
喪主・関係者の知識
「家族葬の通夜って何をするの?」「家族葬でも通夜は行うべき?」
最近では、ごく親しい人たちだけで見送る“家族葬”が増えるなか、通夜の必要性について悩まれる方も多くいらっしゃいます。
通夜は、故人と過ごす最後の夜として、大切な時間です。
静かな空間で故人をしのぶことで、気持ちに区切りがついたという声も多く聞かれます。
一方で、ご家庭の事情によっては、通夜を省略するケースもあります。
しかし、通夜には宗教的・精神的にも大切な意味があるため、通夜をすることで、後悔のない見送りにつながりやすいともいえます。
本記事では、家族葬で通夜を行う場合の流れや準備、喪主としてのマナーや費用まで、初めての方にもわかりやすくご紹介します。
家族葬では必ずしも通夜を行う必要はありません。
ですが、通夜には宗教的な意味があるだけでなく、参列がしやすいという特徴もあります。
本項では通夜を行う意味やメリット、注意点について解説します。
家族やごく親しい人だけで行う家族葬では、「通夜を行うべきかどうか」で迷う方が多くいます。
一般葬では通夜と告別式の両方を行うのが一般的でしたが、家族葬では通夜を省略するケースも増えており、正解はひとつではありません。
通夜は、故人と最後の夜を過ごす大切な時間です。
静かな空間で故人をしのび、気持ちを整理する機会として、形式以上に「心の区切り」をつける意味があります。
遠方の親族が集まりやすいのが通夜という面もあり、時間の都合上、通夜にしか参列できない人がいる場合は、行うことで感謝の気持ちを伝える場にもなります。
また仏式葬儀を行う場合、通夜と葬儀・告別式で異なるお経をあげる寺院も多く、それぞれのお経に役割があるため、通夜を省略することはできないという寺院も少なくありません。
このように通夜には、故人との別れを受け入れるための役割や、宗教的な意味合いがあります。
近年では、参列者の高齢化やコロナ禍の影響もあり「通夜を行わない家族葬」も一般的になってきました。
通夜を行わない理由としては、以下のようなものがあります。
「通夜を省略したが、特に問題はなかった」
「通夜をやってよかった、きちんと区切りがついた」
どちらも実際に多く聞かれる声です。
このように、通夜を行うかどうかに「正解」はありません。
大切なのは、家族や親族、故人の想いに寄り添って決めることや、お付き合いのある宗教者との関係性です。
前述の通り、通夜を省略することができない寺院もあるため、菩提寺(お付き合いのあるお寺)がある場合は、通夜を省略しても問題ないかどうか、必ず事前に確認しましょう。
家族葬で通夜を行う場合も、一般葬と大きな違いはありません。
ただし、参列者が限られるぶん、時間や進行は柔軟に調整しやすいのが特徴です。
家族葬の通夜を行う際に、あらかじめ準備しておきたいポイントは次のとおりです。
✔ 式場・日程の決定
家族葬対応の式場を選び、通夜の日程を決定します。
その際、火葬場の空き状況や僧侶の予定も考慮する必要があります。
✔ 宗教者への連絡(宗教・宗派の確認)
仏式であれば、お付き合いのあるお寺(菩提寺)に連絡を。
キリスト教、神道など、仏教以外の宗教の葬儀を行う場合も、宗教者に連絡を取る必要があります。
無宗教で行う場合は、式次第をしっかり検討することをおすすめします。
当社では、菩提寺がなく、仏式葬儀を希望されるお客様のために、寺院紹介サービスをご用意しています。
✔ 祭壇・遺影写真・供花の準備
一般的に、家族葬を行う場合も祭壇や遺影は用意しますが、形式にこだわらず、故人らしく演出するケースも増えています。
✔ 料理・返礼品の手配(必要に応じて)
通夜振る舞いや返礼品は希望に応じて手配します。
小規模の家族葬であれば、通夜振る舞いを軽食程度で済ませることもあります。
香典を辞退する場合、返礼品は必要ありません。
下記は、一般的な家族葬の通夜スケジュールの一例です
時間 | 内容 |
17:30 | 受付開始・参列者到着 |
18:00 | 開式(読経、焼香など) |
18:45 | 喪主挨拶 |
19:00 | 通夜振る舞い(希望に応じて) |
20:00 | 終了 |
※式の内容や時間は地域や宗派、家族の意向によって大きく異なります。コープの家族葬ウィズハウスでは、「時間を短くしたい」「形式にとらわれたくない」といった希望にも柔軟に対応可能です。
家族葬は人数が限られるぶん、故人との関係が深い人たちだけで、温かいお別れができるのが大きな魅力です。
仏式や神式といった、宗教儀礼を行う通夜では、基本的に宗旨・宗派に則った式となりますが、“どう見送りたいか”というご家族の思いも大切にすることで、心に残る通夜を行うことができます。
家族葬で通夜を行う場合、費用は「通夜+葬儀(告別式)」の合算となります。
一般的には全体で40万〜100万円前後が相場といわれていますが、規模や地域、選ぶプランによって大きく異なります。
通夜を行う場合に必要となる費用項目は以下の通りです。
・式場使用料
・僧侶へのお布施
・通夜振る舞いの飲食代
・返礼品・香典返し
家族葬用の小規模式場であっても、通夜・告別式を通して借りることが多く、5万〜20万円ほどかかるのが一般的です。あらかじめ葬儀プランに含まれている葬儀社と別料金で設定されている葬儀社があります。
宗派や地域によりますが、通夜・告別式・戒名込みで15万〜50万円程度。
菩提寺がある場合は、金額の目安を確認しておくと安心です。
お通夜を行わない場合、お布施の相場が下がるケースもあります。
人数や内容により、1人あたり3,000〜6,000円前後。
家族葬では簡単な軽食にとどめるご家庭も多く、費用が抑えやすい部分です。
通夜に参列者を招き、香典を受け取る場合は、返礼品の準備も必要に。即日返しであれば、1個あたり2,000~3,000円が目安です。コープの家族葬ウィズハウスがサービスを提供している北海道では、1個1,000円~が相場です。
このように、家族葬で通夜を行う場合は、式場使用料・僧侶へのお布施・料理代・返礼品などが必要です。
ただし、式場によってはお通夜が含まれたプランになっていることもあり、必ずしも大幅な増額になるとは限りません。
葬儀費用はどうしても必要となりますが、以下のような工夫で無理なく抑えることができます。
式場の利用料は施設によって異なるため、利用料が安い式場を選ぶことで費用が抑えられます。
家族だけの小規模なお通夜の場合、無理に準備する必要はありません。
家族や親族、故人の意向をもとに、不必要なオプションをつけず、シンプルな葬儀にすることで、余計な出費を避けられます。
費用は気になるポイントですが、「心残りがないかどうか」も大切な判断材料です。
「お金をかけない=冷たい」わけではありません。
大切なのは、家族が納得できる送り方を選ぶことです。
なお、国民健康保険に加入していた方が亡くなられた場合、「葬祭費」の支給を受けられる可能性があります。
通夜振る舞いとは、通夜のあとに参列者へ料理をふるまい、故人をしのぶ場として設けられる食事の席のことです。
参列者に感謝の気持ちを伝える意味もありますが、形式にこだわらず、家族の状況に合わせて対応できるのが家族葬の良さでもあります。
家族だけの家族葬など、小規模な葬儀では、通夜振る舞いを行わないケースもあります。
理由は以下の通りです。
状況によっては通夜振る舞いを省略してもマナー違反ではなく、「無理をしない」という選択をすることも大切です。
一方で、「家族葬でも通夜振る舞いをしっかりしたい」というニーズもあるため、どちらの状況にも臨機応変に対応できる葬儀社を選ぶことが、家族葬への満足度を高めることに繋がります。
家族葬は、「家族やごく親しい人だけ」で行うのが一般的ですが、実際には「親戚のどこまで呼ぶ?」「ご近所には?」など、迷うケースも多くあります。
参列者をどこまで招くかは、ご家族や故人の考え次第ですが、トラブルを避けるためには、以下のポイントを意識して決めるとよいでしょう。
「今回は故人の意向もあって身内だけで…」と事前に説明しておくことや、以下の対応をすることで、角が立ちにくくなります。
家族葬では香典の受け取りも自由に決められます。
辞退してもマナー違反ではなく、地域によっては「香典辞退」のケースも増えています。
金銭的な負担をかけたくない、返礼品の準備を省略したい…という理由で辞退しても問題ありません。
ご案内は、電話・メール・LINEなど、相手との関係性に応じて選びましょう。本来は電話連絡が正式な方法とされていますが、時代の流れとともにメールやLINEが使われることも増えてきました。訃報を伝える相手との関係性により、適切な方法を選びましょう。
訃報連絡の際に大切なのは、「家族葬であること」と「参列範囲を絞っていること」を丁寧に伝えることです。
父○○儀 かねてより病気療養中でしたが令和○年○月○日 ○歳にて永眠しました
葬儀は故人の強い意志により 近親者で執り行います
ここに生前のご厚誼に深く深謝し つつしんでお知らせ申し上げます
なお誠に勝手ではございますが お香典 供花 御供物に関しては辞退させていただきます
何卒よろしくお願い申し上げます
令和○年○月
〒001-〇〇〇〇
北海道札幌市○○
電話番号011-〇〇〇〇
〇〇〇〇(氏名)
家族葬に呼ぶ範囲に正解はありませんが、誠意を持って伝えることで、ご家族の意志が伝わり、心残りのない見送りにつながります。
家族葬を行う際、初めて喪主を経験する方の多くは「喪主を任されたけど、何をすればいいのかわからない…」という不安を抱えています。
それは無理もないことですが、家族葬では形式にとらわれすぎず、心を込めて見送る気持ちが一番大切です。
以下は最低限意識しておくと安心なポイントです。
家族葬であっても喪服着用が一般的なマナーです。
家族葬では挨拶も形式ばらず、短く気持ちが伝わる言葉で十分です。
事前に準備しておくことで、当日も落ち着いて話すことができます。
本日はご多用の中、◯◯のためにお集まりいただき、誠にありがとうございます。
生前は大変お世話になり、本人も皆さまとのご縁をとても大切にしておりました。
本日こうしてお集まりいただき、家族一同、心より感謝しております。
明日は告別式を予定しておりますので、どうぞ引き続きよろしくお願いいたします。
家族葬であれば、仮にうまく話せなかったとしても、参列してくれた方へ感謝を伝える気持ちがあれば、それが一番伝わります。
大切なのは、立派なスピーチよりも「ありがとう」という思いです。
A.必ずしも呼ばなければいけないわけではありません。
仏式での儀式を希望する場合は、僧侶に読経をお願いするのが一般的ですが、無宗教形式の通夜も増えています。
「故人らしく静かに見送りたい」「形式にこだわりたくない」という場合は、式場と相談して柔軟に決めましょう。
ただし、菩提寺がある場合、僧侶を呼ばないことで納骨に関わるトラブルに繋がったり、関係が悪化したりする可能性があります。菩提寺があれば僧侶を呼ぶことが一般的な対応です。
A.家族だけで葬儀を行う場合は、事前に親族に意向を伝え、理解を得ておくことをおすすめします。
家族だけで葬儀を行う際に、親族に伝える代表的な理由は以下の通りです。
A.伝え方に決まりはなく、お相手の人柄や故人との関係性、地域の風習等を加味して検討することをおすすめします。
お招きする予定がない方に事前に知らせると、参列したいと言われる可能性がありますが、葬儀終了後に伝えた場合は「最後にお別れしたかった」と言われるケースもあります。
近所の方に知らせるには以下の方法があります。
一日葬は「通夜を省略して告別式のみ」、直葬は「通夜・告別式を行わず火葬のみ」で送るスタイルです。
一般的に、通夜を行わない家族葬のことを「一日葬」と呼びます。
家族葬の通夜は、「必ず行わなければならないもの」ではありません。
通夜を行えば、きちんとお別れができる安心感があり、通夜を省略すれば、身体的・金銭的な負担を減らして静かに見送ることができます。
宗教者や親戚、友人・知人との関係性を考慮した上で、それぞれのご家庭の状況に合わせて判断するとよいでしょう。
コープの家族葬ウィズハウスでは、葬儀の事前相談を無料で承っています。
「通夜をした方がいいのかしなくていいのか、自分たちでは判断が難しい」「通夜をする場合としない場合の具体的な費用の違いが知りたい」など、家族葬のお通夜についての疑問や相談をお持ちの方はどうぞお気軽にご連絡ください。
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