喪主・関係者の知識
こんにちは、家族葬のウィズハウス スタッフの二唐です。
家族葬で僧侶にお渡しするお布施。
「お気持ちで」なんて言葉をよく聞きますが、実際どのくらいの金額をお渡しするものなのでしょうか。
今回はお布施の金額や内訳についてご紹介。
全国平均と北海道の相場の目安、その内訳やお渡しする際のマナーなどについてご説明します。
家族葬のお布施の全国的な平均金額と北海道の相場、内訳について
お布施については家族葬と一般葬で違う部分は特にありません。
葬儀に僧侶を呼んで読経をしてもらう限りは、お布施をお渡しする必要があります。
「日本消費者協会 葬儀についてのアンケート調査(2017年)」によると、お布施の全国平均金額は約47万円、北海道の相場は約33万円となっています。
お布施の相場金額は各地域ごとに大きな差があります。
・北海道地方・・・約33万円
・東北地方・・・・約60万円
・関東地方・・・・約52万円
・中部地方・・・・約53万円
・近畿地方・・・・約46万円
・中国地方・・・・約42万円
・四国地方・・・・約39万円
・九州地方・・・・約29万円
お布施の相場金額は、地域ごとの習わしや宗派やお寺の格式、お布施に含まれる戒名料などの影響によって差が生まれるようです。
お布施金額の内訳について
読経料:15~30万円程度
故人のために僧侶に読経をしてもらうことに対しての謝金です。
宗派や葬儀の内容にもよりますが読経は下記のようなタイミングで行われます。
・遺体安置直後の枕経
・通夜での読経
・告別式での読経
・還骨、繰り上げ法要
戒名料:10万円~
故人へ戒名を付けてもらったことに対する謝金です。
戒名は個人の社会的地位やお寺とのお付き合いによって位が決まり、その位によって戒名料も変わります。
定価があるわけではないですが、お寺から金額を提示されたり相場に合わせた金額をお渡ししたりすることが多いです。
戒名料のランクごとの全国相場(特に関東圏)
・信士、信女:20~50万円
・居士、大姉:50~80万円
・院信士、院信女:30~100万円以上
・院居士、院大姉:100万円~
関東圏では上記のような相場となっていますが、札幌市周辺エリアでの戒名料の相場は10万円~です。
ランク上位の院居士、院大姉でも20~30万円程度が一般的です。
この戒名料のランクによる金額の違い、地域による金額の違いがお布施金額の地域ごとの大きな差を作っていると言えます。
また、お布施と戒名料を別々にするお寺がほとんどです。金額などについて不明な点があれば葬儀会社やお寺に相談するのが良いでしょう。
車代:5千~1万円程度
僧侶に式場や自宅まで来てもらうための費用です。
実際にかかるであろう金額を考慮する必要があります。
御膳料:5千~2万円程度
通夜振る舞いや精進落としなどの会食へ僧侶が参加しない場合にお渡しするお金です。
お布施を渡す意味と渡すときのマナー
お布施の意味合いと金額
お布施とは、仏式のお葬式で僧侶に読経や戒名を頂いた謝礼としてお渡しするお金です。
宗教的な意味合いの「施し」であって、読経や戒名に対する「支払い対価」ではありません。
「お気持ちで」の言葉通り、故人の供養のために読経や戒名を付けてくださった僧侶(お寺)に対する感謝の気持ちでお渡しするものなので定価の設定などもありません。
とは言え、初めての場合などはいったいいくらお渡しすれば良いのかわかりませんよね。
目安金額や相場をお寺へお聞きすることは失礼には当たりませんので、いくらお渡ししたら良いかわからない場合は直接聞いてみても良いでしょう。
お布施を渡すタイミング
お布施は通常、葬儀会社へ支払う葬儀費用とは別に僧侶へ直接お渡しします。
お渡しするタイミングは繰り上げ法要の前後でお渡しするのが一般的です。
お布施の渡し方
お布施は半紙と奉書で包むか無地の白い封筒に入れて準備します。
表書きは「お布施」「御布施」と書くことが一般的です。
特に、戒名のほうは、宗派によって表書きが変わります。
葬儀社で準備してくれる事が多いので、確認してみましょう。
お渡しするときは直接手で持たずに、切手盆と呼ばれる冠婚葬祭用の小さめの黒いお盆に置くか、切手盆がない場合は袱紗(ふくさ)の上に置いてお渡しするのがマナーです。
斎場の場合では、渡すタイミングも含めてお盆の準備も一般的です。
お渡しする際には「本日は故人のためにありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします。」と感謝を伝えるのも忘れないようにしましょう。
菩薩寺がない場合でもお布施は必要です
葬儀の際に読経や戒名をお願いする「菩提寺」がない方もいると思います。
菩提寺とは先祖代々のお墓や位牌を収めているお寺のことです。
そのような場合は、葬儀会社から紹介を受けたお寺や僧侶へ読経や戒名授与をお願いし、御布施をお渡しすることになります。
葬儀社経由で読経や戒名をお願いした場合、お布施の金額が葬儀のプランによって決まっている場合があります。
金額はいくらなのか、僧侶に直接お渡しするのか、葬儀費用に含まれているのか、直接お渡しするとしたらタイミングはいつが良いのかなどまずは葬儀会社へ確認するようにしましょう。
また仏教だけではなくキリスト教や神道の葬儀の場合も「御祭祀料」や「御礼」と言った、教会や神官へ納めるお金があります。
こちらにも同じくマナーや金額の相場などがありますので、ご不明点はお気軽にご相談ください。
まとめ
・お布施の内訳は「読経料」「戒名料」「お車代」「御膳料」などです。全国平均は約47万円、北海道の目安相場は約33万円程度です。戒名料のランクや地域における金額差が、お布施全体の大きな金額差を作っています。
・お布施とは故人の供養のために読経や戒名授与をしてくれた僧侶(お寺)に対しての感謝の気持ちでお渡しする謝金です。読経や戒名の費用ではないため定価の設定などもありません。お渡しする金額に迷われた場合は、お寺に直接相談しても失礼にはあたりません。
・菩提寺がなく葬儀会社から新たに僧侶の紹介を受けた場合、お布施の金額が葬儀会社によって決まっている場合があります。金額やお渡しする方法などまずは葬儀会社へ確認してみましょう。仏教以外のキリスト教や神道でも宗教者へ納めるお金やその際のマナーがありますので注意しましょう。