
葬儀の知識
火葬は、お葬式の最後に行われる大切な儀式です。
とはいえ、火葬に参加した経験がない方は「どんな流れで進むの?」「どれくらい時間がかかるの?」と不安を感じるのではないでしょうか。
特に初めて喪主や遺族として火葬に立ち会う場合は、段取りが分からず戸惑ってしまうこともあります。
この記事では、出棺から収骨(拾骨)までの流れや火葬のマナーについて、わかりやすく解説します。
本記事をお読みいただき、火葬当日の動きや注意点を事前に知っておくことで、心の準備がしやすくなります。
大切な方との最後の時間を、穏やかな気持ちで迎えるために、どうぞお役立てください。
火葬当日は、葬儀・告別式が終わると出棺の時間を迎えます。
参列者に見送られながら斎場を出発し、故人を火葬場へお連れします。
出棺時には、喪主から参列者に向けて挨拶をする場合があります。
挨拶の文例は下記ブログでご紹介しています。
【関連記事】火葬場での挨拶マナーと例文|火葬前・火葬後に喪主が伝えるべき言葉とは
出棺の際は、霊柩車にご遺体を乗せ、ご遺族や参列者はマイクロバスや自家用車などで後に続きます。
移動の際は、火葬許可証を必ず携帯しておきましょう。火葬場での受付時に必要になります。
なお、北海道では、棺をバスに乗せて、故人と参列者が一緒に移動できる「霊柩バス」を利用するケースも多いです。
コープの家族葬ウィズハウスでは、座席の下(トランク部分)に故人を乗せる、一般的な霊柩バスの他に、座席の隣に棺を乗せられる「巡輪偲(じゅんりんさい)」というバスもご用意しています。
移動式葬儀専用バス「巡輪偲(じゅんりんさい)」についてはこちら
火葬場に到着したら、まず受付を済ませます。
受付カウンターで火葬許可証を提出し、その後は職員の案内に従って控室や炉前室へ移動します。
控室では火葬の順番を待ち、案内があるまでは静かに過ごすのが一般的です。
火葬場によっては、ロビーや自動販売機、キッズスペースなどが設けられていることもあります。
火葬が始まる前に、「納めの式」と呼ばれる最後のお別れの時間があります。
ここでは、読経(仏式の場合)や焼香などの宗教的な儀式が行われることが多く、宗派によって内容が異なります。
ただし近年では、火葬場まで僧侶が同行するケースは減り、読経は斎場で行われることが多くなっています。
焼香は、葬儀同様、喪主から順に故人との血縁や関係性が近い順に行います。
納めの式を行うための専用の部屋(告別室など)が用意されている場合、炉前ではなくそちらで行います。
納めの式終了時にも、喪主が挨拶を行う場合があります。文例については以下の記事をご参照ください。
【関連記事】火葬場での挨拶マナーと例文|火葬前・火葬後に喪主が伝えるべき言葉とは
納めの式が終わると、故人は炉に納められ、火葬が始まります。
火葬の時間は、一般的に60〜120分程度とされていますが、設備の状況やご遺体の状態によって前後することがあります。
火葬中、遺族や親族は、火葬場の控室やロビーで待機します。
お茶を飲んで休んだり、親族と静かに語らう時間にあてたりすることが多いです。
火葬時間や待ち時間について詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
【関連記事】火葬にかかる時間は?待ち時間の過ごし方や法律、時間帯まで徹底解説!
火葬が終わると、骨上げ(収骨)を行います。
収骨専用の部屋(収骨室)に案内され、ご遺骨を箸で骨壷に納める儀式を行います。
この収骨の方法は地域によって異なります。
また、2人1組で骨を拾い合う「箸渡し」の作法がある地域もあります。
これは、「箸」と「橋」が同じ読み方であることから、「故人が三途の川を無事に渡ることができるように」という祈りを込めて行われる儀式です。
収骨が終わったら、火葬許可証に火葬済証明印が押印されたもの(埋葬許可証)を受け取ります。
埋葬許可証は納骨の際に必要となりますので、なくさないように保管してください。
埋葬許可証を受け取り、火葬終了となります。
火葬にかかる時間は、おおよそ60〜120分程度が一般的です。
所用時間に開きがある理由は、故人の年齢・体格、宗教的な儀式の有無、施設ごとの設備の違いなどによるものです。
火葬当日は、出棺から火葬終了までを含めて全体で2~4時間程度かかるのが目安です。
この目安には、火葬場までの移動時間が含まれるため、斎場と火葬場の距離が離れているほど、所要時間も長くなるということです。
項目 | 所要時間の目安 |
出棺・移動 | 約30分 |
火葬場受付・お別れの儀 | 約30分 |
火葬 | 約60〜120分 |
収骨(拾骨) | 約30分 |
読経などの宗教儀式が入る場合や、火葬場が混雑している日程(友引明けなど)は、さらに時間が延びることもあります。
事前に葬儀社からスケジュールの説明があると思いますが、不明な点があれば遠慮せずに確認しておくと安心です。
特に小さなお子さまやご高齢の方が同行する場合は、待ち時間の過ごし方を考えておくのもおすすめです。
こちらの記事には、数年前、小学生の子どもを連れて火葬に参加した筆者の体験を記載しています。
【関連記事】火葬にかかる時間は?待ち時間の過ごし方や法律、時間帯まで徹底解説!
火葬場では、限られた空間で多くのご遺族や参列者が過ごすことになります。
家族を亡くした直後ということで悲しみが深い方も多いため、以下のマナーを心がけるとよいでしょう。
・火葬場では静かに過ごし、大声での会話を控える
・スマートフォンはマナーモードにし、通話は控える
・喫煙所や飲食スペースが決まっている場合はルールに従う
・死因を尋ねるなどデリカシーのない発言を控える
火葬場への同行も、基本的には喪服(ブラックフォーマル)が望ましいとされています。
最近では家族葬などで平服(ダークスーツなど)が許容されるケースもあります。
平服といっても、カジュアルな服装は避け、ダークトーンのスーツなど落ち着いた装いを選びましょう。
迷ったときは事前に葬儀社へ確認するのがおすすめです。
詳しい服装マナーについては、以下の記事で解説していますので、気になる方はご確認ください。
【関連記事】【喪主・参列者】葬儀の服装・マナー・身だしなみについて解説【NGな服装も紹介】
火葬が終わり収骨を済ませたあと、仏式葬儀であれば「還骨法要」や「繰り上げ法要」を行う場合があります。
斎場に戻り、読経や焼香を行います。
その後、「精進落とし」と呼ばれる会食を行いますが、近年では省略することも多くなっています。
精進落としでは、喪主から参列者に向けて感謝の意を伝え、献杯をした後、会食という流れになります。
法要や精進落とし終了後は、自宅に戻って遺骨を安置しますが、宗教や地域によっては、すぐに納骨を行う場合もあります。
A. 必ずしも全員が立ち会う必要はありません。
ご遺族の中でも代表者のみが収骨に立ち会うケースもあります。
小さなお子さまや体調に不安のある方などは、控室で待機しても問題ありません。
葬儀社に事前に相談しておくとスムーズです。
A. 基本的には「火葬許可証」を必ず持参する必要があります。
葬儀社が用意することが多いですが、骨壷・骨箱・白布(覆い)なども必要です。
待ち時間が長くなることもあるので、飲み物や軽いおやつ、上着などの防寒具を持っていくと安心です。
A. 火葬場で分骨する場合、分骨用の骨壺を用意しておきましょう。
分骨したお骨を墓地などに納骨する場合は、分骨証明書が必要となります。
火葬の前に分骨することが決まっているのであれば、その旨を葬儀社に伝えて、骨壺の用意や分骨証明書の発行について、相談するとよいでしょう。
A. 必須ではありません。控室は施設によって、有料の場合と無料の場合があります。
控室が有料で利用すべきかどうか判断に迷う場合は、葬儀社に相談してみましょう。
A. 一般的に火葬場まで同行するのは遺族や親族ですが、喪主や遺族の許可があれば行くことができます。
ただし、あくまでも故人と親交が深く、別れがたい気持ちが強いなどの理由がある方で、喪主や遺族の方とも親しい間柄であることが前提となります。
「火葬場に行ったことがないから行ってみたい」「収骨を見てみたい」など、不謹慎な理由で同行を希望することは、マナー違反となるのでやめましょう。
火葬の当日は、出棺から収骨まで7つのステップを経て進行します。
法要や精進落としまで含めた所要時間は最長4時間程度を想定しておくと安心です。
火葬場の混雑状況や儀式の有無によっては、もう少し時間がかかることもあります。
あらかじめ流れを知っておくだけで、当日の戸惑いや不安を軽減することができます。
不明な点や不安なことがあれば、コープの家族葬ウィズハウスまでお気軽にご相談ください。
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