
家族葬の知識
「家族葬は通夜なしで大丈夫?」「通夜なしって、失礼にならないのかな…?」
大切な人を見送る場面で、こうした悩みを抱える方は少なくありません。
最近では、通夜を行わない“シンプルな家族葬”を選ぶご家庭も増えています。
背景には、高齢化や経済的な事情、故人の希望を尊重したいという想いがあります。
とはいえ、通夜を省略することで後悔しないか、不安に感じるのも当然のこと。
本記事では、「通夜なしの家族葬」が選ばれる理由から、メリット・デメリット、注意点までをわかりやすく解説します。
大切な人を悔いなく見送るために、あなたとご家族にとってベストな選択とは何かを一緒に考えていきましょう。
かつては、通夜・告別式をセットで行うのが一般的でしたが、近年では「通夜を行わない家族葬」という選択も広まりつつあります。なぜこのようなスタイルが選ばれるようになってきたのでしょうか。背景には、社会全体の価値観の変化や生活スタイルの多様化があります。
家族葬の通夜について知りたい方は
【5月執筆記事をご参照ください】
まず大きな流れとして、葬儀そのものが「簡素化」される傾向にあります。参列者を親しい身内だけに限定する「家族葬」は、近年急速に増加しており、それに伴って通夜を省略するケースも見られるようになっています。
とくに都市部では、「できるだけ負担を減らしたい」という希望が強まっており、一日で終えられるシンプルな形式も選ばれるようになってきました。
仏式葬儀では、葬儀一日目の通夜と、翌日の葬儀・告別式で読経や焼香を行いますが、なぜ2日間行うのかという疑問を持つ人も少なくありませんでした。
お通夜で読まれるお経と葬儀・告別式で読まれるお経には違いがあるため、従来はお通夜を省略するという考えはありませんでしたが、宗教離れが進んだ現代において、状況が変化してきました。
また、葬儀社側でも「通夜なし」の家族葬プランをあらかじめ用意しているところもあり、希望に応じた柔軟な対応が可能になってきています。
コープの家族葬ウィズハウスでも、通夜を行わない一日葬のプランをご用意しています。
高齢化が進むなかで、参列者の多くが高齢者というケースも少なくありません。夜間に行われる通夜は体力的に負担が大きいため、「通夜なし」が選ばれる一因になっています。
また、通夜を行うとなれば、式場の使用料や飲食・接待の費用なども追加で必要となります。葬儀費用をなるべく抑えたいというニーズもあり、経済的な理由から通夜を省略する家庭も増えています。
「通夜なしの家族葬」と聞くと、実際どのように進行するのかイメージしにくいかもしれません。ここでは、通夜を省いた家族葬の一般的な流れや特徴、また「一日葬」や「直葬」との違いについても解説します。
通夜を行わない家族葬では、葬儀・告別式を一日のみで行うことが一般的です。以下はその基本的な流れの一例です。
1.お迎え・搬送
2.納棺・ご安置
3.翌日に葬儀・告別式を実施
4.火葬
5.還骨・繰り上げ法要
前日に通夜を行わないため、準備や拘束時間が短縮されるのが大きな特徴です。また、宿泊を伴う参列も必要ないため、高齢の親族や遠方の家族にとっても負担が軽くなります。
「通夜なしの家族葬」と、火葬式(直葬)や一日葬の違いがわからないという声も多く聞かれます。ここでは、火葬式と一日葬について簡単に解説します。
火葬式(直葬):通夜・告別式のどちらも行わず、火葬のみを行う形式です。もっとも簡素で費用も安く済みますが、儀式がないためお別れの時間が不十分だと感じる場合もあります。
一日葬:通夜を省略し、告別式のみを一日で行う葬儀スタイルです。通夜なしの家族葬とほぼ同じ意味で使われることが多く、現在では「通夜なし=一日葬」としてプラン化されている葬儀社も多くあります。
通夜を行わないからといって、お別れが雑になるわけではありません。たとえば、告別式の中に故人との思い出を振り返る時間を設けたり、写真や花を飾ったりと、心を込めたお見送りは十分に可能です。
また、小規模でも読経や焼香などの宗教的儀式を行うことで、けじめをつけやすくなり、心の整理にもつながるという声もあります。
家族葬で通夜を省略する選択には、家族にとっての負担軽減という大きなメリットがある一方で、後悔やトラブルにつながるリスクもゼロではありません。ここでは、実際に「通夜なし」を選ぶうえでのメリット・デメリットを両面から見ていきましょう。
通夜を省くことで、前日の準備や対応にかかる時間が減るため、心身の負担が軽減されます。とくに高齢の親族が多い場合や、遠方からの移動がある場合は、一日で完結するスケジュールが安心という声も多く聞かれます。
通夜の準備は、弔問客への対応や飲食の手配など、思った以上に気を遣います。通夜を行わないことで、故人と静かに向き合う時間がとれることは、遺族にとって大きなメリットとなります。
通夜を行えば、式場費用・料理・返礼品などの追加費用が発生します。「通夜なし」の家族葬は、予算を抑えたい家庭にとって合理的な選択肢となります。
通夜を省いたことで、後から「やっぱりやればよかった」と後悔する人もいるのが実情です。とくに突然の別れだった場合や、準備不足のまま進めてしまった場合は、気持ちの整理がつきにくくなる可能性もあります。
「なぜ通夜をしなかったのか」と親族や関係者から不満の声が出ることもあります。周囲への説明や理解を得る工夫がないと、後々しこりを残してしまうかもしれません。
仏教では、通夜に重要な意味があるとされる宗派もあるため、菩提寺や僧侶から「省略することはできない」と言われる可能性があります。仏教に限らず、宗教者に葬儀を依頼する場合は、事前に宗教者に相談しておくことが大切です。
通夜を省略することには多くのメリットがありますが、「後悔しないかどうか」を冷静に考えることが何より大切です。自分たちの気持ちだけでなく、周囲への配慮や今後の人間関係も意識して、じっくり検討していきましょう。
「通夜をしない」という選択には多くのメリットがありますが、すべてのご家庭に適しているわけではありません。ただし、状況や事情によっては非常に適した形となるケースもあります。ここでは、通夜なしの家族葬が向いている具体的なケースを紹介します。
もっとも大切なのは、故人の遺志です。
「通夜や大がかりな儀式はせずに、静かに見送ってほしい」という希望があった場合、その想いを尊重して通夜を行わないという選択は、ごく自然な流れといえるでしょう。
事前にエンディングノートや口頭で希望を伝えているケースも増えており、それに沿ったシンプルな家族葬が実現されることもあります。
コープの家族葬ウィズハウスがサービスを提供する札幌市では、北海道内の各法務局・地方法務局と各司法書士会が共同で作成したエンディングノート ~あなたに届け、わたしの想い~を無料配布しています。
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通夜を行うとなると、参列のために前日から移動・宿泊が必要になるケースもあります。
しかし、遠方の親族が少なく、そもそも通夜に参加できる人がほとんどいないような場合には、通夜を省いても不自然さは少なくなります。
また、交通費や宿泊費の負担軽減にもつながるため、参列者にも配慮した判断といえます。
夜間の通夜は、高齢の方にとって身体的・心理的に大きな負担になります。
暗い時間帯の移動や、長時間の座席での滞在が必要になるため、通夜なしのスタイルが適していることも。
日中の短時間で完結する一日葬や通夜なし家族葬であれば、高齢者の負担を減らし、安心して参加できるというメリットがあります。
このように、「通夜をしない」という選択肢は、合理性や配慮に基づいた判断であることが多く、決して珍しいことではありません。家族や親族の状況を冷静に見極めて、最適なかたちを選ぶことが大切です。
「通夜なし」を選ぶことで、精神的・経済的な負担を減らせる反面、準備や配慮を怠るとトラブルや後悔の原因になることもあります。ここでは、通夜を省略する際に気をつけたいポイントをまとめました。
「通夜なし」にするかどうかは、家族間での意見をしっかり共有し、納得した上で決めることが大切です。
とくに兄弟姉妹や親戚など、立場が違う人の気持ちも尊重することが、後のトラブル回避につながります。
「急に決められて戸惑った」という声も少なくないため、可能であれば生前から本人を交えて話し合っておくことが理想的です。
宗教的な観点では、通夜が「死者を弔う重要な儀式」と位置づけられている宗派もあります。
通夜を省略したければ、菩提寺や僧侶などの宗教者に事前に相談し、通夜を行わない葬儀が可能かどうか確認する必要があります。
勝手に省略すると、「それでは戒名は付けられません」と言われてしまうこともあるので、事前確認を忘れずに行いましょう。
通夜が行われないと聞いて、「失礼では?」「簡略すぎるのでは?」と感じる人も少なくありません。
そのため、あらかじめ通夜を行わない理由や、故人の意向であることなどをきちんと説明することが大切です。
とくに高齢の親族やご近所づきあいのある方々には、礼儀を欠かさない姿勢を見せることで、理解を得やすくなります。
通夜なしの家族葬を希望する場合、葬儀社のプラン内容が自分たちの希望と合っているか事前に確認することが重要です。
確認すべき事項は以下の通りです。
通夜を省いた場合の費用
式場の利用時間や流れ
告別式でどの程度の演出が可能か
上記項目をチェックしておくことで、「こんなはずじゃなかった…」という後悔を防げます。
通夜を省略することは「手抜き」ではなく、「家族にとって最善の形を考えた選択」です。
ただしその分、周囲への気配りと事前準備が欠かせないということを、しっかり心に留めておきましょう。
通夜を行わない家族葬はまだ一般的とはいえない部分もあり、実際に選ぼうとすると細かな疑問や不安を抱える方も多くいます。ここでは、よく寄せられる質問とその回答をご紹介します。
A. 通夜を行わなくても、お香典を受け取ることはできます。
ただし、葬儀そのものを非常に小規模にしている場合や、辞退の意思がある場合には、あらかじめ案内状や連絡の中で「香典はご辞退申し上げます」と記載しておきましょう。
A. 通夜を行わなくても、葬儀・告別式の中で読経や焼香の時間を設けることは可能です。
また、希望があればお別れの言葉やスピーチを取り入れることもできます。
通夜がなくても、故人としっかり向き合う時間を用意できる葬儀社もあるので、事前に相談してみましょう。
A. ほぼ同じ意味で使われることが多いですが、厳密には違いがあります。
「一日葬」は、通夜を行わず告別式のみを一日で実施する葬儀スタイルです。
一方「通夜なしの家族葬」は、家族葬という枠組みの中で、通夜を省略するケースを指します。
意味合いは似ていますが、葬儀社によって名称やプランが異なる場合もあるため、事前に確認することをおすすめします。
A. 故人や遺族の事情・希望によって通夜を省くことは、現在では珍しくありません。
ただし、一部の方には「簡略すぎる」と受け止められることもあるため、丁寧な説明や気配りが大切です。
“故人の想いを大切にするための選択”であることをしっかり伝えると、理解が得られやすくなります。
「通夜を行わない家族葬」は、決して珍しいことではなく、今の時代に合った“新しい送り方”のひとつです。
高齢化や生活スタイルの変化、故人の意思を尊重したいという思いから、形式にとらわれず、心のこもった見送りを選ぶ方が増えています。
通夜を省略することには、以下のメリットがあります。
一方で、以下の注意点があることも覚えておきましょう。
だからこそ大切なのは、「自分たちにとって、どんな形が一番納得できるか?」を家族でしっかり話し合い、事前に必要な確認を怠らないことです。
そして、何よりも忘れてはいけないのは、どんな形式であっても、大切なのは“想い”であるということ。
形式に縛られるのではなく、「心を込めて見送る」という気持ちを大切にできれば、後悔のない選択ができるはずです。
ご不安な方は、まずは信頼できる葬儀社への相談から始めてみてください。
小さな疑問でも事前に確認しておくことで、当日を安心して迎えることができます。
コープの家族葬ウィズハウスでは、葬儀の事前相談を無料で承っています。
「通夜なしの家族葬、うちでもできる?」「菩提寺があるけど、通夜をしないとどうなるの?」など、通夜を行わない家族葬についての疑問や相談をお持ちの方は、どうぞお気軽にご連絡ください。
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