葬儀の知識
「葬儀にはどんな種類がある?」
「それぞれの特徴や必要な相場を知りたい」
ひと昔前は葬儀といえば一般葬が当たり前でしたが、現在はさまざまな葬儀形式が存在しています。
故人や遺族の細かなニーズを反映できるようになった一方、選択肢が増えたために「何がベストか分からない」という方も多くなりました。
費用もそれぞれ異なるため、自分や親の葬儀形式について悩む方もいらっしゃるでしょう。
そこで、本記事では近年主流の葬儀形式や費用相場について解説します。葬儀後の埋葬方法についても紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
<この記事でわかること> ・葬儀形式の種類と費用相場 ・宗教儀礼にこだわらない葬儀形式の種類 ・埋葬方法の種類 |
近年の葬儀の傾向
近年、葬儀の規模は縮小傾向です。一世代前は、会館などを借りて大規模に執り行うのが一般的でしたが、徐々に小規模葬が人気を集め、現在は家族葬が主流となっています。
首都圏では半数以上が家族葬を選択している傾向で、北海道においても家族葬の割合は増加しています。以下の表は、近年の葬儀形式の割合をまとめたものです。
葬儀形式 | 北海道の割合 |
一般葬 | 29.33% |
家族葬 | 32.33% |
1日葬 | 4.33% |
火葬式(直葬) | 1.33% |
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小規模葬が増加している背景には、以下の理由があげられます。
- ・親族親族同士の付き合いが希薄になってきている
- ・近隣住民との付き合いが希薄になってきている
- ・葬儀費用を抑えたいというニーズが高まっている
また、上記の表にはありませんが、宗教にとらわれない「自由葬」「無宗教葬」も、割合は少ないものの増加傾向です。
他にも、近年は葬儀に関して生前に相談する方も増えてきています。ひと昔前は「生きているうちに葬儀について話すのは不謹慎」とされていましたが、現在は「生前のうちにある程度決めておくべき」といった風潮です。
生前相談をする主な理由は「葬儀内容や予算をあらかじめ把握しておきたい」「遺族への負担を少しでも減らせるよう、自分たちで準備しておきたい」などです。
葬儀の事前相談はメリットが多く、葬儀の専門家に相談することで「本当に自分が望んでいる葬儀内容を再認識できた」という方も少なくありません。
コープの家族葬ウィズハウスでも、葬儀の事前相談を受け付けています。タイミングが合えば式場も見学できるため、葬儀費用や式場の雰囲気を前もって見ておきたい方は、ぜひ気軽にご連絡ください。
【仏式】葬儀形式の種類と費用
前章にて、家族葬の割合が増えていると解説しました。
しかし、「そもそも家族葬がどのような葬儀か分からない」という方もいらっしゃるでしょう。
そこで本章では、家族葬を含めた一般的な以下4つの葬儀形式の特徴・費用相場・メリット・デメリットを解説します。
- ・一般葬
- ・家族葬
- ・1日葬
- ・火葬式(直葬)
葬儀形式を選択する際の参考にしてみてください。
一般葬
一般葬とは、故人と関係のあった方々に広く参列していただく形式です。
家族や身内だけでなく、友人・ご近所さん・会社関係者なども参列し、100〜300名程度の式になります。宗教儀礼や故人の縁を大切にする伝統的な葬儀形式です。
多くの場合、逝去の翌日にお通夜、2日目に葬儀・告別式・火葬を執り行います。
一般葬の費用相場は100〜200万円ほどです。参列者が多い分、大きな式場を借りる必要があるため、料金が高額になりやすい点がデメリットです。
ただし、故人と関係のあった方々としっかりお別れができるメリットがあります。
参列者を限定しないため、「なんで呼んでくれなかったのか」といった親族間のトラブルが発生しにくい葬儀形式でもあります。
家族葬
家族葬とは、身内・親戚・特に親しかった友人などで、小規模に執り行う葬儀形式です。
「家族葬」と呼ばれていますが、家族しか参列できない訳ではなく、血縁関係がない方も参列できます。
参列人数に明確な決まりはなく、一般的には10〜30名程度の葬儀を家族葬と呼んでいます。
逝去の翌日にお通夜、2日目に葬儀・告別式・火葬が行われることが多い点は、一般葬と変わりありません。
費用相場は60〜150万円ほどです。参列者が少ないため、飲食費や返礼品にかける費用が抑えられます。
しかし、祭壇や棺などをアップグレードする場合は、一般葬と同等の金額になる可能性があります。
家族葬最大のメリットは、参列者が少ないため、故人とゆっくりお別れする時間を作れる点です。
一方で、葬儀に参列できなかった方から不満が出る可能性もあるため、親族同士の関係性を考慮したうえで選択する必要があります。
1日葬
1日葬とは、お通夜を省いて、葬儀・告別式・火葬を1日で執り行う葬儀形式です。家族葬に次いで、近年増加傾向にあります。
費用相場は60〜140万円ほどです。お通夜分の会場使用料や通夜振る舞いの料金が削減できるため、場合によっては家族葬よりも安く抑えられる点がメリットです。
しかし、参列者の人数や祭壇のグレードによっては金額が上がる可能性もあるため、極端に低価格な葬儀形式とはいえません。
1日ですべてが終了するため、喪主や遺族がご高齢で2日にわたる葬儀が体力的に厳しい場合におすすめです。
ある程度宗教儀礼を大切にしつつも経済的負担を軽減したい方にも向いています。
一方で、お通夜を省くことに対して親族から不満が出る可能性がある、菩提寺の許可が得られない場合があるなどのデメリットもあります。
火葬式(直葬)
火葬式とは、お通夜や葬儀といった宗教儀礼を行わず、火葬のみで故人を葬送する葬儀形式です。
基本的に僧侶による読経もありません。火葬炉の前で簡単なお別れを行うケースもありますが、所要時間は5〜10分と短めです。家族やごく親しい間柄だけで小規模に執り行います。
費用は20〜40万円ほどです。最低限の内容に留めるため、葬儀費用を大きく抑えられる点がメリットです。
数年前までは経済的に余裕がない方向けのプランとされていました。
しかし、近年は「遺族に負担をかけたくない」「葬儀は小規模でいい」といったニーズから、幅広い方々に選択されるようになっています。
経済的なメリットが大きい反面、宗教儀礼を行わないため、親族から理解が得られにくいといったデメリットもあります。
また、火葬式の場合は納骨を断るお寺もあるため、事前の確認が必要です。
宗教儀礼にこだわらない葬儀の種類
近年は、宗教儀礼にこだわらない葬儀も増えてきています。代表的なのが以下の3つです。
- ・自由葬・音楽葬
- ・無宗教葬
- ・自然葬
- ・ウィズハウスの「旅葬/巡輪偲」
ひとつずつ見ていきましょう。
自由葬・音楽葬
自由葬とは、従来の形式にとらわれず、自由な発想で行う葬儀形式です。葬儀会場はもちろん、ホテルやレストランなどさまざまな場所で行えます。
故人の人柄や個性を反映したオリジナルの葬儀が執り行える点がメリットです。内容によっては、葬儀にかける費用も抑えられます。
宗教にこだわりがなく、仲間と過ごす時間や趣味関係の交流が好きな方におすすめです。
音源での演出や生演奏などを行う場合は、「音楽葬」と名前を変えることもあります。
僧侶に読経をお願いしても良いですし、依頼しなくても良いなど、自由度が高い葬儀です。
デメリットをあげるなら、形式がない分、準備に時間がかかる点です。バンド演奏などの演出を希望する場合は、出演依頼や機材の手配などもしなければなりません。
無宗教葬
無宗教葬とは、宗教儀礼を取り除いた葬儀形式です。自由葬と混同されがちですが、以下の違いがあります。
自由葬と無宗教葬の違い | |
自由葬 | 宗教儀礼を取り入れる・取り入れないも自由 |
無宗教葬 | 宗教儀礼を取り入れない |
葬儀というよりも告別式に近い性質を持ちます。無宗教葬の場合は読経がありません。
自然葬
自然葬とは、ご遺骨を自然に返す埋葬方法の一種です。「葬」の字がついているため葬儀形式と混同する方もいらっしゃいますが、葬儀形式ではありません。
自然葬には主に以下の2種類があります。
自然葬の種類 | |
樹木葬 | 樹木を墓標とする埋葬方法 |
海洋葬・海洋散骨 | 海に遺骨を散骨する方法 |
ご遺族や子孫にお墓を管理する負担をかけたくない方や、死後は自然に還りたいという方に選ばれています。
ウィズハウスの「旅葬/巡輪偲」
ウィズハウス独自の葬儀方法である「旅葬/巡輪偲(じゅんりんさい)」をご紹介します。
「旅葬/巡輪偲」とは、故人と縁(ゆかり)のある地を巡り、人生や思い出を振り返りつつ最期のお別れをする葬儀形式です。
専用のバスに故人様とご遺族を乗せ、事前に打ち合わせしたコースをドライブして巡ります。
「前に来たときはこんなことがあったね」「ここが好きでよく来ていたね」など、思い出を語りながら最期のお別れができます。
体調や体力の問題で、葬儀に参列できないご家族やご友人の自宅に伺うことも可能です。
以下のページから「旅葬/巡輪偲」の詳細や、実際に利用した方の体験談がご覧いただけます。
新しいお別れの方法として、ぜひ検討してみてください。
特殊な形式の葬儀
本章では、一般的ではない特殊な以下3つの葬儀形式について解説します。
- ・社葬
- ・密葬
- ・生前葬
ひとつずつ見ていきましょう。
社葬
社葬(しゃそう)とは、法人(企業)が施主となって執り行う葬儀です。会社経営者や、企業に大きく貢献した社員、殉職された方などを対象としています。
以前は大規模なものが主流でしたが、近年は小規模な社葬も増えています。
家族のみで葬儀をとり行ったのち、対外的に社葬を執り行うのが一般的です。ほとんどの場合は、逝去後一週間以降に行われます。
密葬
密葬(みっそう)逝去を告知せずに内密に執り行う葬儀を指します。日本に古くからある葬儀形式のひとつです。
家族葬同様に、遺族や親族などが参列して少人数で行う葬儀ですが、後日改めて本葬やお別れ会を行うという点で、家族葬とは異なります。
生前葬
生前葬(せいぜんそう)とは、本人が生きているうちに葬儀を執り行う形式です。宗教儀礼はせず、お別れ会のようなかたちで行われます。
お世話になった方々に自分で感謝の言葉を伝えたい方や、葬儀を自分でプロデュースしたい方におすすめです
ただし、生前葬を行う場合は事前に家族・親族から理解を得ておく必要があります。生きているうちに葬儀をすることを不謹慎だと感じる方もいらっしゃるためです。
また、遺族側の心情からすると「生前に葬儀をしたからといって、死後にしなくていい」とはなりにくく、死後に改めて葬儀を執り行うケースもあるためです。
神式の葬儀
仏教より古くから日本にある宗教が「神道」です。現在は仏式の葬儀が主流であるものの、神式で葬儀を執り行う家も一定の割合で存在します。
神式の葬儀は「神葬祭(しんそうさい)」と呼ばれています。特徴は以下のとおりです。
- ・神社ではなく斎場または自宅で行う
- ・僧侶ではなく宮司が祝詞(のりと)を読み上げる
- ・故人の御霊(みたま)を霊璽(れいじ)に移す儀式がある
- ・戒名ではなく諡号(しごう)をつける
- ・焼香ではなく玉串奉奠(またぐしほうてん)をする
そのほか、仏式と異なる点が多々あります。
キリスト教式の葬儀
日本にもキリスト教徒は存在するため、キリスト教式の葬儀を執り行う家もあります。
キリスト教では、「死者が神のもとへ導かれていく祝福の儀式」とされている点が特徴です。
葬儀では、聖書の朗読・賛美歌の斉唱・献花などが行われます。
埋葬方法の種類
現在、日本で利用できる主たる埋葬方法は、以下の3つです。
- ・一般墓
- ・永代供養墓
- ・納骨堂
ひとつずつ見ていきましょう。
なお「宗教儀礼にこだわらない葬儀の種類」で紹介した樹木葬も、埋葬方法の一種です。
【関連記事】後悔しないお墓の選び方は? 選ぶポイントや注意点、種類も解説
一般墓
一般墓とは、先祖代々の遺骨が埋葬されているお墓です。多くの方が想像するお墓で、霊園墓地や寺院墓地に建立されています。
一般墓を建てるには100〜300万円がかかるといわれており、ほかにも霊園の使用料や菩提寺に支払うお布施が必要です。
【関連記事】お墓を建てる手順は?手順ごとに注意点も踏まえて解説!
永代供養墓
永代供養墓とは、供養やお墓の維持管理が保証されたお墓を指します。個別で埋葬する永代供養墓もありますが、合祀(他の方と一緒に埋葬される方法)が一般的です。
供養してくれるご遺族や親族がいない方や、ご遺族に墓守の負担をかけたくない方に選ばれています。費用相場は10〜150万円ほどです。
【関連記事】永代供養は本当にお得?必要な費用やメリット・デメリットを解説
納骨堂
納骨堂とは、室内の区画に遺骨を納めるタイプの埋葬方法です。一般墓より費用も安価で、管理も楽なため近年ニーズが増加しています。
ロッカー型・仏壇型・自動搬送型・位牌型・墓石型などが存在します。費用は10万円〜200万円ほどです。
コープの家族葬ウィズハウスでも、16.5万円から利用可能な納骨堂「納骨堂テラス」を運営しています。
札幌・恵庭・旭川の3つで利用可能です。以下のページから費用の詳細や建物の雰囲気を確認できます。ぜひご覧ください。
【関連記事】納骨堂の選び方で重視すべきことは? 種類や特徴、価格も知ろう
まとめ:葬儀の種類は生前に決めておくのがおすすめ
近年、葬儀の形式は小規模になりつつあります。一世代前は大規模な葬儀が主流でしたが、現代では多くの方が「家族葬」を選択しており、北海道でも、過半数の葬儀が家族葬で行われています。
核家族化や葬儀費用を抑えたいといったニーズが増えているのが要因といわれています。
ほかにも、宗教にとらわれない「自由葬」や、葬儀の日程を短縮できる「1日葬」なども増加傾向です。
葬儀の種類は多様化しており、費用もさまざまです。希望に合った葬儀を選ぶためには、事前に情報収集を行い、家族と相談するのが重要です。
コープの家族葬ウィズハウスでは、葬儀の事前相談を受け付けています。葬儀の内容や費用が気になる方は、気軽にお問い合わせください。