葬儀の知識
身内が危篤の状態であると連絡が入った場合、気が動転して何をしてよいか分からなくなってしまう方もいらっしゃるでしょう。
しかし、危篤になったときこそ冷静な判断と行動が求められます。
本記事では、身内が危篤になった際の対応方法や、万が一亡くなった場合の流れを解説します。
入院中の家族がおり、病状が急変する可能性がある方はぜひ参考にしてみてください。
危篤とは?意味・状態・症状を解説
危篤とは、読み方を「きとく」といい、命に危機が差し迫っている状況を指す言葉です。病院から危篤を告げられた際には、すでに意識をなくしており、いつ亡くなってもおかしくない状態と判断しましょう。
危篤の連絡を受けた場合、家族はすぐさま病院へ駆けつけなければなりません。病院によっては泊まり込みの付き添いをするところもあります。
危篤から何日も持つ場合もある
危篤はいつ亡くなってもおかしくない状況だと伝えました。しかし、何日持つかは人それぞれです。なかには、危篤と告げられてから小康状態(しょうこうじょうたい)を保つ方もいます。
危篤状態から回復する確率は低い
危篤の状態から小康状態を保つ方はいらっしゃいますが、回復する確率は極めて低いといわれています。「重篤」状態のほうが持ち直す確率が高いとされており、危篤状態ではあまり回復の期待はできません。
危篤連絡を受けたらするべきこと
病院から危篤の連絡を受けた際、気が動転してしまい慌てる方が多くいらっしゃいます。しかし、家族が危篤になったときこそ冷静に行動しなければなりません。危篤の連絡を受けた際にするべきことは、以下のとおりです。
- ・まずは落ち着いて心の準備をする
- ・病院へ行く支度をする
- ・危篤の状態であると親族や会社に連絡する
それぞれ解説します。
まずは落ち着いて心の準備をする
まずは自分の気持ちを落ち着かせましょう。慌てて動いてしまうと、さらなるトラブルを引き起こしかねません。同時に、身内が亡くなるかもしれないと覚悟する必要もあります。
病院へ行く支度をする
病院へ向かう準備をします。そのまま泊まり込みになる可能性も考慮して持っていく物を準備しましょう。最低限、以下の物を用意しておくと安心です。
- ・携帯電話
- ・携帯の充電器
- ・財布・クレジットカード
- ・親族や友人の連絡先
- ・簡単なお泊まりセット
事前に病状が悪化する可能性が推測できる場合、泊まりセットなどを用意しておくと、すぐに動くことができます。
危篤の状態であると親族や会社に連絡する
身内が危篤の状態であると、親族や会社に連絡しましょう。親族に連絡する際は、三親等以内に伝えるのが一般的です。
最期に立ち会ってほしい人や、患者本人が連絡を希望している相手がいる場合は、その方にも連絡を入れましょう。複数人いるのであれば、代表者1人に伝え、その方から他の友人に連絡してもらうと負担が軽くなります。
危篤の状態である本人が会社に勤めている場合は、勤務先の会社にも連絡する必要があります。キリスト教で、教会との関係性が深い家であれば、神父や牧師にも連絡を入れましょう。
連絡する際は、患者と自分の関係性・入院している病院と病室番号・自分の連絡先を伝えます。
危篤の状態を伝えるための連絡手段
危篤の状態を伝える手段として主流な方法が以下の3つです。
- ・電話
- ・メール
- ・LINEなどのSNS
電話で伝えるのが理想ですが、ケースバイケースで伝わりやすい連絡手段を用いましょう。
電話
相手へ迅速に情報を伝えられるため、危篤の状態を連絡する手段として、電話は最も適している方法です。相手が電話に出ない場合は、留守録に以下の内容を残しておきましょう。
- ・自分の名前
- ・危篤の状態である方と自分との関係性
- ・入院している病院と病室
- ・危篤の状態である方の病状
- ・自分の連絡先
メール
電話がつながらず留守録もできない場合は、メールにて危篤の状態を伝えましょう。その際、件名に危篤の連絡であると記載すれば、すぐに開封してくれる確率が高くなります。どのように文章を打っていいか分からない方は『危篤を報告する際のメールの例文』をご参照ください。
LINEなどのSNS
LINEなど、SNSのほうがメッセージに気が付きやすい場合は、使用しても問題はありません。その際、グループラインで伝えるのは控え、個別のメッセージを利用しましょう。
危篤を報告する際のメールの例文
親族や患者様の友人などに連絡する際は、以下の例文を参考にしてみてください。
- 〇〇の娘の〇〇です。
- 先ほど病院から連絡が入り、母の状態が急変したようです。
- これから病院で説明を受けてきます。
- お世話になっていた〇〇さんには、一目会っていただきたいと思い連絡した次第です。
- 母は〇〇病院の〇〇号室におります。
- 何かありましたら、私の携帯電話まで連絡ください。
- 番号〇〇〇-〇〇〇-〇〇〇
- よろしくお願いいたします。
「〇〇時以降は時間外窓口に伝えれば入れます」なども教えてあげると親切です。
亡くなった際のご葬儀までの流れ
危篤状態からご臨終となってしまった場合は、ご葬儀の準備をしなければなりません。その際の流れは以下のとおりです。
- 1.死亡診断書を受け取る
- 2.ご遺体の搬送
- 3.葬儀社へ依頼・打ち合わせ
- 4.ご葬儀
それぞれの段階において家族がするべき行動を解説します。
葬式・葬儀の段取りを詳しく知りたい方はコチラ
1.死亡診断書を受け取る
死亡診断書とは、医師が故人様の死亡を確認した際に作成される書類です。死亡診断書はご遺体の火葬やご遺骨を埋葬する際に必要となるため、大切に保管しましょう。
また、病院で亡くなった場合は、看護師によって末期の水やエンゼルケアを施してくれます。
死亡診断書や死亡届の手続き方法について詳しく知りたい方はコチラ
2.ご遺体の搬送
病院の霊安室には長くご遺体を置いておけません。すみやかに安置場所へ搬送する必要があります。事前に決めている葬儀社がある場合は、すぐに連絡を入れましょう。
依頼したい葬儀社が決まっていない際には、自分で調べるか、病院側が紹介してくれる場合もあります。
ウィズハウスでは、24時間365日ご葬儀のご依頼を受け付けています。急な逝去でご遺体の搬送を急がなければならない方は、いつでもお電話ください。
ご遺体の搬送費用について詳しく知りたい方はコチラ
3.葬儀社へ依頼・打ち合わせ
ご遺体の搬送が完了したら、葬儀社とご葬儀の打ち合わせをします。逝去されてから葬儀社を探す方もいらっしゃいますが、事前に葬儀社を決めておいたほうが葬儀までの流れがスムーズです。
4.ご葬儀
通夜・ご葬儀・告別式を執り行い、ご遺体を荼毘に伏します。この際、医師が発行した死亡診断書が必要ですので、忘れずに火葬場へ持参しましょう。
亡くなった場合の連絡範囲
万が一亡くなってしまった場合は、親族や友人・知人に逝去の連絡をする必要があります。連絡範囲は故人様の交友関係によって幅はありますが、基本的には以下の面々に連絡するべきとされています。
- ・三親等までの親族
- ・故人様の職場(学校)
- ・宗教関係者
- ・付き合いのあった近隣住民
上記の方全てに連絡する必要はなく、あくまで故人様の交友関係を優先して問題はありません。
危篤状態についてよくある質問
危篤状態についてよくある質問をまとめました。質問内容は以下のとおりです。
- ・身内が危篤になったら会社を休まなければならない?
- ・危篤の連絡を夜中に受けた場合はどうすればよい?
- ・危篤を想定して用意しておくべきことはある?
ひとつずつ回答します。
身内が危篤になったら仕事を休まなければならない?
身内の危篤で家族が病院へ泊まる場合、仕事を休まなければなりません。その場合、勤め先の上司へ必ず連絡を入れましょう。連絡は電話を使うのがマナーですが、深夜や早朝の場合はメールを用いましょう。メールの例文は以下のとおりです。
- 課長〇〇課の〇〇です。
- 遅い時間の連絡失礼いたします。先ほど、母が入院している病院から危篤の連絡を受けました。
- これから病院へ向かって説明を受けます。
- つきましては、急で申し訳ないのですが本日より休みをいただけますでしょうか。出勤時間になりましたら、詳細を連絡いたします。
- 何卒よろしくお願いいたします。
注意点として、身内の危篤で休む場合、忌引き休暇は使用できません。ほとんどの企業は有給を利用するか、なかには危篤による休みに対する手当を用意しているところもあります。
危篤の連絡を夜中に受けた場合はどうすればよい?
真夜中であってもすぐに病院へ向かいましょう。その際、駆けつけてほしい親族に電話をして病院へ駆けつけてもらいます。会社関係者にはメールを入れておき、日中帯に再度電話で連絡するのがマナーです。
危篤を想定して用意しておくべきことはある?
簡単なお泊まりセットと、危篤・逝去の際の連絡先のわかる物を用意しておきましょう。余裕があれば、万が一に備えて葬儀社を決めていたほうが、満足のいく葬儀を執り行えます。
まとめ
危篤とは、一刻の猶予もない状態を指す言葉です。病院から危篤の連絡を受けた際は、急いで駆けつけましょう。その際、死に目に会って欲しい方への連絡も忘れてはいけません。
万が一逝去した場合は、悲しみにくれる間もなくご遺体の搬送やご葬儀の準備をする必要があります。もしもの事態が予想できているのであれば、事前に葬儀社を選び、プランを決めておきましょう。そのほうが、いざというときに比較的慌ただしくならずスムーズにすすみます。
コープの家族葬ウィズハウスでは、急な逝去に対応できるよう、24時間365日搬送・ご葬儀の相談をうけたまわっています。ご遺体の搬送のみでも構いません、いつでもご連絡ください。