マナーやご作法喪主・関係者の知識

投稿日:2015年10月30日

更新日:2025年6月28日

【動画あり】焼香のやり方・マナー・意味を総まとめ|回数・手順・宗派ごとの違いも解説

焼香箱と焼香をする手元の画像

はじめての焼香でも大丈夫。この記事でしっかり予習できます。

 

「焼香ってどうやってやるの?」
「回数や順番に決まりはある?」
「失礼にならないようにマナーを知っておきたい」

お通夜や葬儀など、故人を偲ぶ場で欠かせないのが「焼香(しょうこう)」です。

でも、いざ自分が焼香する立場になると、「正しいやり方がわからない」と不安になる方も多いはず。

本記事では、初めて焼香をする方やマナーを再確認したい方に向けて、焼香の意味・作法・宗派ごとの違いまで、わかりやすくご紹介します。

この記事の内容

  •  

    焼香とは?意味と目的を知ろう

    仏花、数珠、袱紗など葬儀のイメージ画像

    焼香は仏前に香を供える行為

    「焼香」とは、香を焚いて仏さまや故人に手向ける行為のことをいいます。

    一般的には、抹香(まっこう)や線香を使って香りを立て、手を合わせて祈る場面を思い浮かべる方が多いかもしれません。

    焼香には、単に形式的な動作ではなく、深い意味や想いが込められています。

    焼香に込められた3つの意味

    1. 1.故人への追悼と感謝の気持ちを伝える
    2. 2.心身を清める
    3. 3.仏さまやご先祖への供養

    1.故人への追悼と感謝の気持ちを伝える

    焼香には、「あなたのことを偲んでいます」「ありがとう」といった故人への追悼と感謝の気持ちを香にのせて届ける意味があります。

    言葉で伝えきれない思いを、香を通してそっと手向ける…そんな優しさのこもった行為です。

    2.心身を清める

    仏教では、香の煙には邪気を払う力があると考えられています。

    焼香をすることで、参列者自身の心身を清め、神聖な気持ちで手を合わせることができます。

    3.仏さまやご先祖への供養

    仏教において香は、仏さまが喜ぶ供物(くもつ)とされています。

    香りを捧げることで功徳(くどく)を積むことにもなり、仏さまやご先祖への供養の意味も持っています。

    焼香は「心のお供え」

    焼香は、形式を整えることだけでなく、気持ちを込めて手を合わせることも大切です。

    「香りを通して想いを届ける」「心を清めて手を合わせる」——

    そんな風に、焼香は“心のお供え”だと思っていただけたらいいかもしれません。

    使用する「香」の種類

    焼香で使われる香には、主に以下の種類があります。

    種類特徴よく使われる場面
    抹香(まっこう)粉末状の香。香炉に直接手でくべる通夜・葬儀・法要などの式場全般
    線香(せんこう)細長い棒状の香。火をつけて香炉に立てる自宅・お墓・家庭用仏壇
    練香(ねりこう)ペースト状の香。茶道や一部の法要で使われる茶道・特殊な儀式(一般的ではない)

    葬儀や法要では、抹香または線香が使われることがほとんどです。

    地域や宗派によって異なる場合もあるため、事前に確認しておくと安心です。

    焼香の基本マナーと心構え

    焼香後祭壇でてを合わせる男性の画像

    焼香は、故人や仏さまに対して敬意と祈りの気持ちを捧げる、心のこもった所作です。

    ただ香をくべるだけでなく、「心を整えて手を合わせる」という意味があります。

    大切なのは“心を込める気持ち”

    焼香では、「形式が正しいかどうか」もさることながら、「心を込めること」も大切です。

    静かな気持ちで、故人を思いながら丁寧に手を合わせることが何よりの供養になります。

    所作のマナーと数珠の扱い方

    焼香の際には基本的に、以下のような所作を意識しましょう。

    • 背筋を伸ばし、静かに行動する
    • 祭壇の前では一礼、香をくべる前後には合掌をするのが基本
    • 抹香は右手の親指、人差し指、中指で軽くつまみ、静かに香炉へくべる
    • 左手には数珠を掛け、右手の下に添える
    • 香をつまんだ指を“はたく”のはNG行為。香を粗末にしたと見なされるため注意

    焼香の流れは係の案内と周囲の人に従います。

    「どう動けばいいんだろう」と不安になるかもしれませんが、前の人の所作を見ながら、落ち着いて行えば問題ありません。

    手順にとらわれすぎず、故人への感謝や祈りの気持ちを込めて、丁寧に手を合わせましょう。

    焼香のやり方(手順解説)

    祭壇の前で焼香し、合掌する女性の後ろ姿

    焼香には会場や宗派によってさまざまな形式がありますが、ここでは一般的な流れを基本に、誰でも安心して焼香できるようにわかりやすく解説します。

    焼香の基本的な流れ(通夜・葬儀の場合)

    焼香のタイミングは、式の流れに沿って会場スタッフや司会者から案内があるのが一般的です。

    式中に突然焼香の時間が始まるわけではないので、落ち着いて案内を待ちましょう。

    焼香の順番は、喪主からはじまり、席順の通りに進むことが一般的です。

    順番が近づいたら静かに立ち上がり、前の人に続いて焼香台へと進みましょう。

    基本的な焼香の流れ

    1. 祭壇前に進み、一礼

    → 焼香台の前まで静かに歩き、まず祭壇に向かって一礼します。

    2. 遺影に合掌(手を合わせて祈る)

    →故人への想いを込めて、合掌をします。

    3.香をくべる(抹香の場合)

    → 指先で少量の抹香をつまみ、香炉に静かにくべます。

    → 宗派によって「1回」「2回」「3回」など回数が異なる(詳細は後述します)

    4.再び合掌し、一礼
    → 焼香が終わったら、もう一度合掌。

    → 最後に祭壇に一礼し、静かに席に戻ります。

    焼香の一連の所作には、基本的な「礼の順番」があります。一般的には、

    祭壇の前で一礼 → 焼香 → 合掌 → 再度一礼

    という流れが丁寧とされています。

    宗派によって細かな所作に違いがある場合もありますが、会場に特別な指示がない限りはこの順番を守れば失礼にはなりません。宗派別の詳しい作法は本記事の宗派による焼香の違いでご紹介します。

    焼香の際の間違いや注意点

    焼香は故人への哀悼の気持ちを表す大切な儀式ですが、慣れていないと戸惑ってしまうこともあります。

    ここでは、焼香の際の間違いや注意点を紹介します。

    • ・お辞儀や合掌のタイミングがズレる
    • ・居眠りしてしまう
    • ・お香をつまむ時に使う指が違う

    一つずつ解説します。

    お辞儀や合掌のタイミングがズレる

    葬儀に参列した経験が少ない方は、「いつ手を合わせるの?」「お辞儀はどこで?」と迷ってしまう可能性があります。

    特に、多くの葬儀で行われる立礼焼香(本記事内「焼香の種類と作法」で解説)は、祭壇前に立って焼香するため、緊張する方も少なくありません。

    心配な方は、あらかじめ本記事の基本的な焼香の流れをご覧いただいたり、先に焼香を行う方々の作法をよく見ていただいたりすることで、失敗を回避できるでしょう。

    居眠りしてしまう

    通夜や葬儀では、長時間座って読経を聞くことがあります。そのため、疲れがたまっていたり寝不足だったりすると、ついうとうとしてしまうこともあるでしょう。

    眠気のせいで、焼香の順番が回ってきているのに気付かなかったり、出遅れてしまうのは避けたいですね。

    居眠りは、ご遺族や他の参列者が不快な気持ちになる可能性がありますので、できる限り体調を整えて参列することを心がけましょう。

    とはいえ葬儀は予定がたつものではないため、様々な事情から眠気に襲われてしまう場合もあるかもしれません。

    そんなときは、目立たないように手のひらを指圧するなどして軽い刺激を与えると、眠気が軽減される可能性があります。

    お香をつまむ時に使う指が違う

    焼香の際は「右手の親指、人差し指、中指で抹香をつまんで左手を添える」という作法があります。

    この作法を知らずに、親指と人差し指でつまんだり、5本の指を使ってつまんだりすると、動作が不自然になる可能性があります。

    これはそれほど大きな間違いではありませんが、事前にマナーを知っておくことで、焼香の際の不安な気持ちを軽減することができるでしょう。

    宗派による焼香の違い寺院の祭壇に向かって焼香する女性

    焼香の回数や所作には、宗派ごとの違いがあります。

    正確なマナーを知っておくと、いざという時に安心です。

    主な宗派ごとの焼香マナー(回数と特徴)

    宗派名焼香回数おしいただくかどうか特徴・ポイント
    浄土真宗(本願寺派)1回×焼香1回→合掌→「南無阿弥陀仏」を唱える→礼
    浄土真宗(真宗大谷派)2回×焼香2回→合掌→「南無阿弥陀仏」を唱える→礼
    浄土宗1~3回焼香回数に明確な決まりはない。
    真言宗3回真言宗は「3」の数字を大切にしている。
    曹洞宗2回◯(1回目のみ)1回目はおしいただき、2回目はおしいただかない。
    日蓮宗1〜3回導師(葬儀の中心を担う僧侶)は3回が正式なマナー。
    臨済宗1回3回の宗派もあり。

    ただし、焼香の回数や作法は、地域や寺院などによって異なりますので、菩提寺がある方は事前に確認することをおすすめします。

    動画でも宗派別の焼香マナーをご覧いただけます

    焼香の作法は、宗派によって回数や所作が異なります。

    文章だけではわかりづらい…という方のために、実際の所作を紹介した動画をご用意しています。

    以下は「浄土真宗(東)」の焼香マナーを紹介した動画です。

    合掌のタイミングや焼香回数など、ぜひご参照ください。

    ▶ 他の宗派の焼香マナー動画

     宗派の違いが不明なときは?

    • ・会場スタッフや僧侶の指示がある場合は、それに従いましょう
    • ・事前に宗派がわからない場合は、「1回の焼香+合掌」で丁寧に行えば問題なし
    • ・不安なときは、前の人の動きを参考にするのもひとつの方法です

    次章では参列する宗派を事前に知るための方法をお伝えします。

    参列する葬儀の宗派を知るには?

    前述の通り、焼香の作法や回数には宗派ごとの違いがありますが、いざ参列するとなると「この葬儀は何宗なんだろう?」「自分のやり方でいいのかな?」と不安になる方も多いでしょう。

    そこでまずは、参列先の宗派を知るためのヒントをご紹介します。

    宗派を知るためのチェックポイント

    訃報や案内状に書かれている場合がある
    訃報案内等に「○○宗 ○○派にて執り行います」と記載されていることがあります。まずは案内文を確認してみましょう。

    会場のお寺の名前から調べる
    寺院で行われる場合は、「○○寺」などの名前から宗派がわかることもあります。ネット検索で調べてみるとよいでしょう。

    宗派がわからないときはどうする?

    焼香は、自分の宗派のやり方で行う方も多く前の人の作法に合わせるのも自然な流れです。

    また、宗派によって所作が異なるといっても、気持ちを込めて丁寧に焼香すれば失礼にはなりません。

    喪主・遺族の焼香のやり方や順番

    喪主や遺族が焼香を行う場合、最初に行うのが一般的です。

    葬儀中、焼香がはじまるタイミングは、僧侶の読経開始後や導師の焼香の後などが一般的で、多くの場合、式の流れに合わせて案内されます。

    遺族側として焼香する際も、一般の参列者と同様に「一礼 → 焼香 → 合掌 → 一礼」という流れを守り、心を込めて手を合わせましょう。

    なお、遺族であれば事前に宗派を確認することが可能ですので、宗派の作法を守って焼香を行うとよいでしょう。

     

    焼香の種類と作法(抹香・線香)

    線香立てに立てられた1本の線香と立ち昇る煙

    焼香にはいくつかのスタイルや方法があり、会場や状況によって使い分けられています。

    ここでは主な「焼香の種類」と、それぞれの作法を解説します。

    焼香の種類

    種類特徴よく使われる場面
    抹香
    (まっこう)
    粉末状の香を指でつまんで香炉にくべる通夜・葬儀・法要など
    線香
    (せんこう)
    棒状の香を火で焚いて香炉に立てる葬儀・自宅・お墓・家庭用仏壇
    練香
    (ねりこう)
    ペースト状の香。専門的・儀式向け茶道や一部の法要など(一般的ではない)

    焼香のスタイル(動作の違い)

    焼香形式特徴主な使用場面
    立礼焼香
    (りつれいしょうこう)
    立ったまま行う。式場で最も一般的通夜・葬儀会場など
    座礼焼香
    (ざれいしょうこう)
    正座で行う自宅法要・寺院での法要など
    回し焼香
    (まわししょうこう)
    焼香具を盆に載せて席まで回す会場が狭い時や座ったままの形式

    焼香のスタイルについて詳しくは家族葬での焼香は一般葬と違う?宗派別の焼香の違いも解説でご紹介しています。

    線香のみを使う場合のマナー

    家庭の仏壇やお墓で焼香する際は、線香を使うことが多くなります。

    仏壇では: 1〜3本を立てて供える(宗派によって寝かせる場合も)
    お墓では: 火をつけて供えたあと、合掌して手を合わせる

    宗派名線香の本数線香の立て方・折り方
    真言宗3本折らずに立てる
    天台宗1本折らずに立てる
    浄土宗1本折らずに立てる
    曹洞宗1本折らずに立てる
    臨済宗1本折らずに立てる
    日蓮宗1本折らずに立てる
    浄土真宗本願寺派(お西)1本2~4つに折ってもよい
    真宗大谷派(お東)1本2~4つに折ってもよい

    ただし、線香の本数や立て方は、地域や寺院により異なる場合があります。

    よくある質問

    焼香についてのよくある質問のイメージ画像

    焼香にまつわる疑問は意外と多いもの。
    ここでは、実際によく聞かれる質問をQ&A形式でまとめました。

    Q1. 焼香は何回すればいいの?

    焼香の回数は宗派によって異なりますが、迷ったときは1回または2回で問題ありません。

    会場に案内がある場合はそれに従いましょう。

    心を込めて丁寧に焼香することが一番大切です。

    Q2. 順番が来る前に帰らなければならない場合はどうする?

    焼香せずに帰るのは避けたいところですが、急な体調不良など、やむを得ない事情がある場合は、目立たないように静かに席を立ち、斎場スタッフや受付に一言伝えましょう

    Q3. 小さい子どもも焼香していいの?

    はい、大丈夫です。

    子どもが小さくて難しい場合は、保護者が一緒に行うか、保護者のみが焼香しても問題ありません。

    「おじいちゃんにありがとうってしようね」などと声をかけてあげることで、子どもなりに理解できるのではないでしょうか。

    Q4. 香典と焼香、どちらを先にするの?

    香典は受付で先に渡すのが一般的です。その後、着席して式の流れに沿って焼香を行います。

    タイミングは会場スタッフの案内に従いましょう。

    Q5. 焼香のあと何をすればいいの?

    焼香後は静かに席に戻り、読経に耳を傾け故人を偲びます

    Q6. 焼香のとき、左手はどう使うのが正解?

    焼香では、右手で抹香をつまみ、左手は軽く下に添えるのが基本とされています。

    これは所作を美しく見せるだけでなく、「敬意を表す姿勢」として定着しているマナーの一つです。
    左手を無造作にポケットに入れたり、ぶらぶらさせたりしないよう注意しましょう。

    また、左利きの方の場合も、焼香は右手で行い、左手を添えるのがマナーとなります。

    まとめ|焼香のやり方に正解はある。でも一番大切なのは「心を込めること」

    焼香の回数や所作には宗派や地域による違いがありますが、共通して大切なのは、故人への敬意と祈りの気持ちです。

    マナーを守ろうと意識しすぎて緊張するよりも、落ち着いて、心を込めて焼香することが何よりの供養になります。

    不安なときは、会場の案内に従ったり、前の人の動作を参考にしたりして行うとよいでしょう。

     

    葬儀の際は、マナーや準備、金額相場などについて、様々な疑問をお持ちになる方も珍しくありません。

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