葬儀の知識
こんにちは、家族葬のウィズハウス スタッフの大崎です。
葬儀をあげるのにはまとまった費用が必要です。
故人が生活保護などで葬儀費用がない場合は、自治体が葬儀費用を負担する「葬祭扶助制度」を利用して福祉葬を行うことができます。
今回は生活保護受給者が利用できる葬祭扶助制度と福祉葬についてのお話。
どんな場合に利用できて、どんな葬儀をあげることができるのかご紹介します。
故人が生活保護の場合、葬儀は可能?費用はどうすればいい?
葬儀を行う際には多額の費用がかかるため、費用が用意できそうにない場合は不安になりますよね。
遺族の貯金や亡くなった故人の遺産で葬儀費用を賄えれば良いですが、故人が生活保護を受けていて遺産がなく、葬儀を出す人にもお金がない場合はどうしたら良いでしょうか。
葬儀をあげる費用がない生活困窮者は、自治体が葬儀費用を負担する「葬祭扶助制度」を利用して葬儀を行うことが可能です。
この制度を利用できるのは下記の2つのケースです。
●家族が亡くなり葬儀を出さなくてはいけないが、遺族自身も生活保護世帯で葬儀費用が出せない場合
●生活保護を受けていた方が亡くなり、遺族以外の方が葬儀を行う場合
生活保護は世帯範囲で認定されるので、故人が生活保護を受給していた場合、故人と同居していた遺族自身も生活保護受給者ということはよくあることです。
葬祭扶助制度の利用方法
葬祭扶助を申請するのは葬儀の施主です。
故人の死亡届を提出する際に、自治体の保護課へ葬祭扶助の申請をしましょう。
申請先は施主の住民票がある自治体となります。
葬儀会社へ葬儀を依頼する際には葬祭扶助制度を利用する旨を必ず伝えてください。
葬儀費用は自治体から葬儀会社へ直接支払われるので、施主本人がお金を受け取ったり支払ったりする必要はありません。
生活保護受給者の葬儀「福祉葬」の内容とは
自治体の葬祭扶助制度を利用して行うお葬式を「福祉葬」といいます。
福祉葬は通夜や告別式、読経など宗教儀式を省いた葬儀となります。
「火葬式」「直葬」と呼ばれる葬儀です。
葬祭扶助制度で支給される葬儀費用は必要最低限の金額のため、必然的に葬儀も簡素なものになります。
葬祭扶助制度で支給を受けられる費用は死亡診断書、葬儀、火葬、ご遺体の運搬などにかかる費用となり、読経や戒名料、香典返しや供花、供物などの費用にはなりません。
というのも、「政教分離の原則」により自治体は特定の宗教儀礼にかかる費用を負担することができないのです。
そのため通夜や告別式、祭壇や読経などはなく、火葬のみでシンプルに見送る形の葬儀となります。
2019年度の札幌市の葬祭扶助基準は下記の通りです。
大人 206,000円以内
子ども(12歳未満) 164,800円以内
(15,290円を超える運搬料については7,340円以内)
※令和元年10月より下記の金額となりました。
大人 209,000円以内
子ども(12歳未満) 167,200円以内
(15,580円を超える運搬料については7,480円以内)
上記の金額を上限として、自治体から葬儀会社へ直接葬儀費用が支払われます。
故人に遺産がある場合は、まずは遺産を葬儀費用にあて、基準額に対する不足分を葬祭扶助制で補填するという形になります。
ウィズハウスの福祉葬プランなら自己負担0円で、ご遺体の搬送・安置から納棺、火葬、拾骨のみのささやかな葬儀を執り行うことができます。
お気軽にご相談ください。
生活保護で葬祭扶助を利用し、福祉葬の葬儀を行う際の注意点とは?
葬祭扶助制度を利用する際に一番注意する点は、葬儀の前に申請が必要だということ。
葬儀を行って費用を支払った後に申請を行っても、「葬儀費用がある」とみなされ、受理はされませんので気をつけましょう。
「読経もないのはかわいそうだ」「立派な祭壇をつけてあげたい」と、自分たちで少し費用を足して葬儀を豪華にするのもNG。
こちらも同様に葬儀費用があるとみなされ、葬祭扶助制度を利用できなくなる場合があります。
また、参列者から香典をいただいた場合は、利用できなくなったり支給金額から差し引かれることはないですが、別途収入としての申告が必要です。
葬儀会社の中には葬祭扶助制度について不慣れであったり、よく理解していないという業者もあります。
少ない費用の中でできる限り良い形で故人を送るためにも、葬祭扶助制度を利用して福祉葬をあげる際には、葬祭扶助制度をより理解している葬儀会社に依頼するのがポイントです。
まとめ
・生活保護を受けている方でも葬儀を行うことはできます。生活保護受給者で葬儀費用が出せない方や生活保護受給者葬儀を親族以外が行う場合は、自治体が葬儀費用を負担する葬祭扶助制度を利用することができます。
・葬祭扶助制度を利用して行う葬儀を「福祉葬」といいます。葬祭扶助制度では宗教儀礼を省いたごく簡素な葬儀を行うための最低限の費用の支給となるため、通夜や告別式、読経などは行わない「火葬式」「直葬」の形の葬儀となります。
・葬祭扶助は必ず葬儀の前に申請しましょう。葬儀費用を支払ってしまった後に申請しても「葬儀費用を払うお金があった」とみなされ受理されません。同様に自分たちで少し費用を足して葬儀を豪華にするのもNG。参列者から香典をいただいた場合も、別途収入としての申告が必要です。葬祭扶助制度を利用する場合は、できるだけ制度に詳しい葬儀会社に依頼することをおすすめします。