葬儀の知識
香典返しは、葬儀の後に故人への弔意をしてくれた人に対して、お礼や感謝を示す重要な習慣です。しかし、地域によって形式や渡すタイミングに違いがあります。特に北海道では、独自の「即返し」という風習が存在します。また、香典返しを断る際にも注意が必要です。
本記事では、北海道における香典返しのマナーや金額の相場を詳しく解説し、品物の選び方や注意点についても触れていきます。これから香典返しを準備する方や、地域ごとの違いを理解したい方は、ぜひ参考にしてください。
香典返しとは
香典返しとは、葬儀の際にいただいた香典に対するお礼として、後日贈り物を返す日本の習慣です。故人への弔意を示してくれた方々に感謝の気持ちを伝える目的で行われます。
一般的には、いただいた香典の1/3~半額程度の金額に相当する品物をお返しするのが慣例です。また、地域や宗教により慣習が異なるものの、香典返しをしないケースもあります。例えば、香典を辞退した場合や、すでに即返しをした場合などです。
北海道では特に即返しが主流で、葬儀当日に香典返しを行うことが一般的です。また、本州でも近年では即返しを行うケースが出てきており、全国的に見ても珍しい形態ではなくなりつつあります。
葬式のお返しは、北海道は「即返し」、
全国的には「後日返し」
が主流
葬式でもらった香典に対してのお返しである香典返しですが、先述のとおり、即返しと後日返しの2種類があります。葬儀当日にすぐに渡すのが即返し、葬儀後四十九日法要後にお渡しするのが後日返しです。
それぞれ返す品物や選び方に違いがあります。地域的な要素もありますが、どちらを選択するかは喪主の判断次第です。詳細を次章で見てみましょう。
葬式後に改めてお返しをする
「後日返し」
北海道の葬儀では、受付で香典をいただいた方にその場ですぐお返しをする「即返し」で香典返しが一般的です。香典の金額や故人との関係性に関わらず、すべての方に対して、事前に用意していた同じ品物と会葬礼状はがきをお渡しします。
香典返しの品物は海苔やお茶、コーヒーなどが多く、予算は1,000~2,000円程度とそう高額ではありません。当日に返礼品と会葬礼状をお渡しし、香典返しが完了となります。いただいた香典の1/3~半額程度の品物を渡す後日返しとは状況が異なる点に注意しましょう。また、高額な香典をいただいた場合は、後日改めて香典返しを行う場合もあります。
即返しで香典返しが完了する慣習は、北海道民の「合理的」「お互い様」という考え方からきていると言われています。葬儀は出費が多く何かと大変であるため、お返しは最低限で良く、同じ品物を当日配って終了だと手間がかからず良いというのが理由です。
葬儀当日、受付ですぐにお渡しする「即返し」
北海道の葬儀では、受付で香典をいただいた方にその場ですぐお返しをする「即返し」で香典返しが一般的です。香典の金額や故人との関係性に関わらず、すべての方に対して、事前に用意していた同じ品物と会葬礼状はがきをお渡しします。
香典返しの品物は海苔やお茶、コーヒーなどが多く、予算は1,000~2,000円程度とそう高額ではありません。当日に返礼品と会葬礼状をお渡しし、香典返しが完了となります。いただいた香典の1/3~半額程度の品物を渡す後日返しとは状況が異なる点に注意しましょう。また、高額な香典をいただいた場合は、後日改めて香典返しを行う場合もあります。
即返しで香典返しが完了する慣習は、北海道民の「合理的」「お互い様」という考え方からきていると言われています。葬儀は出費が多く何かと大変であるため、お返しは最低限で良く、同じ品物を当日配って終了だと手間がかからず良いというのが理由です。
香典返しの品物の選び方
香典返しの品物を選ぶ際には、適しているものとそうでないものを見極める必要があります。普段贈ることがない品物であるため、選び方がわからないという人もいるでしょう。場合によっては人を不快にさせることもあるため、適しているものと適していないものについて、しっかりと理解しておきましょう。
適しているもの
香典返しに適している品物は、「消え物」と呼ばれる消耗品や食べてなくなる食品が一般的です。「不幸が残らないように」という意味合いで選ばれることが多く、北海道ではお菓子や海苔、洗剤などの日常的に使えるものが好まれます。
また、郵送することも多いため、軽くて割れにくいものを選ぶと良いでしょう。近年では、相手の好みに合わせて選んでもらえるカタログギフトも人気です。地域や宗教の慣習を考慮しつつ、感謝の気持ちを伝えるため、相手が喜んで使える品物を選ぶことが重要です。
適していないもの
香典返しに適していない品物として、お札や金券、現金に近いものがあります。これらは「現金を突き返している」として失礼とされることが多く、マナー違反となるため避けるべきです。
また、あまりにも高価なものや生鮮食品、酒や鰹節などの慶事を連想させるものもNGです。相手に負担や不快な思いをさせる可能性のある品物も、返礼品にしない方が良いでしょう。
宗教や地域の慣習によっては、一般的には問題なくても不適切とされる品物もあるため注意が必要です。香典返しは感謝の気持ちを込めて行うため、相手に配慮した品物選びが重要です。
葬式のお返しのマナーや注意点。
北海道における香典返しにまつわるマナーや注意点を見てみましょう。
水引や表書きに注意する
香典返しの品物には掛け紙をかけ、白黒結び切りの水引を付けます。表書きについては「志」と書けば、宗教宗派に関わらず使用できます。水引の下部には喪家の名前を入れてください。
弔事では「熨斗(のし)」飾りがない掛け紙を使いましょう。掛け紙のことを「のし紙」という方がいますが、のし紙は熨斗飾りがついた慶事用の掛け紙です。慶事を表す表現を嫌う人がいるため、混同しないように注意してください。
礼状や挨拶状を同封する
葬儀当日にお渡しする即返しには会葬礼状はがきを同封します。葬儀後に後日返しを送る場合もお礼状を同封しますが、お送りするタイミング(四十九日法要の前なのか後なのかなど)や宗教・宗派等によっても文面が変わります。
同封するタイミングや内容がわからない場合は、お気軽にご相談ください。
「家族葬」でも香典返しは準備が必要
「家族葬のため香典は辞退するつもりだから、香典返しも不要?」と考える方もいるかも知れませんが、そのようなことはありません。実際には親族が参列する際には、ほぼ必ず香典をいただきます。
せっかく用意してくれた香典を受け取らないというのは非常に失礼なことです。故人への弔慰へ感謝をして受け取り、香典返しをお渡ししましょう。
家族葬では葬儀への参加人数は事前に把握できるため、香典返しを準備する数も予測が立てやすいです。ただし、葬儀後に故人の友人や知人から香典をいただいたり自宅弔問を受けたりする可能性も考え、香典返しは少し多めに用意しておくと良いでしょう。
香典を辞退する方法
何らかの事情で香典を辞退する場合、以下の方法を採用すると良いでしょう。
・はっきり香典返し不要と伝える
・夫婦や同僚と連名で香典を出す
・会社の経費で香典を出す
それぞれの細かなマナーや注意点を解説します。
はっきり香典返し不要と伝える
香典返しを辞退したい場合は、事前にはっきりと伝えることが大切です。
葬儀前後に、遺族や受付担当者に「お気持ちだけで十分ですので、香典返しは不要です」と具体的に伝えましょう。また、香典をお渡しする際に「お返しは辞退します」というひと言を添えることで、遺族に無用な手間をかけずに済みます。
明確に意思を伝えることがマナーとなります。お気持ちであるため言いにくいと思う人もいるかもしれませんが、相手に負担をかけない配慮をすることも重要です。
夫婦や同僚と連名で香典を出す
夫婦や同僚と連名で香典を出す場合、香典返しを受け取る際の対応が異なります。連名で出す際は、香典の金額を個人ではなく全体としてまとめて渡すのが一般的です。そのため、連名の場合は喪主側の香典返しの負担が大きくなってしまう可能性があります。連名で香典を渡す際は、必ずひと言「香典返しは不要です」と伝えると良いでしょう。
香典返しを受け取る場合は、代表者が受け取ることが多いため、誰が受け取るかを事前に話し合っておいてください。連名での香典は、相手にとって負担を減らす手段にもなるため、特に同僚同士でのマナーとして活用されることが多いです。
会社の経費で香典を出す
会社の経費で香典を出す場合、香典返しの対応も個人とは異なります。多くの場合、会社名義で香典を渡すため、香典返しは不要とされることが一般的です。同時に、会社側が香典返しを辞退する旨を事前に伝えることで、遺族に負担をかけずに済みます。
また、経費での香典は、従業員全員を代表して出す形となります。そのため、個別に返礼を求めないのがマナーです。こうした配慮は、ビジネスマナーとしても重要な要素となります。
香典返しを断られたら、
無理に返さなくて良い
香典を受け取る側は、香典返しは不要と明確に伝えられた場合、無理にお返しをする必要はありません。特に、一万円以上の高額な香典をいただいた際は、返礼を考えがちですが、相手の意向を尊重することが大切です。
相手が香典返しを望まない理由として、感謝の気持ちだけで十分と考えることや、負担をかけたくないという配慮がある場合が多いです。このような場合は、感謝の気持ちを口頭や手紙で伝えるだけで問題ありません。無理に返そうとせず、相手の意向を尊重しましょう。
まとめ
北海道における香典返しは、全国的に見ても事情がやや異なります。一方で、返礼のタイミングが異なるだけで、香典をいただいたことに対する謝意を示す要素に変わりはありません。香典返しをする際は、マナーに気を付けつつ、相手に配慮した品物を選びましょう。
また、香典返しを辞退された場合は、相手の意思を尊重してください。感謝の気持ちとして受け取り、後日電話や手紙などでお礼を伝えるだけに留めても良いかもしれません。家族葬の場合も香典返しの用意は必要ですが、相手の意思を尊重することも忘れないようにしましょう。