その他の豆知識
こんにちは、家族葬のウィズハウス スタッフの大崎です。
故人を弔うために仏壇に配している位牌。
位牌の処分が必要となった場合、どんな手順で処分すべきかご存知でしょうか。
「処分と言ってもそのまま捨てるわけにはいかないだろう」とは思っても、実際にどうしていいかわからないという方も多いです。
今回は位牌の処分方法のお話です。
処分のための段取りや流れ、処分時の注意点などをご紹介します。
位牌の処分が必要になる場合とはどんな時?
位牌は故人の魂が宿るための依代として大切に扱われ、基本的には処分はしないものです。
しかし、下記のような理由から位牌の処分が必要となる場合もあります。
位牌の作り変え
「位牌が古くなった」「傷んでしまった」「夫に続いて妻が亡くなり夫婦連名の位牌にする」などの理由から、新しい位牌を作り古い位牌を処分する場合があります。
四十九日法要まで簡易位牌を使用していた場合も、本位牌の準備ができ次第、簡易位牌を処分することになります。
引越しや遺品整理で仏壇を処分
引越し先に仏壇を置くスペースがなく、引越しを機会に仏壇や仏具、位牌を処分するという方もいらっしゃいます。
亡くなった家族や親族の遺品整理でも仏壇や位牌の継承者がいないという理由の場合はやむを得ないのですが、引っ越しを期に仏壇や仏具を処分される場合でも位牌の処分は慎重に考えた方が良いでしょう。
例えば仏壇仏具は一時的に処分したとしても、新たに購入してすぐに揃えることができます。
しかし、位牌は同じようにはいきません。位牌の処分は今後の供養一切を放棄することになります。
「仏壇を処分するから一緒に…」と考えるのではなく、「位牌を処分すべきか」しっかりと考えて結論を出しましょう。
弔い上げをして合祀(ごうし)とする
仏教では三十三回忌を過ぎると誰もが極楽浄土へ行けると考えられており、三十三回忌を持って弔い上げをして法要に一区切りを付けます。
弔い上げ後は故人の位牌は処分し、先祖代々の位牌に合祀(ごうし)して手を合わせることになります。
※宗教宗派やしきたりによっては五十回忌を弔い上げとする場合もあります。
位牌の意味や由来などの基礎知識についてはこちらをご覧ください。
正しい位牌の処分方法や段取りを解説!費用面についても
故人の魂が宿ると考えられている位牌は、いわば故人そのもの。
不要になったからといって、そのまま捨てるのはもってのほかです。
位牌や仏壇の購入時には「開眼供養」が必要ですが、位牌の処分時には位牌から故人の魂を抜くための「閉眼供養」が必要となります。
閉眼供養は「魂抜き」「お性根抜き」などと呼ばれることもあります。
位牌の閉眼供養を行い、処分するまでの流れをご紹介します。
【1】菩提寺の僧侶に閉眼供養を依頼
閉眼供養は基本的に菩提寺の僧侶に依頼をします。
菩提寺がない、遠いという方は葬儀を依頼したお寺に問い合わせてみましょう。
【2】閉眼供養を行う
僧侶を自宅にお呼びして読経をいただき、位牌の供養を行います。
閉眼供養は法要の一種なので、僧侶に対してはお布施や遠方の場合はお車代などの用意が必要です。
お布施の金額は1万円~10万円程度とお寺や地域によって幅があります。
金額がわからない場合はお寺へ直接尋ねてみても失礼にはあたりません。
【3】位牌の処分
閉眼供養を終えた位牌はただの板に戻っていますので、自治体のルールに従って一般ゴミとして捨てることができます。
やはり「ゴミとして捨てるのは気が引ける」という場合は下記のような方法もあります。
・お寺でお焚き上げしてもらう
・購入した仏具店で引き取ってもらう
・供養業者や遺品整理業者に引き取ってもらう
お焚き上げとは、古い位牌や仏具、お札などをお寺でまとめて供養して焼却処分することです。
お焚き上げを依頼する際にも1~10万円程度のお布施をお渡しするのが一般的。
ただし最近は環境などの問題から、お寺の敷地内でのお焚き上げはほとんど行われていません。信頼のおけるお焚き上げ業者に依頼するとよいでしょう。
ウィズハウスでも信頼のおける業者さんの紹介は可能です。
位牌を処分する際の注意点を確認しておこう
位牌を処分する際に気をつけてほしいのは、家族や親族に事前に相談をして理解を得ておくということです。
仏壇や位牌は、遺族や親族それぞれの故人への思いがこもっているものでもあります。
あなたにとっては「処分したいモノ」であったとしても、他の家族や親族にとっては違うかもしれません。
特に信心深い年配の親族とのトラブルや苦情の元とならないよう、しっかりと説明をした上で、菩提寺による閉眼供養を受け、正しい流れで処分するようにしましょう。
浄土真宗の位牌の処分について
浄土真宗では、亡くなった方は阿弥陀さまのお導きによって、すぐに成仏すると考えられています。そのため他の宗派のように「魂が宿る」とされる位牌を仏壇に置く必要はなく、多くの宗派では法名(浄土真宗における仏弟子としての名前)を本尊脇のお軸や掛け軸などに書き写す形を取ります。
このように浄土真宗では本来位牌は不要ですが、中には「仏壇の前で手を合わせる対象が欲しい」という思いから位牌を作る方もいらっしゃいます。浄土真宗で位牌をお作りになっていて処分したいと思った場合、浄土真宗以外のお寺へ依頼するか、仏具店や供養業者に供養の依頼をすると良いでしょう。
まとめ
・故人の魂が宿ると言われている位牌。位牌の作り変えや引越し、遺品整理、弔い上げなどのタイミングで古い位牌の処分が必要となる場合があります。
・位牌はそのまま捨ててはいけません。位牌の処分時には菩提寺に「閉眼供養」を依頼し位牌に宿った魂を抜く供養が必要です。閉眼供養後はお寺でのお焚き上げや仏具店、供養業者遺品整理業者などに処分を依頼しましょう。
・位牌の処分は一人で勝手に行わず、必ず事前に他の家族や親族にも相談し理解を得てから進めるようにしましょう。また浄土真宗では本来位牌は不要です。浄土真宗のお寺では位牌の閉眼供養を行わない場合もあるので覚えておきましょう。