葬儀の知識
喪主から突然「お葬式の手伝いをしてほしい」と言われたら、戸惑う方が多いのではないでしょうか?
昔は親戚や近所の方がお葬式の手伝いをすることも多くありましたが、現在は葬儀会社のスタッフが進行するケースがほとんど。
しかし地域や葬儀の形によっては助け合いの風習が残っていることもあります。
今回はお葬式のお手伝いの種類や仕事内容についてご説明します。
またお手伝いを頼む立場の場合、「お礼はいくらくらい包めば良いのか?」という疑問をお持ちになることもあるでしょう。
記事の後半ではお手伝いの謝礼相場についても触れています。
この記事でわかることは以下の4つです。
- ・葬儀のお手伝いの種類・仕事内容について
- ・通夜・葬儀の流れとお手伝いの方の動き
- ・お手伝いをする際の服装やマナー
- ・葬儀のお手伝いの方への謝礼相場
葬儀のお手伝いの種類と仕事内容について
葬儀のお手伝いの種類は主に以下の6つが挙げられます。
それぞれの仕事内容と、どんな方に頼む場合が多いのかについてもご紹介します。
葬儀のお手伝い①受付係・会計係
受付係は弔問客をお出迎えして香典を受け取るのが主な仕事です。
香典帳に氏名・住所を記入してもらい、確認した後に返礼品をお渡しします。
このとき香典帳の名前がフルネームで書かれているか、住所は番地まで書かれているかなどを確認するのも大切な仕事。
親族ですと苗字が同じだったり、住んでいる町内が同じだったりしますので細部までチェックが必要です。
また弔問客から葬儀会場やトイレの場所を尋ねられる場合もあるため、施設についても把握しておきましょう。
会計係は受付係から香典を受け取り、香典袋に書かれている金額と中身が合っているかを確認するのが主な仕事です。
必要な方には香典の領収書も作成してお渡しします。
北海道の葬儀ではその場で香典の中身を確認し、香典帳に名前・住所・香典金額などを記載するのが一般的ですね。
そのため受付係と会計係は複数で兼任することが多いでしょう。
受付・会計係を担当すると読経や焼香に立ち会うことができないため、あまり近しい親族へは依頼しません。
現在は葬儀会社が手配した専門スタッフが代行することが多いです。
葬儀のお手伝い②接待・台所係
僧侶・弔問客へのお茶出しや、会食時の配膳手伝いなどが接待・台所係の仕事です。
会食とは通夜後の「通夜振る舞い」や葬儀・告別式後に振る舞われる「精進落とし」のことを指します。
台所仕事ですので遠縁の親戚の女性や地域の婦人会の方にお願いすることが多いでしょう。
接待・台所係は葬儀の後に定期的に行われる法事でも必要となることがあります。
葬儀のお手伝い③駐車場・交通係
葬儀会場の駐車場で弔問客の車を誘導するのが駐車場・交通係の仕事です。
また葬儀終了後、弔問客のタクシー手配や駅までの経路を説明する場合もあるでしょう。
常に葬儀会場の外にいなくてはならないため、遠縁の方や会社関係の方にお願いすることが多くなります。
近年は民間の駐車場誘導員へ依頼するのが一般的ですが、社葬など大きな葬儀では社員が行う場合もあります。
葬儀のお手伝い④撮影係
北海道の一部地域では、通夜の後に親戚全員で集合写真を撮る風習があります。
このとき撮影するのはプロのカメラマンですが、撮影係は葬儀の記録係としてビデオなども撮影します。
葬儀後は遺族に写真を送付する作業もありますので、近しい親族へお願いしたほうが効率も良さそうです。
葬儀のお手伝い⑤靴係(クローク係)
寺院など靴を脱ぐ会場の場合は靴の片付けを行います。
会場によっては、弔問客が脱いだ上着やコートを預かって片付けるクローク係のような役割となります。
紛失防止のために引き換え札を渡して管理するのが一般的。
特に靴係は立ったりしゃがんだりの動きが多いため、高齢の方には不向きなお手伝いでしょう。
現在は葬儀社のスタッフが担うことがほとんどです。
葬儀のお手伝い⑥世話役代表
一昔前は喪主の指南役として「世話役代表」というお手伝いがありました。
葬儀・喪主の経験がある年配の方に依頼することが多かったようですが、現在は葬儀社がすべて請け負ってくれるため、世話役代表を立てることは少なくなりました。
社葬の場合や一部地域においては世話役代表をお願いするケースもあるようですね。
通夜・葬儀の流れとお手伝いの動き
続いて通夜・葬儀の全体の流れと、お手伝いの動きについて見ていきましょう。
※撮影係・世話役代表に関しては、通夜・葬儀を通じて随時お仕事をします。
葬儀でお手伝いする際の服装・マナーについて
葬儀のお手伝いをする方は、立場上「遺族側」となります。
ご遺族に対してはもちろん、弔問客に対しても失礼のないマナーと立ち振る舞いを心がけましょう。
お手伝いを頼まれた場合は通常の葬儀に参加する場合と同じく喪服着用がマナーです。
ただし、接待・台所係を担当する場合は喪服が汚れないようエプロンを着用します。
葬儀のお手伝いで着用するエプロンは黒か白で無地のものがベター。ない場合は、できるだけ地味な色で柄の入っていないものを選んでください。
地域によっては「割烹着を着る」「黒いエプロンを着用」など、あらかじめ着用するものが決まっている場合もあります。
葬式のお手伝いが初めて、という方は念のため事前に確認しておきましょう。
また女性の方はお手伝いで動き回っているうちにストッキングが伝線してしまうかもしれません。
予備のタイツやストッキングを用意しておくと安心ですね。
葬儀の際の服装については以下の記事でも詳しくお伝えしています。
「家族葬での服装マナーとは?親族側・参列者側それぞれの服装を説明」
葬儀のお手伝いの方にお礼はいくら包めばいい?
葬儀のお手伝いをしてくれた方への謝礼相場は3000~5000円です。(世話役代表の場合は1万~2万円)
白地の封筒を用いて表書きは「志」とし、その下に喪主名を記入しましょう。
現金で渡すことに抵抗がある方は、ビール券などの商品券をお礼代わりにしても良いでしょう。
地域によっては会食(通夜振る舞い・精進落とし)や供物(フルーツの籠盛りなど)をお礼代わりにするところもあります。
家族葬の場合お手伝いは必要なのか?
家族葬は一般葬と比べて参列者が少なく、小規模葬儀になる傾向があります。
完全に遺族のみ参加の家族葬の場合は基本的にお手伝いは必要ないでしょう。
しかし親戚や親しい友人などが参列する家族葬の場合は、香典を受け取るための受付係は必要となります。
その場合は故人の血縁ではないご長男の配偶者や遠縁の親族などに依頼する場合が多いでしょう。
(遺族や関係の近い親族は、参列者の対応をしたり焼香の順番が早めに回ってきたりするため)
とはいえ親戚など会葬がある場合は少数でも受付や会計は「仕事」です。
参列に来たはずなのに…となってしまいますので、受付・会計・接待のプロを兼務で1〜2名を依頼することが一般的になっています。
故人とご遺族に寄り添ったオリジナルプランをご提案いたします。
ウィズハウスでの葬儀事例もご紹介しますので、ぜひご覧になってみてください。
まとめ
- ・葬儀で行うお手伝いには「受付・会計係」・「接待・台所係」「駐車場・交通係」・「靴・クローク係」・「撮影係」・「世話役代表」などがある
- ・お手伝いをする方はあくまでも「遺族側」。遺族や弔問客へ失礼のないマナー・作法を心がける
- ・お手伝いをする方の服装は喪服となる。接待・台所係の方はエプロンも用意しておく
- ・葬儀のお手伝いをしてくれた方へのお礼は3000円~5000円が相場。会食や供物をお礼代わりにする地域もある
- ・家族葬でも香典辞退をしない場合は受付係が必須。現在は葬儀会社の手配したスタッフに依頼することが多い