喪主・関係者の知識
「重篤とはどのような状態を指す言葉なのか」
「病院から重篤の連絡を受けたら、何をすればいいのか」
上記のような悩みや疑問を持つ方もいらっしゃるでしょう。
そこで、本記事では重篤の意味や状態、連絡を受けた場合の対応、万が一亡くなった場合の対処方法を解説します。
大切なご家族の状態が悪化した際、冷静に動けるよう本記事を参考にしていただけると幸いです。
重篤とは?意味や状態を解説
重篤とは、患っている病気が悪化し、深刻な病状になっている状態を表す言葉です。読みは「じゅうとく」で、厚生労働省では、以下のように定義されています。
「心・呼吸の停止または停止の恐れがあるもの、心肺蘇生をおこなったもの」
また、治療による回復が見込めない際にも使用されます。
参照:厚生労働省「重症度と緊急度」
本来は医療用語
本来、重篤は医療用語であり、医療関係者が使用していた言葉です。そのため、患者の家族に対してあまり重篤という言葉を使用しません。ただし、なかには重篤を患者の家族に対して使う病院もあります。
また、状態の説明以外にも「重篤な副作用が出る可能性もある」など、薬の副作用を説明するときにも利用します。身内が入院している場合、耳にする機会がある言葉ですので、覚えておいて損はありません。
危篤との違い
重篤と似た言葉に「危篤」があります。どちらも状態が悪化した際に使用しますが、緊急度としては危篤のほうが、より生命が切迫している状態です。具体的には、血圧や脈拍が下降し、呼吸状態が悪化するなどの状態を指します。
とはいえ、重篤・危篤、どちらにせよ予断を許さない状態に変わりはありません。
危篤の状態や、危篤を告げられた際の対応方法について詳しく知りたい方はコチラ
重体との違い
「重体」も、重篤と同じく容態が悪化し、命を失う危険性がある際に使用されます。ただし、重篤よりは緊急性が低く、今すぐ命を落とすほどの状態ではありません。
対象の状態になった原因によって使い分けられ、重篤は病気が原因で使われる時がほとんどです。一方、重症は事故が原因で非常に重いケガを受けた際に使用されます。
重症との違い
重症は、病気やケガなどの症状が重いときに使われる言葉です。軽症・中等症・重症の順に症状が重くなっていきます。重篤と比較して命に関わる可能性は低いですが、万が一の事態も発生しうる状態です。
厚生労働省が定めている定義では、3週間(21日)以上の入院と治療が必要な場合と定義づけられています。
参照:厚生労働省「重症度と緊急度」
重篤から回復する可能性はある?
重篤状態から回復する可能性は低いですが希望が全くないわけではありません。重篤を告げられたあとに回復する方もいらっしゃいます。しかし、存命ではあるものの回復しないまま数日経過するケースも少なくありません。
身内が重篤になった際の対応
身内が重篤だと告げられた際、どのように対応してよいか迷ってしまう方もいらっしゃるでしょう。いざという時にすぐ行動できるよう、家族がするべき対応を把握しておいて損はありません。身内が重篤になった際の対応は以下のとおりです。
- 1.病院へかけつける準備をする
- 2.身内や身近な人へ連絡する
- 3.職場へ連絡する
- 4.葬儀社の連絡先を確認しておく
- 5.本人に声をかけてあげる
それぞれ解説します。
1.病院へかけつける準備をする
重篤の連絡を受けたら、家族は急いで病院へかけつけましょう。その際、病院へ泊まる場合もあるため、宿泊の用意もしておくと安心です。万が一亡くなった際には、退院手続きが必要ですので、ある程度のお金やクレジットカードも用意しておきましょう。
2.身内や身近な人へ連絡する
親族や、病院へかけつけて欲しい友人に重篤が伝えられたと連絡しましょう。親族は、一般的に三親等以内までに連絡するとされています。
しかし、関係の深い方がいる場合は、三親等より遠い親族でも連絡して問題はありません。患者の交友関係を重視するのが大切です。連絡する手段については『重篤な状態を連絡する手段』にて解説します。
3.職場へ連絡する
ご自身の職場へも連絡しましょう。なぜなら、患者の状態によっては会社を休んで病院に泊まる可能性もあるためです。
直属の上司に、家族が重篤であり仕事を休まざるを得ない状況であると伝えましょう。必要によっては、数日間の仕事の引き継ぎも発生します。
4.葬儀社の連絡先を確認しておく
万が一亡くなってしまった場合に備えて、葬儀社の連絡先を控えておきましょう。病院で亡くなられた場合、霊安室に長くご遺体を預けてはおけません。速やかにご遺体を安置所へ搬送しなければならないため、事前に確認しておくのは大切です。
葬儀社が決まっていない場合は、余裕のあるうちに搬送を依頼する葬儀社だけでも調べておきましょう。
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5.本人に声をかけてあげる
病院に到着したら、本人にはげましの声をかけてあげましょう。重篤の場合、反応はなくても意識が残っている可能性があります。最期になるかもしれないため、後悔のないよう、いままでの感謝や思い出話などをしてもよいでしょう。
宗教ごとの対応の違い
重篤の連絡を受けた場合、宗教によって対応に違いがあります。それぞれの宗派における対応方法の違いは以下のとおりです。
【仏教】
菩提寺がある場合は、菩提寺の連絡先を確認しておきましょう。檀家として関係性の深い家であれば、重篤であると菩提寺に伝えるケースもあります。
【神道】
葬儀を依頼する神社の連絡先を確認しておきましょう。
【キリスト教】
キリスト教のなかでも、信心深く厳格な家や教会との関係性が深い家の場合は、神父や牧師への連絡が必要です。キリスト教は危篤や重篤の際に行う儀式があるため、自身の家が該当する場合は、教会の連絡先を控えておくとよいでしょう。
重篤な状態であると連絡するタイミング
重篤を告げられたら、なるべく早めに親族や友人に連絡しましょう。両親・兄弟・子どもなど、患者本人と近しい関係性であれば、時間を問わずに連絡しても問題はありません。時間帯に配慮して死に目に会えないと、残された家族が後悔するかもしれないためです。
また、深夜は病院の入り口が夜間救急になっているケースがほとんどですので、その点も伝えてあげましょう。
自分の会社にもすぐに連絡する必要があります。ただし、夜間帯の電話は控え、メールを用いるのがマナーです。前もってメールで連絡をしておき、常識のある時間帯になったら電話で報告しましょう。
重篤な状態を連絡する手段
重篤な状態を連絡する手段としては、電話が一般的です。電話でつながらなかった場合、メールやLINEなどのSNSを用います。とはいえ、SNSの方が連絡がつきやすいのであれば、電話を優先しなくても問題はありません。
親族や友人に早く重篤な状態であると伝えるのが一番大切です。
連絡する際の例文
重篤の連絡を受けたのが深夜や早朝で上司に電話できない場合は、メールで状況を伝えましょう。メールの文面には以下の内容を記入します。
- ・身内が危篤状態であること
- ・休暇をもらう可能性があること
- ・改めて電話で詳細を伝える旨
上記をふまえた例文は以下のとおりです。
〇〇課長
〇〇課の〇〇です。
突然のメール失礼いたします。
先ほど父の入院している病院から、容態が重篤であると連絡が入りました。
これから病院へ向かいます。
そのため、急なことで大変申し訳ないのですが、本日から数日間休暇をいただきたいです。
詳しくはあらためて電話いたします。
ご迷惑をおかけしますが、何卒よろしくお願いいたします。
メールで連絡したのち、日中帯に再度会社へ連絡を入れましょう。電話をする時までに休みの日数がはっきりしている場合は、休暇の希望日数も伝えておきます。
もしもの時の対処方法
万が一亡くなられてしまった時の流れや、家族がするべき対応は以下のとおりです。
- 1.死亡診断書を受け取る
- 2.葬儀社へ連絡しご遺体の搬送を依頼する
- 3.親族などへ訃報を伝える
- 4.医師から死亡診断書を受け取る
- 5.故人様を安置場所へ移動する
- 6.宗教者へ連絡する(ただし夜間や早朝は控える)
- 7.葬儀社と葬儀会場や日程打ち合わせ
身内が亡くなられた際、ご家族はすぐにご遺体の搬送や葬儀の準備をしなければなりません。想像以上に慌ただしくなる可能性があるため、ご葬儀までの流れや対応を事前に把握しておくとよいでしょう。
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まとめ
重篤とは、生命に危険が差し迫っている状態を指す言葉です。本来は医療関係者のあいだで使用される言葉ですが、患者本人の状態を伝えるため、医師が家族へ使うケースもあります。
身内の重篤を告げられたら、家族は急いで病院へかけつけましょう。その際、泊まり込みになる可能性も考慮してお泊まりセットを持っていくのをおすすめします。
また、万が一亡くなられた際には、ご遺体の搬送とご葬儀の準備をしなければなりません。
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