
喪主・関係者の知識


「喪主の挨拶、何を話せばいいのだろう…」
突然のことで心の整理がつかないまま、挨拶の準備をしなければならない──。
多くの方が、喪主を務める際に最初にぶつかる不安が「挨拶」です。
通夜や葬儀では参列者へのお礼や故人に関する簡単な報告を伝えますが、決まった形がないぶん、どこまで話せばよいのか迷いやすい部分でもあります。
本記事では、喪主の挨拶の基本構成から、通夜・葬儀・告別式・家族葬など場面別の挨拶文例、急な別れや闘病の場合の文例まで、わかりやすくまとめました。
「とにかく文例を知りたい」「短い挨拶がしたい」という方も安心して読めるよう、すぐ使える文例もあわせて掲載しています。
初めて喪主を務める方が不安なく式を迎えられるよう、順を追って解説しますので、どうぞ参考になさってください。

喪主の挨拶には厳密な決まりはありませんが、参列者へのお礼や故人についての簡単な報告など、最低限伝えるべきポイントがあります。まずは基本の流れを理解しておくと、どの場面の挨拶でも落ち着いて話しやすくなります。
喪主挨拶の中心になるのは、参列してくれた方々への感謝の気持ちです。さらに、故人がどのように最期の日々を過ごしたのか、家族がどのような思いで式を迎えているのかを簡潔に伝えます。
<一般的な喪主挨拶の内容>
喪主挨拶は、以下の5つの流れに沿って話すと自然な構成になります。
この流れを基本としておくと、通夜・葬儀・告別式のどの場面でも構成を崩さずに話すことができます。
喪主挨拶は、参列者に負担をかけないためにも長くなりすぎないよう注意が必要です。目安としては1〜3分程度、文字数にすると300〜900文字ほどが適切です。
人前で話すことに慣れていない人は緊張で早口になりがちですが、ゆっくりと、聞き取りやすいボリュームで話すことを意識するだけで、落ち着いた印象を与えることができます。

喪主の挨拶には形式の厳しい決まりはありませんが、よく使われる「型」があります。ここでは、通夜、葬儀告別式など場面ごとに使われる定番の文例をご紹介します。
通夜の喪主挨拶は、葬儀・告別式に比べて短く済ませる方が多い傾向です。参列してくれた方へのお礼を中心に、短く簡潔に伝える挨拶が一般的です。
通夜は弔問に訪れる方が多く、故人との関係性もそれぞれ異なります。そのため、挨拶は長くなりすぎないよう、30秒から1分以内・2〜3文程度にまとめると良いでしょう。
話す内容は以下の3つで十分です。
① ご参列へのお礼
② 故人への生前のご厚情への感謝
③ 通夜振舞いまたは告別式の案内
本日はご多用のところ、故人〇〇の通夜式にお越しいただきありがとうございました。
生前に賜りました格別のご厚情につきましても、心より感謝申し上げます。
皆さまにご参列いただき、故人もさぞかし喜んでいることと存じます。
明日の葬儀は午前10時より、ここ〇〇斎場で執り行いますので、ご都合がつく方はご参列をお願いいたします。
本日は誠にありがとうございました。
日が短くなりましたので、お帰りの際はお足元にお気をつけください。
本日はお忙しいところ、故人〇〇の通夜式にご参列いただき、ありがとうございました。
生前は故人が大変お世話になり、家族一同心より感謝申し上げます。
ささやかですがお食事の席を設けておりますので、よろしければご参加いただき、故人の思い出をお聞かせいただければと思います。
通夜式は18時~19時頃にはじまり、19時~20時頃に終わります。その後帰宅する方々を配慮し、長く話しすぎないよう簡潔な挨拶を心がけることをおすすめします。
葬儀・告別式での喪主挨拶は、参列者へのお礼だけでなく、故人についての簡単な紹介や、遺族の気持ちに触れる言葉を添えるのが一般的です。
葬儀・告別式の挨拶は、1〜2分程度にまとめるのが一般的です。
話す内容の目安は次のとおりです。
① ご参列へのお礼
② 生前のご厚情への感謝
③ 故人の人柄・家族の思い(簡潔に)
④ 今後の法要などの案内(必要があれば)
本日は、故〇〇の葬儀・告別式にご参列いただき、誠にありがとうございました。
生前は、皆さまより多大なるご厚情を賜りましたこと、家族を代表して深く御礼申し上げます。
母は優しい性格で、私たち兄弟が子どもの頃に、兄弟げんかをしても、いたずらをしてもほとんど怒られたことがありませんでした。
大人になってからも、私たち家族のことをいつも一番に考えてくれて、いつも温かく見守っていてくれました。本当に感謝してもしきれません。
大切な母を失い、深い悲しみの中にいる私たちに、本日皆さまからお寄せいただいた弔意に、家族一同感謝の気持ちでいっぱいです。
これより出棺となりますが、どうぞ母をお見送りいただければ幸いです。
本日は誠にありがとうございました。
葬儀の挨拶は、通夜よりも丁寧さが求められるものの、決して形式ばった長い挨拶にする必要はありません。感謝の気持ちを落ち着いて伝えることが何より大切です。
家族葬では、参列者が親しい方に限られるため、挨拶は一般的な葬儀よりも短く簡潔で問題ありません。形式よりも、故人や家族への気持ちを伝えることが大切です。
家族葬は故人の身近な人のみが参列するケースが多いため、喪主挨拶を行わないことも珍しくありません。喪主挨拶を行う場合も、短くなることを気にする必要はないでしょう。
家族葬の挨拶に必要なのは以下の2点のみです。
① 集まってくれた親族や近しい方へのお礼
② 故人を偲んでほしいという気持ち
本日はお集まりいただき、誠にありがとうございます。
身内のみの家族葬ではありますが、私たち家族と一緒に故人を偲んでいただければ幸いです。
家族葬の挨拶は、凝った言葉よりも、「来てくれてありがとう」「故人を偲んでほしい」という気持ちが自然に伝わることが何より大切です。

故人の状況によって、喪主が伝える言葉も変わります。ここでは、急な別れ・病気や闘病からの旅立ち・故人の人柄を伝えるエピソードなど、よくあるケースに合わせた挨拶の文例をご紹介します。
突然の訃報は、喪主自身も気持ちの整理が追いつかないことがあります。挨拶では無理に説明する必要はなく、簡潔に現状と感謝を伝えれば十分です。
本日はご参列いただき、誠にありがとうございます。
突然のことで、いまだ気持ちの整理がつかない状況ではございますが、生前に賜りましたご厚情に深く感謝申し上げます。
闘病を支えてくれた人へのお礼や、故人の頑張りに触れる言葉を添えると、喪主の気持ちが伝わります。
本日はお越しいただき、誠にありがとうございます。
夫は、長い闘病生活を家族とともに乗り越えてまいりました。
不安な気持ちや病状が回復しないイラ立ちもあったと思いますが、それを見せることなく、最後まで夫として父として、立派な姿を見せてくれました。
闘病中に皆さまからいただいた温かい励ましは、夫はもちろん、家族一同にとって大きな支えとなりました。心より感謝申し上げます。
喪主挨拶でエピソードを入れる場合は、長くなりすぎないようにまとめるのがポイントです。故人の思い出を一言添えるだけで温かみが生まれます。
本日はご参列いただき、誠にありがとうございます。
故人はいつも家族や周囲の人を大切にする人でした。
大切にしていた方たちに旅立ちを見守ってもらえて、故人もきっと喜んでいると思います。
皆さまから生前にいただいたご厚情に、家族一同心より御礼申し上げます。

喪主の挨拶は、多くの人の前で気持ちを伝える場ですので、緊張することも珍しくありません。無理に暗記する必要はなく、カンペ(メモ)を使って話しても問題ありません。
カンペの使用はまったく問題ありません。喪主挨拶では、言葉を間違えることや、気持ちの整理が難しいことがあるため、むしろ原稿を手元に置いて話す方が安心して気持ちを伝えられるでしょう。
カンペを使う際のポイントは以下のとおりです。
・読みやすい大きさの文字で書くか印刷しておく
・視線を少し上げて、ゆっくり読む
・早口にならないように気を付けながら、丁寧に区切って読む
言葉に詰まってしまった時は、落ち着きを取り戻すために、一度深呼吸をしてから話すようにするとよいでしょう。参列者は喪主の気持ちを尊重して聞いてくれるため、完璧に話す必要はありません。
・最初の一文だけ暗記しておく
・ゆっくり話すことで落ち着きやすい
・詰まってしまっても焦らない
挨拶は上手さよりも、喪主としての気持ちが伝わることが何より大切です。例えスムーズに話せなくても、ひとつひとつの言葉を丁寧に伝えるだけで、十分心に届きます。
喪主が高齢である場合や、気持ちの整理がつかず挨拶が難しい場合は、無理に喪主本人が話す必要はありません。家族の中から代理の挨拶役を立てたり、葬儀スタッフに進行を任せることで負担を軽くすることができます。
代理挨拶は、家族の中で気持ちを落ち着いて伝えられる人が担当すれば問題ありません。一般的には、長男・長女・配偶者・親族代表などが代わりに挨拶をします。
喪主が挨拶をしなくても、式の進行や意味が変わることはありません。参列者も状況を理解しているため、気負わずに代理に任せて大丈夫です。
喪主が文章だけ準備し、家族の誰かに読み上げてもらう「代読」という形もあります。原稿をそのまま伝えられるため、喪主本人の気持ちが伝わりやすいというメリットがあります。
・代理であることを簡単に一言添える(例:「喪主〇〇に代わりまして…」)
・挨拶内容は簡潔にする
・代理が話すことで喪主が申し訳なく感じる必要はない
挨拶は喪主が必ず行うものではありません。本人の体調や気持ちを最優先にし、無理のない方法を選ぶことが大切です。

初めて喪主を務める方から多く寄せられる質問を、簡潔にまとめました。事前に知っておくことで挨拶の準備がぐっと楽になります。
喪主挨拶は慣習として行われていますが、体調や精神的な負担が大きい場合は無理に話す必要はありません。家族による代理挨拶や代読でも問題なく、近年は喪主挨拶をしない家族葬も増加傾向です。
長くても1〜2分(300〜600文字程度)が一般的です。通夜では短く、葬儀・告別式では少し丁寧な内容を心がけるとよいでしょう。
もちろん問題ありません。葬儀という状況では、原稿を見ながら落ち着いて話す方が伝わりやすいこともあります。緊張する場合は事前に少し練習しておくと安心です。
地域や宗派によって異なりますが、通夜・告別式それぞれに簡単な挨拶を行うのが一般的です。多くの葬儀において、進行は葬儀スタッフが案内してくれるため、喪主が覚えておく必要はありませんが、挨拶のタイミングを把握しておくことで、心の準備に繋がるでしょう。
問題ありませんが、長くなりすぎないようにまとめておくと、参列者も聞きやすいでしょう。長くなるエピソードは、通夜振る舞いや火葬の待ち時間など、別の機会に親族で語り合うことをおすすめします。

喪主の挨拶には決まった形があるわけではありませんが、参列者へのお礼と、故人や家族の思いを簡潔に伝えることが基本になります。通夜・告別式など場面によって話す内容が多少異なりますが、どの挨拶の場合も、形式よりも気持ちが伝わることを心がけるとよいでしょう。
緊張してうまく話せなくても、原稿を読みながらゆっくり話せば十分に伝わります。状況に合わせた挨拶を事前に用意しておくことで、不安が和らぎ、落ち着いて式に臨むことができます。
当社では、葬儀前のご相談から、喪主の役割のご説明、葬儀後のサポートまで、
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