会社や密葬の経験豊富な会社を選びましょう。
特に密葬の場合、情報漏洩はあってはならないもの。
参列者への厳重な口止めや、近くにお住まいの方に気付かれないための自宅外でのご遺体安置などの対応は、経験のある葬儀会社・スタッフがいると安心です。
また家族葬や密葬の場合、葬儀後に弔問にくる方も多くいらっしゃいます。
返礼品の用意・余った返礼品の返品なども相談に乗ってくれる、アフターフォローのしっかりした葬儀会社を選ぶことが大切です。
コープの家族葬ウィズハウスには家族葬・密葬の経験豊富なスタッフが揃っております。
故人とご遺族に寄り添った、まるでおうちでのお見送りのような家族葬が特徴のウィズハウス。
リピーターの方もいらっしゃるほど大変好評をいただいております。
花葬や音楽葬など、独自の葬儀スタイルをお考えの方もぜひご相談ください。
コープの家族葬ウィズハウスは葬儀後のアフターフォローまで万全です。
家族葬・密葬の費用相場はどのくらい?
家族葬や密葬の費用相場はどのくらいなのでしょうか?
それぞれの葬儀の相場についてお伝えします。
家族葬の費用相場
参列する人数・規模によって異なりますが、家族葬の相場はおよそ100万円前後となっています。
ただし地域によって僧侶にお渡しするお布施の金額が異なります。
お布施の金額が高額な地域では家族葬でも150万円くらいかかる場合も。
一般葬の相場金額である180万円前後と比較すれば多少費用は抑えられる傾向ですが、地域のお布施の相場を確認しておきましょう。
「家族葬は4人など家族だけでも行える?内容や費用、注意点などを解説」
密葬の費用相場
密葬の場合は後日「お別れ会」などの本葬があるため、葬儀内容が喪家によって異なります。
火葬を行うかどうかによっても料金は変わってきますが、数十万円~100万円が相場でしょう。
香典辞退をすれば香典返しも不要となり、内容によってはかなり費用を抑えられる場合も。
しかし後日行われる「お別れ会」や「偲ぶ会」の葬儀費用も加算されるため、割高になるのは否めません。
コープの家族葬ウィズハウスでは家族葬プランをご用意しております。
ウィズハウスの家族葬は一日一葬の邸宅型葬儀。
落ち着いた雰囲気での家族葬がご希望の方はぜひご相談ください。
家族葬・密葬に参列する場合の注意点について
ここまで家族葬・密葬を行う際の注意点についてお伝えしてきました。
もしご自身が家族葬・密葬への参列をお願いされた場合の注意点にはどのようなものがあるのでしょうか?
家族葬や密葬の場合、香典は用意したほうが良いの?
まずはいただいた案内状に「香典辞退」の申し出があるかどうかを確認しましょう。
香典辞退が明記されている場合はご遺族の意向に従うのが基本となります。
「どうしてもお悔やみの気持ちを表したい」という気持ちはあると思いますが、香典を持参することでご遺族の負担になる場合もあります。
もし喪家が香典返しを用意していなかった場合、葬儀が終わったあとに返礼品を購入し、郵送するという手間がかかることに。
香典辞退はご遺族が考え抜いた決断です。
受付の事務的処理や返礼品の用意などで慌ただしい葬儀とならないよう配慮しましょう。
案内状に香典辞退の明記がない場合は、念のため用意して参列することをおすすめします。
家族葬・密葬へ参列する際の服装は喪服で問題ない?
家族葬・密葬へ参列する際は喪服が基本です。
どちらの葬儀も小規模ですが、「葬儀」という形式に変わりはありません。
男性ならブラックスーツを、女性なら弔事用のブラックフォーマルを着用しましょう。
また幼児と一緒に参列する場合は、子供用の喪服を無理に用意する必要はありません。
男の子なら白シャツに黒・グレーのズボン、女の子なら黒やグレーのワンピースなどで十分です。
幼稚園の制服があればそちらが正装になります。
まとめ
- ・家族葬と密葬の違いは「本葬の有無」
- ・家族葬と密葬の共通点は「葬儀全体の流れ」と「親しい人のみで行う」という点
- ・家族葬・密葬を行う場合は経験豊富な葬儀社を選ぶことが大切。参列者選定の相談・アフターフォローなど心強い
- ・家族葬の費用は100万前後、密葬の費用は数十万~100万(+本葬費用)ほどが相場
- ・家族葬・密葬に参列する場合、香典の用意はご遺族の意向に従う