
葬儀の知識
お葬式やお盆に供えるお菓子といえば「落雁(らくがん)」を思い浮かべる人も多いのでは?
そもそも落雁はなぜお供え物として定着したのでしょうか?
今回は落雁の由来やお供え物になった理由、さらに美味しい食べ方までご紹介します。
今回の記事でわかることは以下の4つです。
落雁とはどんなお菓子なのでしょうか?
落雁の原材料や、和三盆・白雪糕との違いについてお伝えします。
落雁とは米や大麦・豆などの穀類を蒸し、粉にしたものを主材料とする「干菓子」。
「寒梅粉(かんばいこ)」や「上南粉(じょうなんこ)」に、水あめや和三盆などの甘味を加え、着色後に木型で固めたものが落雁です。
「寒梅粉」とは、もち米を蒸して餅にしてから、色が付かないよう焼き上げて粉にしたもの。
「上南粉」は蒸したもち米を乾燥させ、粉砕したあとに煎った粉のことです。
淡いピンクや黄色、草色など色のバリエーションも豊かですし、菊の花や蓮の花など見た目も華やかなのが特徴。
地域によっても特色があり、アンコや栗の入った落雁もあるそうですよ。
落雁とよく似たお菓子で「和三盆(わさんぼん)」や「白雪糕(はくせつこう/はくせんこう)」があります。
落雁と似ていますがどちらも微妙に違うお菓子です。
「和三盆」とはサトウキビから作られるお砂糖のこと。
この砂糖のみを固めたお菓子が「和三盆」です。ほどよい口どけとまろやかな甘みが特徴ですね。
白雪糕は実は落雁の一種で、地域によっては落雁と区別していないところもあります。
もち米とうるち米の粉に、砂糖や蓮の実の粉末を加えて型に入れたものが白雪糕です。
材料も作り方も落雁とよく似ています。
落雁はいつ、どのように日本に伝来したのでしょうか?
落雁の発祥の地は中央アジアとされており、日本へは中国を経由して室町時代に伝わったといわれています。
もともとは「軟落甘(なんらくかん)」という名称だったそうですが、日本で「軟」の文字が省略された、もしくは伝わった時点で「落甘」であった、など諸説あります。
日本へ伝わった後に「落雁」という字があてられましたが、その由来は近江八景の「堅田落雁(かただのらくがん)」の情景にちなんでつけられたという説も。
「落雁」が情景から名付けられたものだとしたら、なんとも風情のあるお菓子です。
江戸時代になると落雁は茶菓子として人々に親しまれるようになりました。
このときすでに草花や鶴・亀などさまざまな型で作られるようになっていた落雁。
お寺へのお供え物としても用いられるようになっていきました。
落雁はお葬式やお彼岸、お盆など仏式の行事には欠かせないお菓子です。
なぜ落雁は供物として定着したのでしょうか?
理由は諸説ありますが代表的な説を4つご紹介します。
目連僧侶の行った「百味飲物(ひゃくみおんじき・ひゃくみのおんじき)」が由来とされる説です。
目連僧侶はお釈迦様の弟子でした。その目連の母は亡くなったあと餓鬼道に落ちてしまいます。
母を何とか救い出したい目連はお釈迦様に相談することに。
すると「多くの者に食べ物を分け与えることで供養しなさい」という教えをいただきます。
目連はその教えに従い、たくさんの僧侶に美味しい食べ物を振舞って母を供養しました。
「百味飲物」とは「美味しい食べ物」という意味です。
施される食べ物の中でも甘味は特に良いものとされ、当時は高級品でした。
そのため甘いお菓子である落雁を供えるようになったという説です。
お供え物の落雁は、いずれ食べてなくなる消耗品です。
「不幸が続かないように」という意味も込めて落雁がお供えされたという説もあります。
砂糖の白色は故人がまとう白装束の色と重なります。白色は仏教において特別な色。
汚れのない白色と同様の純粋な魂で旅立ってほしい、という思いから落雁を供えたという説もあります。
落雁がお供え物として定番化する前、甘味の供物といえば果物が主流でした。
果物は数日経つと傷んでしまうため、カビなどが生えづらい落雁はお供え物として重宝されるようになったという説です。
一番、合理的な理由ともいえますね。
そのほかのお供え物に関しては、以下の記事でも詳しくお伝えしています。
https://with-house.jp/wp/blog/2019/06/6997/
ホロホロとした食感の落雁はそのまま食べるのも美味しいのですが、実はいろいろな食べ方があります。
「落雁がたくさんあって食べきれない…」という方もぜひ参考になさってください。
コーヒーや紅茶、甘酒や生姜湯などの温かい飲み物にポンと入れるだけでOK。
ほのかな甘みでホッとする飲み物になります。
おろし器ですり砕いて、ジップロックや瓶で保存しておくと入れたい分だけすぐ使えて便利ですよ。
落雁をそのままレンジで温めるだけで、また違った美味しさを味わえます。
温めすぎると熱くなってしまうので注意してください。
普通の落雁と食べ比べしてみるのも楽しいかもしれません。
落雁の甘味を使った簡単クッキーです。
サクサクとした食感がたまりません。
作り方
砂糖の代わりに落雁を使ったプリンも絶品です。
落雁は水分を極力省いて作られた干菓子ですので、一般的なお菓子よりも長持ちします。
原材料の違いや密封包装の有無など条件にもよりますが、賞味期限はおよそ3ヶ月~半年くらいでしょう。
ものによっては1ヶ月くらいしか日持ちしないものもありますので、購入前に確認できればベストです。
期限内でも湿気の多い場所や日当たりの良い場所に置くと傷みやすくなります。
落雁は特に湿気に弱いお菓子ですので梅雨時期なども気を付けてください。
落雁が傷んでいるかどうかの判断は、「カビが生えているか」「形が崩れているか」などが目安。
もし傷んでしまって食べられない場合は白い紙にくるんで捨てる方法もあります。
地域によっては川や海に流すところもありますが、現代では難しいかもしれません。
傷んでしまう前に早めにいただくのが一番でしょう。
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また「納骨堂や樹木葬ってどんなもの?」という疑問をお持ちの方はコチラも参考になさってください。
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