その他の豆知識
こんにちは、家族葬のウィズハウス スタッフの大崎です。
前回の「家族葬と一般葬の割合でわかる最近のお葬式の傾向」では、近年の葬儀全体における家族葬と一般葬の割合や、最近増えている葬儀の傾向についてお話しました。
今回も前回に引き続き、家族葬の増加傾向についてのお話です。
家族葬増加の推移や、家族葬が増えている理由について社会的背景を踏まえてご説明します。
葬儀全体における家族葬の件数は増加傾向
首都圏を中心に葬儀に関する情報提供をしている「エンディングパーク」のデータによると、参列者が19人以下の規模の葬儀の割合は2012年から2014年までは全体の40%台、2015年には50%を超えて推移し、家族葬などの小規模葬儀が増えていることがうかがえます。
また、公正取引委員会が696社の葬儀会社へ実施した調査でも、「増加・減少傾向にある葬儀の種類」について下記のような結果が出ています。
【増加傾向にある葬儀の種類】
家族葬:51.1%
直葬:26.2%
【減少傾向にある葬儀の種類】
一般葬:68.8%
社葬:24.3%
公正取引委員会「葬儀の取引に関する実態調査報告書 」より
このように、たくさんの人たちが参列する「一般葬」から、故人の家族や親族、親しい友人など少人数のごく親しい人たちだけで見送る「家族葬」という葬儀の形を選択される方が増えてきていることがわかります。
家族葬が増えている3つの社会的な背景
では、家族葬が増加している背景にはどのような理由があるのでしょうか。
ご家族ごとに様々な理由があると思いますが、大きく分けて3つの社会的背景があります。
人間関係の希薄化
大きな理由の一つに、平均寿命が伸びて高齢化が進んだことがあげられます。
昔は60~70代、会社を定年退職してからすぐに亡くなるという方が多数でした。
そのため、会社の同僚や友人、知人とのつながりも多いままで、葬儀にはたくさんの人たちが参列していました。
現在の平均寿命は80~90歳代と高齢化が進んでいます。
定年退職してから時間もたち、周りの方も高齢になったり亡くなったりと自然とお付き合いの幅が狭まっていきます。
介護施設や老人ホームなどに入居している期間が長いとさらに人間関係は希薄になり、葬儀への参列は家族のみ、という場合も少なくはありません。
厳しい経済状況
バブル崩壊以降、一般家庭の経済状況は厳しい状態が続いています。
そのような経済状況の中「自分の葬儀にはお金をかけて欲しくない」という遺志を残される方も増えています。
また、高齢化が進んだことにより介護期間が伸び、介護費用により故人や家庭の資産が減少してしまう場合もあります。
これらの事から、あまりお金をかけない小規模でささやかな葬儀を希望される方が増えています。
宗教観念の変化
核家族化が進み、先祖代々のお寺やお坊さんとのお付き合いを持たない方が増えています。
普段からお寺とのお付き合いがない方は、葬儀に対しても宗教儀礼をあまり重要視されない事が多いでしょう。
宗教や儀式に対する価値観の変化から、伝統的な宗教儀礼よりも葬儀の形式や内容の自由度の高さを求める方が増えています。
今後の家族葬の在り方はどうなる
前述の社会的背景は今後も更に高まっていくでしょう。
それに伴い、家族葬を選択される方も更に増えていくと思います。
家族のみでこじんまりと行う家族葬、通夜や告別式を行わずに火葬のみで見送る直葬、その他にも無宗教形式や音楽葬など様々な葬儀の形が生まれています。
「伝統的な葬儀を滞りなく行う」ことより、いかに「自分たちらしく故人を見送る」ことができるかということを重視した葬儀が増え、多様性に対応しやすい少人数の家族葬はそういった時代のニーズをとらえた葬儀の形とも言えるでしょう。
自分たちの場合はどのような葬儀で故人を見送りたいかお悩みの場合は、ウィズハウスのスタッフにもぜひご相談ください。
まとめ
・葬儀全体における家族葬の割合は増加傾向で推移しています。エンディングデータバンクの調査でも、2015年には19人以下の小規模葬儀が全体の50%を超えています。
・家族葬が増加しているのには「人間関係の希薄化」「厳しい経済状況」「宗教概念の変化」といった社会的背景があります。家族葬という葬儀の形は現在の社会状況に合わせて広まったと言えます。
・家族葬は今後も増加の傾向にあると言っていいでしょう。葬儀に対しての価値観が変わってきた現代においては、「自分たちらしく」をキーワードに葬儀の形も更に多様化していくことが予想されます。