葬儀の知識
こんにちは、家族葬のウィズハウス スタッフの二唐です。
お葬式でご遺体を納める棺にはたくさんの素材や形状の種類があります。
種類や大きさによって価格帯にも幅があり、どれを選んでよいか迷ってしまう方も多いです。
今回はそんな棺の素材や形状の種類、棺を選ぶ際のポイントについて解説します。
納棺の際にご遺体と一緒に棺に入れる「副葬品」についての注意点も一緒にお伝えしますね。
棺の種類はさまざま。選ぶ前に知っておこう
葬儀の際にご遺体を納める棺。実はその素材や形状にはさまざまな種類があります。
それぞれ代表的なものをご紹介します。
棺の素材・材質は大きく分けて4種類
【木材】木棺
オーソドックスなのが木材を用いて作られた木棺です。
檜、もみ、桐などの天然素材、2枚のベニヤ板と芯材を貼り合わせた「フラッシュ材」と呼ばれる加工板材などを素材とします。
天然木材で外側に彫刻を施したり、加工板の場合は木目調をプリントした紙を張り付けたりして装飾を施します。
【布】布棺
棺の周りを布で巻いて作られる棺です。
布のカラーバリエーションが豊富で、模様をプリントしたり刺繍をあしらったりすることもでき、故人のイメージに合った棺にすることができます。
【ダンボール・間伐材】エコ棺
ダンボールや間伐材などで作られた棺です。
火葬時の二酸化炭素の排出量が少なく、環境にやさしい棺ということで近年注目を集めています。
棺用に加工された丈夫なダンボールを用い、内側には布を張るので見た目は普通の棺と変わりません。
値段は一般的な棺よりも多少割高となっています。
【アクリル】エンバー棺
ご遺体の長期保存処置「エンバーミング」を施したご遺体専用の棺。
ドライアイスなど保冷が必要なく、上半分の蓋を外せたり、透明なアクリル板で棺の内側を覆っているのが特徴です。
私たちウィズハウスでは木棺や布棺をお取り扱いしております。プランによって異なりますので、詳しくはお問い合わせください。
形状棺は大きく分けて5種類
【箱型棺】
蓋部分が平らで最もシンプルな長方形型の棺です。
「キャスケット型」「平棺(ひらかん)」とも言います。
【山型棺】
蓋の部分が山形(台形)に盛り上がっている形の棺です。
箱型棺よりも装飾性が高いデザインになります。
【かまぼこ型棺】
蓋の部分が平らではなく、曲線を描く丸みを帯びた形状の棺桶です。
R(アール)型とも呼ばれます。
柔らかな印象になるので女性に人気のデザインです。
【船型棺】
棺の頭部が広く、足元にいくにしたがって狭くなっていくデザインの棺です。
西洋の棺桶をイメージすると形が分かりやすいと思います。
【インロー型棺】
蓋の部分が棺本体にかぶさっている形状の棺です。
棺の端が2重になり、重厚感があります。
「印籠」の形状に似ていることからついた名前です。
どの種類を選ぶ?棺の選び方ポイント
棺はその素材や形状、大きさや装飾の有無によって費用が異なります。
例えば素材による値段の目安は下記のような感じです。
●木棺:約4万円〜100万円以上
(フラッシュ材棺は~10万円、檜や桐の棺は高額になる傾向があります)
●布棺:約1万円台〜30万円台、刺繍などを入れなければ~10万円のものも
●エンバー棺:約10万円〜30万円台
●エコ棺:約5万円〜20万円台
費用を押さえたい方は布棺やシンプルな箱型棺を、棺にもこだわりたいという方は檜や桐などの高級素材の棺を選ばれることが多いです。
彫刻や刺繍など装飾の有無や内容によっても値段が変わります。
木棺の両側面に彫刻を施した棺を「二面彫刻棺」、両側面と蓋に彫刻を施した棺を「三面彫刻棺」、底以外のすべての面に彫刻を施した棺を「五面彫刻棺」といい、高いものでは数十万という価格のも棺もあります。
また、サイズ面も考えなければいけません。
硬直してくると、背伸びするかのような足のつま先の伸びや、頭の上の隙間も考えると、故人の背よりも約10~15cm程度大きなサイズを選ぶと良いでしょう。
棺の種類や形状に関しては宗教・宗派、地域の風習などで決まっていることも。
日本の棺の一般的な規格は180センチですが、身長が高い故人の場合は大きなサイズの棺が必要となる場合があります。
その際は利用する火葬場で大きなサイズの棺の火葬が可能かどうかも一度確認が必要です。
「火葬時に一緒に燃えてしまうので棺は何でも良い」という方もいますが、「故人が最後に眠る棺だから、納得のいくものをきちんと選びたい」という方もいらっしゃいます。
どんな棺を選ぶかも、故人をどのように送るかを考えることの一部です。
葬儀プランによって選べる棺の種類が限られてしまう場合もありますが、多くの場合はオプション料金を支払うことによって棺を変更することもできますので、葬儀会社へ相談してみましょう。
棺に入れる副葬品はどうする?注意点も
ご遺体と一緒に棺に納める物を副葬品といいます。
副葬品は主に、故人の好きだったものや愛用品、思い出の品物、故人に手向けたい品物などを入れます。
例えば故人の好きだったお菓子や洋服、趣味の道具や手紙などです。
基本的に燃えやすいものであれば問題ありません。
副葬品として棺に入れてはいけないものは、金属などの不燃物、水分を多く含んでいるものや燃えた時に遺骨を傷めてしまう可能性のあるものです。
特にプラスチック類は遺骨への付着やダイオキシンや火葬炉の損傷の恐れがあるためNGです。
指輪を含めて貴金属などのアクセサリーは、火葬場で禁止されており、メガネは基本NGですが、専用のケースに入れる事で可能な場合も多いので、ウィズハウススタッフへご相談ください。
故人以外の生きている方が写っている写真は「写っている方を一緒に連れて行ってしまう」と信じている方も多いため避けましょう。
火葬場によって副葬品として許可するものが異なる場合があるため、一緒に棺に納めたい副葬品がある場合は葬儀会社に事前に相談しておくと安心です。
まとめ
・棺は素材や形状などにさまざまな種類があります。木材でできた木棺、布を張った布棺、アクリル板でできたエンバー棺に加え、近年は火葬時の二酸化炭素発生量が少ない特殊なダンボールでできたエコ棺も人気です。
・棺の形状はシンプルな長方形の箱型棺、蓋の部分が台形に盛り上がっている山型棺、丸く盛り上がっているかまぼこ型棺、足元に向かって幅が狭くなる船型棺、印籠のように蓋部分が本体にかぶさるインロー型棺などがあります。
・棺は素材や形状により値段が大きく異なります。費用を押さえたい方は、布棺やシンプルな箱型棺を選ばれる方が多いです。棺は故人が最後に眠る場所なのでこだわりたいという方は、檜や桐などの高級素材や装飾性の高いデザイン、彫刻や刺繍などを検討される方もいらっしゃいます。棺のサイズは故人の背よりも約10~15cm程度大きなサイズを選ぶと良いでしょう。
・納棺の際に棺に一緒に納めるものを副葬品といいます。故人の好きだったお菓子や洋服、思い出の品物などで、燃えやすいものを入れることが多いです。不燃物や水分が多く燃えにくいもの、燃えた際に遺骨を傷める可能性があるものは入れてはいけません。一緒に収めたい副葬品がある場合、葬儀会社に事前に相談しておくと安心です。