葬儀の知識

投稿日:2023年10月4日

更新日:2024年8月21日

北海道の葬儀は流れ(日程)が異なるって本当?【独自のマナーや慣習を解説】

葬儀受付の画像

葬儀には、地域によって独自に発展・継承されてきた慣習が複数あり、さまざまなマナーが存在します。北海道も例外ではなく、その違いに戸惑ってしまう方も少なくありません。

そこで、本記事では北海道と本州で異なる葬儀の特徴について解説します。北海道で喪主を務める可能性のある方・北海道の葬儀に参列するかもしれない方は、ぜひ参考にしてみてください。

北海道と本州で異なる葬儀の特徴

北海道と本州で異なる葬儀の特徴は、以下の通りです。

  • ・一部地域では葬儀の流れが異なる
  • ・香典には領収書が発行される
  • ・香典返しはほとんど当日返しで対応する
  • ・記念写真を撮る
  • ・火葬場への移動はバスを使用する
  • ・通夜振る舞いは親族のみ参加
  • ・訃報は新聞のお悔やみ欄を用いるケースがほとんど
  • ・冬場はブーツで参列しても問題はない
  • ・骨壷を使わず、桐箱に直接ご遺骨を入れる地域がある

以降では、これらの違いについて詳しく解説します。

北海道の葬儀の流れ

北海道での葬儀の流れは、本州と大きく変わりはありません。一連の流れは以下の通りです。

1.逝去・安置
2.訃報連絡・葬儀の打ち合わせ
3.湯灌・納棺
4.お通夜・会食
5.葬儀・告別式
6.火葬・骨上げ・繰り上げ法要
7.帰宅・仮設祭壇の設置

ただし、北海道の一部地域によっては順番が異なる場合があります。なお、以降で解説する流れは、一般的な2日葬(一般葬)の形式です。

1.逝去・安置

故人様が病院で逝去された場合、葬儀社に連絡をしてご遺体を安置所まで搬送します。搬送先は、ご自宅か葬儀社の所有している安置場がほとんどです。同時に、病院から死亡診断書を受け取ります。

2.訃報連絡・葬儀の打ち合わせ

葬儀社と葬儀の打ち合わせをします。菩提寺がある家は、お寺へ葬儀の日程・会場などの連絡も必要です。訃報をうけたお寺の方は、枕経をあげるために安置所へ来所してくれます。

故人の親戚や会社関係(または学校関係)への連絡も忘れてはいけません。知人やご近所さんといった関係性の方には、新聞の訃報欄で知らせるのが一般的です。訃報欄での連絡については『新聞の訃報欄で逝去を知らせる』で詳しく解説しています。

3.湯灌・納棺

湯灌(ゆかん)でご遺体を清め、死装束へ着替えをしたのち納棺します。棺に入れたいものがある場合は、このタイミングか出棺の際に行います。

死亡診断書の提出と火葬許可証の取得は葬儀社で代行してくれる場合がほとんどです。ただし、全ての葬儀社が代行してくれるとは限らないため、対応していない葬儀社の場合は自分たちで手続きをしなければなりません。

4.お通夜・会食

逝去の翌日には、お通夜と会食(通夜振る舞い)が執り行われます。北海道の場合、故人様とゆかりのあった方々のほとんどが通夜に参列するため、香典も通夜で渡します。その後の会食(通夜振る舞い)は、親族や故人と親しくしていた方々のみで執り行うケースが一般的です。

5.葬儀・告別式

逝去の2日目に葬儀・告別式が執り行われます。葬儀・告別式は、身内・親族・故人と深く関係があった方々のみで執り行う場合がほとんどです。

6.火葬・骨上げ・繰り上げ法要

葬儀・告別式のあとは、火葬場でご遺体を荼毘に伏し、骨上げ(こつあげ)を行います。骨上げとは、火葬後のご遺骨を骨壷におさめる儀式です。「収骨・拾骨(しゅうこつ)」と言う場合もあります。

火葬後は葬儀会場へ戻り、その日のうちに還骨法要・繰り上げ法要・精進落としまでする地域がほとんどです。繰り上げ法要は初七日までが多いですが、なかには三十五日・四十九日まで執り行う家もあります。

なお、繰り上げ法要はその都度集まるのが難しい参列者のために執り行うもので、以降の法要を省くための儀式ではありません。そのため、地域によっては、その後も初七日や四十九日法要を執り行うところもあります。

近年は還骨法要と繰り上げ法要を同義として使用されることもありますが、本来は異なる儀式である点は覚えておきましょう。

7.帰宅・仮設祭壇の設置

ご遺骨を持って帰宅したあとは仮設の祭壇を設置します。後飾り祭壇とも言われており、四十九日までは、仮設祭壇にご遺骨を安置するのが一般的です。

北海道独自の葬儀ルール

祭壇でお参りする女性の画像

北海道には、本州にない独自の葬儀マナーが存在します。道外にお住まいの方で、北海道の葬儀に参列する予定のある方、喪主になる可能性のある方は、事前に把握しておきましょう。本項で解説する内容は以下の通りです。

  • ・【函館など一部地域限定】火葬のあとに葬儀がある
  • ・香典には領収書が発行される
  • ・香典返しは当日返しが基本
  • ・お通夜のあとは家族で集合写真を撮る
  • ・火葬場へはバスで移動する
  • ・通夜振る舞いは親族のみ
  • ・新聞の訃報欄で逝去を知らせる
  • ・冬はブーツで参列しても良い
  • ・骨壷を使わず桐箱を使用する地域もある

それぞれ見ていきましょう。

【函館など一部地域限定】火葬のあとに葬儀がある

北海道函館・根室・岩見沢・釧路の一部地域では、葬儀よりも火葬を先に執り行います。葬儀の前に火葬をする慣習を「骨葬」や「前火葬」と呼び、骨葬がある地域では親族のみの「仮通夜」をし、その後通夜を行います。

流れとしては以下の通りです。

【函館・釧路の一部地域】
仮通夜→火葬→本通夜もしくは葬儀・告別式

【根室・岩見沢市周辺】
仮通夜→本通夜→火葬→葬儀・告別式

函館市の骨葬については以下の記事でより詳細に解説しているため、気になる方はぜひ読んでみてください。

函館市で主流の骨葬とは?一般のご葬儀との違いや当日の流れを解説

香典には領収書が発行される

函館を含む一部地域では、香典に領収書が発行されます。これは、香典が経費精算や確定申告において必要な「金銭的なやり取り」として記録されるためです。

特に大規模な葬儀や宗教法人が関与する場合、香典の管理が厳密に行われるため、領収書の発行が一般的です。日本ではあまり見かけない風習であるため、事前に理解しておきましょう。

香典返しは当日返しが基本

北海道では通夜や告別式の際に香典をお渡しします。一般的な葬儀では、参列者全員に対し、お礼の気持ちを込めて香典返しをするものです。しかし、北海道では香典返しは当日中に行うのが基本であるため、事前に1千円~2千円程度の品物を用意しなければなりません。

ただし、葬儀後に香典をいただいた場合は、後日「香典返し」として金額に応じた品物をお渡しします。 また、2万円以上の香典を頂いた場合、香典額の半額~1/3を香典返しとして四十九日法要のあとにお返しする場合もあります。

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香典の相場の金額

北海道の香典の相場は、全国的に見ても大きな違いはないとされています。重視されるのは個人との関係性や年齢であり、北海道も同様の基準で決まる場合がほとんどです。

上記を踏まえたうえで、北海道の香典の相場感は以下の通りです。

北海道の香典の費用相場
両親3〜10万円
祖父母1〜3万円
兄弟3〜5万円
親戚1〜3万円
一般の参列者3~5千円

例えば、20代の方が一般参列者として香典を用意する場合、3千円程度は用意したいところです。表はあくまで一般的な相場であり、地域によって前後します。不安な方は、北海道に在住している親族に確認すると安心です。

通夜のあとは家族で集合写真を撮る

北海道では、通夜のあとに遺族・親族で祭壇をバックに集合写真を撮ります。

面積が広い北海道では親族全員が集まるのが難しく、一堂に会する葬儀のタイミングはとても貴重な場でした。「今後いつ集まれるか分からない」との理由から、弔事の場であっても集合写真を撮るようになったのです。

火葬場へはバスで移動する

火葬場へ集団でバス移動するのも北海道ならではです。吹雪などの悪天候でも遺族が火葬場にまとまって到着できるようにと工夫された慣習です。バスの格納庫には棺が納められ、故人も一緒に移動します。

通夜振る舞いは親族のみ

通夜の会食「通夜振る舞い」は、基本的に親族のみが参加します。ただし、函館方面では通夜の後に乾物やビールなどのつまみを囲む簡単な食事の席が設けられ、その後あらためて親族のみで通夜振る舞いを行います。

新聞の訃報欄で逝去を知らせる

本州では著名人や地域の有力者のみが利用するイメージの訃報欄(お悔やみ欄)ですが、北海道では一般人でも訃報欄を用います。北海道新聞をはじめとした地方新聞の多くが無料で訃報を掲載できるためです。

通夜の日程などが記載されているケースもあり、訃報欄を見て「香典だけでも」と通夜に持参し、お悔やみを伝える場合もあります。

冬はブーツで参列しても良い

雪の降る北海道では、積雪時期の葬儀にブーツをはく方も少なくありません。北海道の場合、駐車場から式場までの間も雪が積もり転倒する危険性があります。そのため、無理をしてパンプスを履くよりは、ブーツの方が望ましいです。

ただし、派手なブーツはおすすめしません。また、ファーなどの装飾が多いものも控えた方がよいでしょう。クロークが用意されている葬儀場の場合は、到着するまでブーツで移動し、会場でパンプスに履き替える方もいます。

その他の服装に関するマナーについて詳しく知りたい方は、以下の記事がおすすめです。

【喪主・参列者】葬儀の服装・マナー・身だしなみについて解説【NGな服装も紹介】

骨壷を使わず桐箱を使用する地域もある

北海道の一部地域では、骨壷ではなく桐箱に直接ご遺骨を収骨するところがあります。また、布製の袋を用いる地域もあります。

近年は家族葬のような新しいスタイルも増加している

近年、北海道でも家族葬のような新しい葬儀スタイルが増加しています。

家族葬は、親しい家族や友人のみで行う小規模な葬儀で、故人との最後の時間を静かに過ごすことができます。また、経済的な負担を軽減し、葬儀の手続きや準備にかかる労力を減らすことができるため、多くの人々に支持されています。

実際に北海道の一般葬における参列者は、約50~150名程度です。家族葬の場合は20~50名程度となるため、葬儀費用を抑えられるだけではなく、準備の負担も軽減できるでしょう。最終的な葬儀の形は、故人の意思を尊重するか、遺族の判断次第です。

また、家族葬では香典の管理が簡素化され、一般的な葬儀に比べて香典の額も少なくなる傾向があります。次章で詳しく見てみましょう。

家族葬の場合の香典の違い

家族葬では、一般的な葬儀とは異なる香典の習慣があります。

家族葬においては、香典の額が少なめであることがほとんどです。理由は、親しい間柄で行われるためです。そのため、一般的な相場に従った金額ではなく、故人との関係性に基づいた金額になります。例えば、親族間であれば1~3万円、友人や知人であれば5千~1万円が相場です。

一方、家族葬では香典返しが簡略化されることが多く、あったとしても一般的な返礼品ではないこともあります。具体的には、遺族からの感謝の手紙や、故人の思い出の品です。このような柔軟な対応が、家族葬の特徴のひとつです。

ただし、家族葬の場合は香典を受け取らない「香典辞退」という措置もあります。故人や遺族の意志によるもので、この場合は香典を持参してはいけません。家族葬でも基本的には香典はいるものだと考え、金額も相場を基本に考えましょう。案内状に香典辞退の記載があれば、故人・遺族の思いを尊重するようにしてください。

北海道での葬儀は実績豊富な「ウィズハウス」へ

北海道の葬儀には、本州と違う慣習が多くあります。一部地域では火葬を先に行うなど、葬儀の流れ自体違うところもあるため、参列する予定の方・喪主となる可能性のある方は事前に把握しておくのがよいでしょう。

コープの家族葬ウィズハウスは、北海道全域で葬儀事業を行っています。これまで数多くの葬儀に携わってきており、各地域の慣習を重んじた葬送に尽力してきました。

北海道でご葬儀を執り行う予定の方は、ぜひウィズハウスをご利用ください。無料相談も受け付けておりますので、葬儀に関する不安・疑問・悩みがある方は、お気軽にお電話いただけると幸いです。

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